2018/11/29 のログ
ご案内:「ドラゴンフィート」にマリナさんが現れました。
マリナ > 王城で育ち、庇護され、一般常識に疎いところのある少女も少しずつ世間に慣れてきた頃。
とはいえ本当に少しずつであり、相変わらず庇護されている立場のため、たかが知れているものの。
こうして出かける楽しみを知ったのは進歩ではないだろうか。

刻一刻と陽が傾く時間、向かったのは集落の中で露店が並ぶ市場。
王都を含め他地域から訪れた商人と話したり、品物を見るのが楽しくて、結構頻繁に来ている。
おかげで物の値段の相場やお金の使い方を学習出来てもいる。
ただ、いかんせん自分で稼ぐという立場ではなかったから、まだ金銭感覚は甘いところが目立つのだが。

「……綺麗」

本日は、アクセサリーの並ぶ店の前でしゃがみ、夕日を受けてきらめく髪飾りに見惚れている。
日によりそれは甘味の店であったり、楽器であったり、魔道具であったり。
比較的多くの物に少女の興味は惹かれるので、対象はさまざまであった。

マリナ > 「でもクローゼットもチェストもいっぱいになってきましたし、マリナは半人前ですし……」

半人前どころか四分の一にすら至っていないことはさて置き
城の私室に比べると収納スペースはどうしても乏しくなり、私物が増えていく一方の昨今控えねばとは思っている。
お金の使い道に関しても、誰も叱ったりはしないものの、堅実に生きている同年代の少女達を見ていれば何かしら学んでいる。

「少し触らせていただいても大丈夫ですか?」

―――が、控えめに店の主人に問うと応じてもらえたので、掌にのせてしばし観察。
角度を変えると石の色が変わり、美しい。
少女が見につけるには少し大人びているデザインかもしれない。

マリナ > しばらく手触りや視覚の美しさを堪能して――――元の場所に置いた。
温室育ちでも我慢するし、堅実になろうという意思はある。

「ありがとうございました」

主人にぺこりとお辞儀して、組合の建物へ戻っていく少女の背中。
一度だけ物欲しげに振り返ったのは秘密―――。

ご案内:「ドラゴンフィート」からマリナさんが去りました。