2019/04/29 のログ
ギュンター・ホーレルヴァッハ > 「…成程。その、通りだ。是は、我々が望んだ事。私と貴様が、望んだ在り方。他の誰でも無い。私達だけの、浅ましい望み、か」

壊したいと願う雄と、壊れたいと願う雌。
陽の光が輝く時は、共に至るべき理想と目的の為に矜持と理性を纏いながら、夜の帳が空を覆えば獣の様に互いを貪り合う。
何度彼女を絶頂へ導き、何度彼女の中に精を吐き出したのか。最早、数えるという理性を働かせるのも億劫な程。快楽の底に堕ちていくのならば、それで良いではないかという退廃的な悦び。それは間違いなく、こうして褥の上で絡み合う己の彼女だけのものなのだから。

「……く、ハハハハハ!私に、壊れろというのか。散々に犯され、組み伏せられ、その身体も誇りも捧げて壊れ切った貴様が、此の私に、壊れろというのか!
………ならば、壊してみせるが良い。獣ですらない様な獣欲を。壊れた貴様の欠片を噛み砕き、踏み潰す様な狂乱を。私に抱かせる程に、狂ってしまえよ。ナイン」

壊す側である己に。貪る側である己に。壊れてしまえと告げた彼女に向けて嗤う。高らかに、愉し気に。そして、歪んだ様に。
今ですら、特段抑えている訳でもなく、肉欲の本能に身を任せているというのに。それでも彼女は足りないのだという。それが、本当に。とてもとても愉快だから。
——――今宵は。此の空間でだけは。彼女という存在を、壊し切る事にした。

延々と続く射精が、彼女の子宮を穢す。子を宿すべき神聖な場所を、己の欲望で染め上げる。
その余韻に浸る事も無く、差し出された舌を吸い上げ、貪り、緩く噛みつく。彼女の頬を濡らす互いの唾液を拭う間も与えず、次なる快楽を。更なる肉欲を。貪る事で彼女に注ぐ。
絡み合った互いの指は、宛ら彼女を寝台に縫い付ける杭の如く。一瞬の自由も、僅かな休息も許さないとばかりに、握りしめる力は強まるばかり。

「……壊れろ、と言ったのは貴様だ。ああ、すまないなナイン。自身の壊れ方など、把握している訳では無いが。もう、歯止めをかけるのは止めにする事にしたよ」

永い射精を終え、ぶるりと震えた肉棒が、たった今精を吐き出したばかりの子宮に突き上げられた。
萎えず、萎れず、未だ射精寸前の熱と硬度と質量を保つ肉棒が、最早人語を発する事も困難な彼女に、強く打ち付けられる。

切り替わってしまったのだ。浅ましく肉欲を求める様も、十二分に壊れていたかも知れないのに。彼女が唯一言告げた言葉によって、交わりの様は色を変えた。
己の精を吐き出す為に彼女を使うのではない。彼女を壊す為に、己の肉欲が存在する。肉体の快楽では無い。精神的な獣欲、嗜虐、加虐、暴君。互いに肉欲に溺れるのではなく、己によって壊される彼女によって、昂る本能。
それを呼び覚ましたのは彼女なのだから、最早何の遠慮をする事も無い。終わらぬ絶頂ですら、生温い。己によって注がれる快楽こそが、彼女にとっての至高となる様に。
強い絶頂に喘ぐ彼女の中で、再び荒々しく蹂躙が開始された。

ナイン >  ――重々。くは――ッ、 ぁ…理解も 自覚もしてる、けど… んっ、ふぁ、ぁは…
 それでも、望む――よ… 在り方を望んだ、のなら。…壊れ方だって。 …望んでも良いだろう…?

(新たな物を築きたい。今在る物を護りたい。そんな真っ当な願いも亦。彼も、己も、抱いているのに。
今だけは。此処でだけは。こうして一旦全てを脱ぎ捨て、互いを貪る夜を迎えてしまえば。望みは等しく堕す、のだろうか…
否、望みは望みである侭に。唯、自己の内ではなく。互いに求め合う物となるだけの事。
繋がりを求める指先は、最早癒着してしまったかの如く。延々互いを離さずに。…二つの性器はそれ以上、融け合ってしまえとばかり。
そんな肉と肉とが求め合うのは、等しく、在るべき望みと真逆ばかり。溺れ、蕩け、壊れてしまえ。――何もかも。
そう、最早互いだけが、この褥だけが、今宵の世界の全てであるというのなら。たったそれだけの世界など、根刮ぎ焼き尽くされてしまえば良い…この、快楽に。)

 ――っ、 …ッ っふぁ、は …!!
 どちらが、好いのかと…言われたら。それはもう――――っは、…どちらも、だもの…?
 味わえるだけを、味わい尽くして、全てに蕩けて…だったら。お互い、壊した方が。良いに決まっ――――

 ―――― っ ……!? っひぁ゛…っぁ゛あ …――っ、ぁ…っぅぁ゛ぁ、あっっ!?

(壊す悦。壊れる悦。どちらも刻み込まれているというのは、我ながら厄介だ。
つい、どちらも味わいたくなるし…どちらも、味わせたくなってしまうから。
在るだけ全て。今宵の全て。どうせなら、それだけの極限によって壊されたい。

未だ、音を立てんばかりの勢いで。精が吐き出されている。牡が脈打ち熱を吐くその度に。堰き止められた嬌声の代わり。震える口蓋が牝孔と同じく、彼の舌と絡み合う。
口腔を貪られるその度に。全身を駆け抜ける快感が、牡と交わる膣粘膜すら震わせる。
上から下へ、下から上へ、延々繰り返される循環めいた快楽の渦。
それに溺れさせられるのではなく。自ら飛び込み、飲み込まれる事を望むから。手指で、牡で、褥に磔とされて尚悶え。
極端に体格差の有る訳ではないが、それでも、男性のそれである彼の肉体を。反り返って戦慄く肢体は、浮き上がらせんばかり。

…漸く吐精が終わる頃。長い長い接吻と言う名の交合を経て。流石に呼吸が必須となったか。微かに頭を揺らして唇を外す。
息喘ぎ、微かに嗤い、自滅の為の挑発めかせた物言いを…紡ぎ終える事は出来なかった。

終わった、等と欠片も言えない。中断とすら言い難い。
精を吐き終えた、そんな事を微塵も感じさせない程に。いっそ数瞬前よりも更に太く、猛々しく膨張したのではないかとすら思わす、彼の牙が。
最奥を埋め尽くすその侭に、肉袋を引き摺り回して、白濁した蜜と精とに満たされた牝胎を、掻き混ぜるのだから。)

 ひっぅ゛、っ っぁ、ぁ ぅ゛ ぁ …ぁ゛ああっ……!? ぁ、っ、ひぁ あ…は ……!く …んんんっ……!!?

(今度こそ、獣に堕ちるという唯その一点によって、人らしさを剥奪された。
余韻冷め遣らぬ…どころではない。精に溺れる絶頂の坩堝から、戻る事などまるで出来ないその侭に。更に突き上げられ、叩き付けられる、圧倒的な牡の暴威。
これ以上なく頂を色付かせ、尖らせた乳房が、痛みすら覚えんばかりに跳ね上げられる程。
下腹に撲たれ、下生えの硬さに擦り上げられる秘華の上端が。其処に息づく芽が、紅く紅く腫れ上がる程。
力強く突き下ろされる一撃、一撃の加重を受け止め切れずに。少女の腰骨が。二人を支えるべき寝台すら。鈍く軋んでしまう程。
人だの、獣だの、そんな区分すら当て嵌まらない――きっと、彼、以外では成立しないのだろう、ありとあらゆる欲による滅多打ち。
子宮底を抉られ、重く膨らむ水風船と化した、その肉袋を振り回され。
最早肉孔の延長線上、性器の一部と化した子宮頸を、牡の鰓が出入りを繰り返しては。引き出され、また押し込まれる亀頭の栓が。
詰まり詰まった精を掻き出し、また押し込み。濡れそぼった結合部に、絶え間無く粘付いた蜜音を奏でさせていく。

――果てが見えない。果てても果てても終わらない。…それこそ、きっと。壊れる迄か――壊れても、尚。
蹂躙される事が快楽である、のではなく。快楽によってこそ蹂躙される…寸毫足りとて切れ間の無い絶頂に。延々牡を貪っては、同時に貪られ続け。
モノであれ何であれ、何かに成れるのなら…まだマシな程。最早、完全に。突き崩されていく、蕩け堕ちていく…壊れて、いく。)

ご案内:「ハイブラゼール ホテル」からナインさんが去りました。
ギュンター・ホーレルヴァッハ > 後日継続にて
ご案内:「ハイブラゼール ホテル」からギュンター・ホーレルヴァッハさんが去りました。