2019/08/04 のログ
ご案内:「平民地区・宿屋」にルビィ・ガレットさんが現れました。
ルビィ・ガレット > 夜。どしゃ降りの中、予約していた宿屋に駆け込む。
1階は、酒場として機能して賑わっている。――その喧騒を横目に、さっさと。
受付で手続きを済ませてしまおうとするが。

「……予約していた部屋が、空いてない?」

向こうの手違いで、過剰予約が発生していたらしい。
実は、同じ部屋で先約がいたとのこと。その上で、後から予約してきた女を、
宿側が誤って受理してしまったらしく。若い店員はひたすら申し訳なさそうに謝罪してくるが、
こちらに本当に落ち度は無いのだが――、取っていた部屋に泊まれない。その事実は変わらず。

「それは、まあ。……仕方無いとして。
 ――別の部屋は空いていないんですか?」

更に店員の表情が曇る。……彼女が言うには、ほかにも過剰予約で本来の部屋に泊まれなくなった
客がいるらしく。そして、今部屋は二人部屋がひとつしか空いてないらしく――、

「つまり、あぶれた者同士、相部屋で我慢してくれないか……ですって?
 いや、その。格安にすると言われても――」

不意に背後に気配を感じて、そちらを振り返る。
タイミングからして、相手が自分と同様、宿の手違いで正規の部屋が無い客だろうか。

ルビィ・ガレット > 相手も自分も、このどしゃ降りの雨の中、別の宿屋を探し回る気力は無く――、
結局、相席ならぬ相部屋を受け容れることとなった。その代わり、宿代は店側から
破格の数字を提示してもらったが。

部屋に案内されると、ベッドは幸い、一人用が二つ置かれているタイプの二人部屋だった。
自分と相手、どちらからともなく、安堵した息を漏らして。――夜が、更けていく。

ご案内:「平民地区・宿屋」からルビィ・ガレットさんが去りました。
ご案内:「看板の無い店」にソルシエールさんが現れました。
ソルシエール > ──その魔女は、店の奥の広々とした来客スペースに独り、居た。
毛足の長い絨毯が敷かれ、中央には足の低い厚ガラスのテーブルが置かれている。
テーブルを挟んで、クッションが柔らかい上等の横長ソファーが一つずつ。
魔女が座すのはその内の一つ。適度な弾力の背凭れに体重を預け、悠然と足を組み。

店の出入り口には魔女の魔術が施されており、無意識の内に波長が合ってしまった者は、
ふらふらと入口を潜り、商品陳列エリアを通り抜け、奥の来客スペースへと入室するだろう。
一種の洗脳の効果が店自体にかけられているのだ。そして、魔女の獲物となる……。
魔術の抑制が効かない危険な者が入って来る事も有るが、滅多に有る事象ではないし、
とタカを括っている。永い時を生きた人ではない種族特有の増長と言えるだろうか。

店の洗脳効果を察知し、洗脳されずに踏み込んで来る輩も、稀に居るのだから──
洗脳効果を受けた者は、魔女の傍まで来た時点で効果から解放されて我に返るだろう。