2019/04/10 のログ
ご案内:「ハイブラゼール ホテル」にナインさんが現れました。
ご案内:「ハイブラゼール ホテル」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
ナイン >  ―――― ……ふ 、…っぁ。  は……ぁ…

(深く、長く。胸郭いっぱいに繰り返す呼吸が、随分久方ぶりな気がしてしまう…其程に。
熱く、目映く、荒々しい瞬間瞬間だった。
――此の場所で。たった今迄。かの少年と膚を交え、肉を絡め、欲と悦とを貪り合っていた時間は。

汗に、その他諸々の体液に、濡れ湿ったシーツに横たわるのも。
事後の熱気冷め遣らない今ならば、いっそ心地良さの続きすら覚えてしまう。
塗れたそれ等も未だ熱く。膚という膚は炙られ続け――何より。己の胎を満たす、何よりも狂おしい灼熱が在った。

お陰で。一糸纏わず晒す肌身も、寒さなど感じる事は無いらしい。
唯気怠さに、心地良さに、身を委ねつつ。ことりと頭を横に倒し、向き直ろう。
同じ褥、同じ余韻、同じ温もりの中に在るだろう少年へ。)

 …これで。 ぁ…ぁ、これで少しは、落ち着けた…かな――――
 王都の方は倦きもせず、公主様達に躍らされてばかりだから…そろそろ。此方に逃げて来たかったんだ。

(帝国より送られてきた、彼女等、彼等。多分お互い散々巻き込まれている事だろう…
互い、王家筋の若輩者。血を交わせ、繋がりを作れ――有り体に言って、誰か一人でも娶れば良いと。周囲に推されている筈だから。)

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 「……っ…く……ふ…ぅ…」

互いが互いを貪り合う、獣の様な交わり。
部屋には体液が入り混じった淫靡な香りが充満し、日光を失った夜の冷たさを押し開けす様な熱気は陽炎の様に燻る様にも見える。
ちゅぽん、と引き抜かれた肉棒は、散々に彼女の中を荒らし回り、精を吐き出して満足げに脈動していた。

そうして彼女を肉槍から解放すれば、寝台に横たわって此方に視線を向ける姿があった。
彼女と向かい合う様に此方も寝台に横たわり、幾分湿り気を帯びたシーツに身を預ける。

「……逃げ出す先が此の私、というのも、如何なものかと思うがな。とはいえ、公主達との見合い擬きに辟易していたのは私も同じ事。そろそろ、王城の料理人達が倒れはしないかと期待しているのだがな」

飽きもせずに己に擦り寄る公主達に笑みを振りまく事もあれば、彼女達を王侯貴族へと纏めて売り飛ばす様な晩餐会の主にもなる。
そんな王都での競売会染みた祝賀の宴に精神的な疲労感を覚えていたのは此方も同じ事。彼女の言葉に疲労を滲ませた苦笑を零しつつ、仰向けになって視線だけを彼女に向けているだろう。

ナイン > (互い力尽きたかの如くに横たわる侭。行儀悪く四肢を投げ出し、首だけ、瞳だけを彼へと向けて。
そんな目元が弧を描くのは。苦笑めかせて吊り上げたからか。)

 言ってくれるな よ。私としては…っく、く。お互い様だと思うから、貴男を選んだのだから。
 互い、同じ憂慮を抱く物同士――逃避行と洒落込むなら。同志と、の方が良いだろう?

(案の定。想定通り。彼も亦、王都のお祭り騒ぎに。好い加減飽きてきた身の上であるらしい。
寧ろ彼の場合。薦められる側だけでなく、勧める側にもなるかもしれないのだ。
少女よりも、よっぽど疲れていてもおかしくない。
疲弊や憔悴の残滓を見出そうという如く。視線は横合いの彼を上から下へ。
半面程度向く横顔から、汗ばむ膚を、その躰を。悉に眺め検分し。)

 擬き、と言い切るか。その分だと貴男自身には…意に添いそうな相手。居なかった、のかな。
 ――なぁ。どう、思う?正直言って。

(…騒ぎ。そう言って良い、昨今の受かれ具合。
王城、王都、のみならず。王国全体に、帝国の空気が流れ込んでいる。
…この都市も。外つ国の品が次々と運び込まれては、各地方へ流れていく。
今、窓辺へと歩み寄ったなら。眼下には屹度、帝国の色が、香りが、溢れている筈だ。

――――そんな現状を。良しとするか、否かの問いは。
どちらかと言えば、互いが抱く共通認識の。再確認のような物だろうか。)

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 「…同志、か。クク、王都での馬鹿騒ぎから逃げ出してきたにしては、大仰な物言いだな。否定できぬのが実に忌々しいところではあるが」

忌々しい、と言いながらもその口調は幾分愉し気ですらある。
己を眺める様に視線を動かす彼女の瞳をぼんやりと見つめながら、次いで投げかけられた言葉には浮かべていた苦笑の色を若干深める事になる。

「ホーレルヴァッハ家は、直径に公主を迎え入れるつもりはないからな。生贄同然の公主など金にならぬし、血縁や箔を求める様な家風でもない。何より、私の興が乗らぬ。それだけの事だ。
――ふむ。どう思う、とは随分曖昧な質問だな。
王国と帝国の緊張関係が解消されつつあるのは良い事だろう。何せ、惰性で続ける戦争等、国費と人的資源の浪費に他ならぬ。商いでいうならば、辞め時を失った赤字の業種の様なもの。終わらせられるなら、終わらせてしまった方が良い。両国の国民が融和的な雰囲気である事も、決して悪い事では無いだろうさ。
……尤も、それを良しとせぬ者達への配慮が足りぬ事。そして、帝国へ勝利したと奢る宮中の者共には、些か憂慮せねばならぬとは思うが」

少し考え込んだ後、身体を横たえて彼女へと向き直る。
そうして告げる言葉は、先程までの情事の色合い等全く感じさせない実利めいた言葉の羅列。基本的には帝国の申し出と今回のお祭り騒ぎを是認しつつ、憂慮すべき事態については簡潔に述べるに留める。
良識ある王侯貴族の一般的な認識を言葉にすればこんなものでは無いだろうか、とある意味模範解答染みた答えだったかも知れない。己個人としての認識は、彼女に告げるには些か問題があるかも知れない事だし。