2019/05/26 のログ
ご案内:「とある貴族の館」にロッソさんが現れました。
ご案内:「とある貴族の館」に刀鬼 紫沙希さんが現れました。
ロッソ > 王都 郊外区に人知れず存在する ボロ一歩手前の 言い方を変えれば自然あふれる環境に恵まれた、
とある貴族の館が茫々の草木に覆われて存在する。人の気配ならぬ謎の気配、人ならざる者の気配、
時折その気配たちが大量に夜な夜な動き、欲望に満ち溢れた盗賊や山賊その他諸々が侵入したっきり戻ってこないという、
昼間は人の気配もなく 夜は夜で別の気配が濃厚とかいう謎極まりない貴族の館で、
今日も 邸宅内に ゴソゴソ ギコギコ キィキィ ギャー…最後のは誰かの悲鳴だろう。

その声の主は邸宅の敷地内から出てこなかった。 もぐもぐされたのか意識を失ってしまったか。

(…フフフ)

八本足の大きいのと小さいのが三人、とある空間に集まって謎の作業をギコギコバッタン やってます…。

刀鬼 紫沙希 > 「ここか。」

ここに鬼が姿を現したのは夕刻を過ぎた頃となる。
目ぼしい商材になりそうな物を見つけたと息巻く子分の一人より場所を聴きつけ、鬼自ら脚を運んだ次第だ。

「確かに、物騒な場所の様だ。
お前たちはここで待ってろ。
私ならどうにかなるだろう。」

賊と思われる汚い悲鳴を聞いた鬼は子分たちに敷地内に入らないことを命じ、自らは敷地の外から声をかけることにした。

「あ~、誰か居るか?」

うっかり敷地内に入ると中の住人と襲われると聴いていた鬼。
敵対することは望まないのであくまで向こうから出て来てくれるのを待つことに。

ロッソ > 軋む機械…木製で出来た簡単な仕組みをした機織り機で糸を使い編込み作業を只管しているアラクネ親子4名。
その内ひときわ大きいのが此処の館の主であり その辺でどう呼ばれているかは分からないが、
アラクネのばけもん として認知されているっぽい存在。
敷地内と外にまり巡らせていた警戒網に糸が引っ掛かったので、娘たちに作業の継続を告げてから、
糸を伝って部屋から部屋へ、空間から空間へ やがて。

「______ようこそ。」

音もなく すとんと敷地内と外を隔てる扉の前に降り立ったアラクネ一匹見参!
アラクネはでかい為、聊か相手を見下ろす事になるが、
深々と出来る限りの礼儀作法として前足を折り、妙な跪き作法をして見せたという。

刀鬼 紫沙希 > よく目を凝らせば、そこかしこに糸が引いてある。

「なるほど、クモってのは本当のようだな。
迂闊に触れるとどうなるかわからねえな。」

子分にあらかじめ聞いていた通りの危険な屋敷。
用事が無ければそう近寄ることも無かっただろう。

「あんたがここの主か。
私は刀鬼 紫沙希/とうき むらさきってもんだ。
あんたの作る糸に興味が湧いて寄らせてもらった。
邪魔しても構わねえかい?」

屋敷の主の要望は子分から聴かされていなかった。
己を見下ろす高さの相手を見上げる鬼。
顎に手をやり、見上げる鬼は大胆不敵。
深く礼をするアラクネに笑みを浮かべていた。

ロッソ > 敷地内 中空に糸だらけ。見えない糸が夕焼けで漸く見える程度に
なっているが、よくよく目を凝らさないと見えないシロモノ。

「アラクネです。この敷地内 毒だらけなので、毒耐性がなければ大方30秒でもぐもぐされるかも。」

もぐもぐ 何にもぐもぐされるのか。
毒草 毒の木 瘴気漂い 底なし沼に 毒沼 毒の生物がうろうろし徘徊する有様のこの毒まみれの敷地内に、
本日まともな?訪問者が訪れる事になろうとは。言葉遣いはあまり気にしないアラクネは、
その場で鬼の足元をじっと見て、簡単に糸を輩出し靴を作り上げる。要は靴底にそれを嵌めて中に入れと。

「あたしは ロッソ。 糸に興味が、ああ成程。
 こちらを靴の底にはめて頂ければ幸いです。土地が毒属性なので。
 足が毒に浸からぬ様にする特製の靴底ですよぅ?
 ふふふふ、くふ。どうぞどうぞ。取引ですかふふふふ、いいですよぅ」

さあこちらです、とゆっくりと腰を上げると、カサカサと音も立てずに、
ニヨニヨニマニマ妙な笑みを浮かべて 邸宅へと案内をしていく。
邸宅内は青白く 子蜘蛛達がわらわら集まっては散って行く、もう蜘蛛と糸だらけの謎空間。
程無くして比較的まともな、リビングへと彼女を案内したい。

刀鬼 紫沙希 > さてさて、触れるとどうなるかわからない糸である。
鬼は命を狙われる稼業故仕掛けには鋭いのだが、恐らく半分程は見逃している可能性がある。

「おう、アラクネさんか。 見るのは初めてだな。
ま、今日はそう物騒な用事じゃねえんだ。
もぐもぐするのはまたの機会にしてくれ。」

糸以外にも脅威だらけ、にも関わらず鬼は口元に笑みを浮かべていた。
久方ぶりの危険な感覚に五感が刺激される。

「おう、こりゃ悪いな。
助かるぜ、ロッソ。」

雪駄の上から糸を編んで作った靴を履く。
二重に履くのは少し違和感もあるが、履き心地は悪くない。

ロッソと名乗るアラクネの後ろを歩く鬼。
やたらと笑みを浮かべているのは機嫌が良いのか、アラクネと言う種の特徴か。
とにかく案内されるまま家の奥へ。
途中出会った子クモたちにはにこやかに手を振る鬼。

「おう、ここは落ち着いているな。
で、早速用件なんだがよ。
あんたがさっき言ったようにウチにお宅の糸を取り扱わせてもらおうと思ってな。
見れば丈夫な糸だし、毒に耐性があるのなら冒険者相手に売ることもできる。
あんたが許可くれるなら船に乗せて海外にも売れる。 どうだい?」

リビングに通されると、商談を始める鬼。
どこに座ればいいのかまだ分からないので、とりあえずは立ったままになるが。

ロッソ > 糸自体は切れます。怪力でもって大剣とかぶん回されると綺麗に切れます。
でも切れた後巻き付いてべっとべとになりますけどそれ以降は知りません。
その辺にある糸は移動用足場用連絡用などの類なので割と毒は仕込んでいない。

「少ないですからね アラクネ。
 もぐもぐは先程獲物がかかりましたので新たには必要ないですね。」

先程妙な悲鳴=獲物=今夜のごはんもぐもぐタイム♪
さぁ こちらですよ、と子蜘蛛達は挨拶されれば足を上げてわきわき反応してる。
娘たちは工房なのでここには来ないだろう。椅子が人間用にあるのでそちらをごとりと置いて、
椅子に座る様に鬼に指し示そう。その椅子は普通の椅子だ何も仕込んでいない。

「糸は各種ですよぉ。 釣り糸 糸で作った耐久性軽量鎧、投網、色々とありますよぅ。
 丈夫…鋼鉄の数倍の強度を持ち、絹より軽いと言われる蜘蛛の糸で作ってますから。
 毒と言いましても私自体毒属性なので、それに耐えきれる糸を造っているだけですぅ。
 あと、船に載せるのはお勧めしませんぅ。水に弱いのが唯一の欠点ですぅ。」

耐水性のある糸は出来るがあれはもぐもぐタイムが狭まって仕方がない。
困りましたねぇ、と困った顔を浮かべて 船に乗せるのは許可出来かねるとぼそり。

刀鬼 紫沙希 > 「珍しいわな。
俺みたいな鬼はまあ、割と見かけるようだがな。」

アラクネが都の近くで暮らしていることは更に珍しいか。
とはいえ、先ほどの悲鳴の主が早速晩餐になるらしい所は如何にも。

鬼は目の前に置かれた椅子に腰掛ける。
広い敷地内で漸くまともに寛げる場所を確保した鬼。
ふうと、深く息を吐く。

「まずはその強度が良い糸をまとめてもらえるか。
それにこの糸で編んだ靴も出来るなら売ってくれ。
そうか、船は無理か。
となると陸路での販売になるからそれほど手広くはやれねえな。
もっとも、あんたのとこのは品が良いから儲けは取れそうだがな。」

今日の所は相手の出方を伺いにきた所。
まともな商談が出来るなら鬼としては申し分ない。
懐から扇子を取り出すと、まずは一区切りついたとばかりに扇いでいる。

ロッソ > 「あたしは普段、王都に人になって動いてますからねぇ。
 ちょっとばかり痴女めいた格好になってますけど仕方ないです」

アラクネの人間上部はそのままに下を擬態していっぱしの人間になりきる事が出来る。
それがないと割と王都に郊外とはいえ住む事もままならない。
そもそもこの毒まみれのとんでもない土地に住んでいる=適当に魔女あつかいされたとも。

アラクネは座る必要性が全くないので 天井からぶら下がっている糸を適当につかむと、
瞬く間にハンモック風なのを作り上げてその中に入り込みぶらぶら。

「糸…では適当に。ああ、それは計測さえ出来れば割と簡単に。
 色々と防寒性、防塵性、毒耐性を簡単した代物ですけど。どーぞ。
 船は水が近いでしょぉ、濡れたら一発で劣りますぅ。
 あと、燃えます。火器は厳禁ですぅ。あたしは糸の元になるもぐもぐさえ出来ればいいですねぇ。」

物々取引になっても平気。食べ物なら大歓迎。
それも新鮮なナマモノであればなおよし!子蜘蛛達に 糸を適当に、とサンプルで持ってくるようにお願いをすると、
子蜘蛛達はさっと移動をしていく。すぐに戻ってくると艶々キラキラした絹糸の様な白い糸の束が来て、それを鬼の前にコトリと。

違う子蜘蛛達が 糸で出来た滑らかな紙の様な代物とペンとインクを持って来た。そして置いていった。

刀鬼 紫沙希 > 「そりゃそうだ。 てないと騎士団が入れてくれないだろう。
痴女めいた恰好か、一度見てみてえものだ。」

この部屋に入るまでの間、鬼と言えど多少の緊張があった。
それが解れ、気が楽になっている。

ハンモック状の糸で寛ぐロッソ相手に軽口を述べていた。

「ほう、冒険者以外にも売れそうだな。
騎士団辺りにも売ってみるか。
水気が駄目なら屋内や遺跡内での使用に限るがそれでも使えそうだ。
もぐもぐねえ…流石に俺は人間を差し出すのは御免だぞ。
他の食い物なら幾らでも用意するがな。

…っと、ここに書けばいいのか?」

今後はロッソたちの要望に会う食材を鬼の一家が用意する。
珍しい品も貿易業をしている鬼たちなら入手は可能だ。

光を反射する上等な糸の塊を早速触れる鬼。
靴に使っている物と同じタイプだろうか。
肌触りは良く、何に用いても良さそうであった。

相手の気が変わる前に早速契約を結ぼうと、紙とペンを手にする。
署名欄があれば早くも記名するだろ。
一応、おかしな項目が無いかざっと一読するが。

ロッソ > 「まだ騎士の人をもぐもぐ…してませんよぅ。
 その内見られるのでは?時々王都の中にいますん」

この部屋は…いや邸宅内罠だらけです。きちんとした侵入者ではなくお客さんなので罠は発動しない。
適当に緊張がないともぐもぐモンスターがやってきます。ええ!

ぶらーぶらーとハンモックで休み中のアラクネ。

「使用先は別に気にしませんよぅ。
 いまんとこの糸は全部水に浸かったら終わりですん。
 もぐもぐ…そうですね 肉とか。高級肉だったら栄養に優れた肉なら!!

 それでいいんですよぅ。子蜘蛛が10000もいたりすると食費ともぐもぐが足りなくて、小蜘蛛達は半独立ですん。

 あたしも書いて置きますん。一寸薄くなりますけどお。」

署名欄がない。なので適当な余白にアラクネは名前を綴る。
ややあって署名が終われば、アラクネは唐突に紙を裂きはじめる。
糸で出来た紙は複写式だった。アラクネもサインをすると薄くぺりぺりと剥がして一枚は鬼の元に、もう一枚は手元に。

食材の要求は 肉だった。それも栄養価の高い肉を!
金ではなく 肉。ある意味 即栄養になるものを要求したという。

刀鬼 紫沙希 > 「まだとかじゃなくてしない方が良いだろうな。
その際はこっちの屋敷にも顔を見せてくれ。美味い飯くらい用意する。」

こうして話している間も小蜘蛛の存在を感じる。
なかなかに落ち着けない家であった。

「まあ、水と火に気を付ける様には伝えておくか。
肉なら色々とツテがあるからたくさん用意しておこう。
他にも要望があれば子分たちにでも言っておいてくれ。

一万? 凄い数だな。 ここにそんなにいるのか?」

ロッソが署名をしている間、鬼は周囲を見渡す。
が、蜘蛛はそれほど目につかず。

紙を受け取れば懐に仕舞う鬼。

「俺の方は用事は終わりだが、他になにかあるかい?」

ロッソ > 「山賊とか盗賊とか悪い事をする人なら割ともぐもぐしてますけどー。
 あれ、不味いんですよね、禄なのを食べていないせいか味が不味い。
 場所さえ教えてくれれば 行きますよぅ?」

子蜘蛛達の存在が見られないのは 天井裏や他の階層、工房やお外に散らばっているから。
存在はその辺に蔓延る状態であり、お客もいなければ割とこの邸宅内は蜘蛛の巣だ。

「そのうち改良しますよぅ。栄養の高い肉と新鮮な魔物肉さえあれば
 どっちか改良できるかもしれませんよぅ。暴食の王様ドラゴン肉とかワイバーン肉とかあれば最高ですねぇ。

 いるんですよぅ、他に子供アラクネが三人いますぅ。」

子蜘蛛達はわさわさ動いているが、天井裏のコース内をうごうご。
人目につかない様に動いて居たり思い思いに過ごしていたり作業をしていたり。

紙は丸めて保管するように いつものよーに 子蜘蛛達が持って去っていった。

「特にぃ ないですねぇ。今日はお開きです??」

今度遊びに行きますぅねぇ、と妙に間延びした発音でそう答えるアラクネ。

刀鬼 紫沙希 > 「ああ、あいつらは暮らしぶりがいかにもだからな。
うちの拠点は王都の富裕地区内にあってな。」

紙があれば簡単な地図を書くし、無ければ口頭で説明する鬼。
とはいえ、多少の用意が居るのでお互い今後は事前に知らせるだろうか。

「ドラゴンとワイバーンならそのうち用意できるかも知れんな。
安定供給となってくると話は別だが。

子蜘蛛ってのは普通の蜘蛛なのか。」

アラクネらしき者とは他に出会っていない。
結局、この日は鬼は主と会話をした程度になるだろう。

「楽しみにしている。 その時は酒も用意するぞ。」

最後にアラクネの元に近づくと、手を差し出す鬼。
握手が出来たか出来なかったか。
どちらにせよ鬼は差し出された糸を担ぎ、上機嫌で屋敷を後に。

ロッソ > 「意外と中なんですね…」

紙は貴重なので持ってこずにすべて説明は暗記しました。
小さなお使い程度なら 子蜘蛛達が数匹ともなって移動する事も吝かではない。
糸は作り置きできる代物ではないので出来た端から出荷するのが望ましい。

「適当な量で有れば定期的でいいんですよぅ。半年に一回とか。

 子蜘蛛→蜘蛛→各種特殊系蜘蛛→子アラクネ→アラクネですぅ

 割と生まれたてとかからだとぉ 普通の大きさですぅ。」

アラクネの娘は最後までお客の前に出てこなかった。ツーマンセルで会話しました。
簡単な取引めいた契約書を取り交わした位。

「コチラコソです。えと今は握手やめときますね。」

握手は遠慮しておこう、その理由は後程教える事も。
そして鬼さんを見送った後は 再びアラクネは謎の作業の再開をしたという...。

ご案内:「とある貴族の館」からロッソさんが去りました。
ご案内:「とある貴族の館」から刀鬼 紫沙希さんが去りました。