2019/08/07 のログ
■ソルシエール > その魔女は、店の奥の広々とした来客スペースに独り、居た。
毛足の長い絨毯が敷かれ、中央には足の低い厚ガラスのテーブルが置かれている。
テーブルを挟んで、クッションが柔らかい上等の横長ソファーが一つずつ。
魔女が座すのはその内の一つ。適度な弾力の背凭れに体重を預けて足を組み。
店の出入り口には魔女の魔術が施されており、無意識の内に波長が合ってしまった者は、
ふらふらと入口を潜り、商品陳列エリアを通り抜け、奥の来客スペースへと入室するだろう。
一種の洗脳の効果が店自体にかけられているのだ。そして、魔女の獲物となる……。
魔術の抑制が効かない危険な者が入って来る事も有るが、滅多に有る事象ではないし、
とタカを括っている。永い時を生きた人ではない種族特有の増長と言えるだろうか。
店の洗脳効果を察知し、洗脳されずに踏み込んで来る輩も、稀に居るのだから──
洗脳効果を受けた者は、魔女の傍まで来た時点で効果から解放されて我に返るだろう。
ご案内:「看板の無い店」からソルシエールさんが去りました。
ご案内:「設定自由部屋2」にリスさんが現れました。
ご案内:「設定自由部屋2」からリスさんが去りました。
ご案内:「トゥルネソル商会 王都・マグメール店」にリスさんが現れました。
■リス > トゥルネソル商会、王都マグメール店、其処の一回の事務室にいつものように作業をしている少女がいる。
トゥルネソル商会、マグメール店の店長をしている、三姉妹の長女リス・トゥルネソル。
見た目はどこにでもいる少女であり、その実、どこにでもいる少女のようで、あまりいないタイプの少女である。
今日の仕事は終わりかけであり、これから軽く点検をすれば上がることのできる状態。
とは言え、さて、今日はどうしようか、と、仕事の後に関して考える。
今いる場所、トゥルネソル商会のマグメール店の場所は、平民地区と富裕地区のちょうど中間点と言うべき場所であり、どちらにも行きやすく、どちらからも戻りやすい。
なので、此処からどこか行くのは楽なのである。
一番通いたいな、と思うのは……九頭龍温泉宿であるが、そればかりでは芸がない。
何か、こう、別の気晴らし、を求めてもいいかしら、なんて考えるのだ。
■リス > 「………とはいっても。」
富裕区域の歌唱劇などは、一人で行っても面白くはない。
そういうのは、共に共有する誰かがいるからこそ、面白く見れるのだ。
では次は……お買い物、ウィンドウショッピング。
これに関しては、少女は基本周囲の値段調査になってしまう、ついつい仕事が入ってしまうのだ。
商人としての血が思わずと言う所である。
食事、に関してもやはり一人はさみしいものであるし。
「……あら。」
困った、思った以上に少女、自分に趣味がないと発覚。
いや、あるにはあるけれど、エッチな事であり、やはり一人ではできないものなのだ。
うーん?どうしたものかしら、と悩み始める
■リス > 妹たちの事を思い出す、次女は魔法が趣味であり、それを仕事……?にしているところがある。
三女は、まあ自由奔放に遊んでいる、冒険者をしているともいうが、それも趣味なのだろう。
なんにせよ、楽しむことが多いのは良い事ね、と思うのだけれど、自分はそんなにないような気がする。
むしろ、基本は誰かと一緒に何かするのが好きなので一人は好きではないのだ。
趣味は恋愛、と言う所かもしれない、それは、一人ではできないことは確定である。
あらま、どうしたものかしら、と考えてしまうのだった。
母の友人で、自分の講師であるあの女史から、魔法とかは教わっているものの。
それは自分の力を正しく使うための勉強であり、趣味……と言うほどではない。
「しゅみ、かぁ。」
嫁たちに、聞いてみるのもいいかもしれないなぁ、と。
事務所の机に頬杖を突いて考えるのだった。