2019/05/09 のログ
■タン・フィール > 「おっ… おおぉ? わ、すごっ…!すきなとこに、うごくっ!」
右へ花束を振れば、右へ、左なら左へ。
上下、前後…徐々に、微妙な奥行きやニュアンスすらも、
少年の予想と願望を超えて細部への誘導に対応をはじめる発光虫たち。
「―――ふむふむ、そーかぁ…そんなにボクの言うとおりに動きたいかね、きみたち」
…日頃の、ちょっとだけおすましで大人びた…
(少なくとも、本人はそう振る舞えてると想っている)
少年からすれば、他人に聞かれたら羞恥で悶絶すること必至の、
ほんの少し誘導できた程度の虫たちへのねぎらいの言葉、一人遊び。
すくなくとも、それを子供っぽいと嘲笑されない限りは、
シャボン玉と戯れる幼児さながらに、存分に虫たちと戯れる。
■タン・フィール > 「さっ… そろそろお別れしないと…。
いつまでもついてきてると、お薬にしちゃうよ?」
ぐっと花束に意識を集中させ、解き放つイメージを送れば、
発光虫たちは各々、この遊歩道の居場所へと帰っていく。
「―――ありがと、 また遊ぼうね、虫さんたち。」
悪戯に笑いながら、虫たちを解散させて、花束を片手に歩みだす。
―――少なくとも手にした今日の成果。
ここに生える草花は、遊び心さえあれば、ある程度【彼ら】を使役できるような。
上機嫌に調子はずれの口笛を吹きながら、さらに人気のない方へと歩んでいく…。
■タン・フィール > 先程まで少年が虫と戯れていた場所に、
仕事帰りの大人たちが其処を通りかかる。
薬師の少年とはすれ違うこともなく…
大人たちの誰かが、光る何かを見たとだけつぶやいて、
妖精にでも化かされたのかとその日の夜の酒の肴話になった。
ご案内:「川沿いの遊歩道」からタン・フィールさんが去りました。
ご案内:「酒場『踊る酒亭』」にシュミーさんが現れました。
■シュミー > 酒場『踊る酒亭』
平民地区と貧民地区の境にある酒場。
ここに通う傭兵や冒険者、商人やもの好きな貴族などは…
口をそろえて、ここは別に料理などがうまいわけではない、という。
では酒か、と聞けば酒も特に上質という訳ではなく、酒場としての最低限のものだという。
ならばなぜ、この酒場は潰れずに営業しているのかというと…
『本日一周年 踊り子全員出勤 酒代半額』
こういった張り紙が張られ、どちらかというと踊り子の方が大きく文字が掛かれているところからわかる通り
マスターが踊り子好きが高じて上質の踊り子を多数集め、それらが毎夜交代で踊っているからだ。
更に本日に限って酒代まで半額となれば、常連が集まらないはずもなく
常連以外でも、張り紙を見れば興味を引かれてはいってくる姿もあり。
そういったわけで本日は…交代で踊りながら、給仕も踊り子が行うという異例の事態。
ただ、どれだけ反応が良くても、踊り子を好きにできるというわけではなく。
マスターが目を光らせ、踊り子が望まない相手は店から叩きだしている。
逆に言えば、踊り子を落とせば、目利きは確かなマスターが選んだ踊り子と一夜を過ごせるということ。
男のプライドを刺激するようなそのシステムが、この酒場の人気の要因でもあり。
そんな中、一際大きな歓声と共に舞台に上がる姿は…
『ひゅー♪、今日もいい踊りだぜシュミー!』
『今夜は俺とどうだい?誘ってくれよ!』
『綺麗だぜーー!』
胸部と下半身を、ひらひらとした舞布だけで覆った、褐色の踊り子。
桃色の髪を振り乱し、素足で舞台を踏みしめる。時折髪の間から覗くのは、吸い込まれそうな金の瞳。
表情は変わらず、ただ踊りの仕草だけで客を魅了していく
布は翻るものの、どれだけ見せつけるように足を上げてもその奥は見えず
客が横から、下から見たとしても。客の視線全てを把握しているように絶妙に、隠して踊っており
そういった…男を焦らすような技巧を凝らした踊りが、彼女をこの酒場の稼ぎ頭にしていた。