2018/10/12 のログ
リス > 紅茶を入れて、事務所の中の戸棚を探ることにする。

「たしか、このあたりに……と。」

 売り物とは別に休憩中に食べる用のお菓子を入れておいたはずである。
 ごそごそ、ガサゴソ、と探ること少し。クッキーを見つけて、少女は嬉しそうにテーブルに置くことにする。
 紅茶を飲みながら、クッキーを食べ、窓からお客さんのいる店内を眺める。
 流石に一階はサービス系のそれなので、全て受付は終わっていて、掃除も終わっている。
 一階の人員は二階以上上のお手伝いに回っているのだろう。
 上の階で何かがあれば、店員、もしくは護衛として雇っている冒険者が連絡に来るであろう。
 なので少女は、のんびりと紅茶をすすることにする。
 誰かが休憩に来たなら……紅茶とか、お菓子を分けるのもいいだろう。
 紅茶の甘い香りを嗅ぎながら、ひと時のブレイクタイム。

リス > 「ん……。」

 紅茶を楽しみながら、小さく息を吐き出す。
 最近欲求不満である、というのは語弊がある、いつも欲求不満なのである。
 可愛い子がいたら、声をかけたいし、ナンパして口説いてしたいものである。
 仕事が今日は夜遅くになってしまったので……望みは薄い、けれど、やはり誰かを抱きしめてシタくなってしまう。
 秋だから、ということなのだろうか、普段よりも人恋しい気もする。
 お客さんで可愛い子がいたら声をかけてしまおうか、なんて考えもするのだけれど……。
 この客の少なさ、今の時間帯ということもあるので苦笑い。
 はふう、とため息一つ。

リス > 「さて、と。」

 誰かが呼びに来る気配もないし、雰囲気は落ち着いているようだ。
 それなら、今日はそろそろ仕事を切り上げて家に戻ろうかしら、なんて考える。
 最悪、家からは近いのだし、家の方にも呼びに来るのであろうし。
 それならば、もういいか、と考えて紅茶を一息に。
 その前に、一つすることがある。

 お菓子と紅茶をしまいこんでから少女は立ち上がり、二階へと移動する。
 そこで受付の所にいる店員の方に移動するのだ。

「じゃあ、そろそろ上がるから、何かあったら呼びに来てね。」

 と、伝えておかねばなるまい。
 そして、様子見を兼ねて、残りの上の階も、だ。

リス > 三階の武器防具の階層、ここは一番傭兵などが多く居る階層。
 武器や防具という扱うものの都合上、置かざるを得ないので、仕方があるまい。
 警備の傭兵に挨拶をしながら店内を見回せば、やはり数人はまだ居る模様。
 武器が壊れた、とか予備の武器が欲しい、とか。
 一応、安価ではあるもののどれもこれも、ドワーフに作ってもらっているものであり、品質は保証している。
 なので、買いに来る人もいるのだろう、魔法の武器防具は流石に品物は少ないし、値段が張るのだけれども。
 手に取る人はいなさそうで、やっぱり、という気もしなくもない。
 三階の受付にも挨拶をして、少女はそのまま最上階へと階段を登る。

リス > 4階まで登れば、ここが最上階で、此処には……宝石屋魔道具などの高級品が並んでいる。
 これでも品揃えは増えたのである、最近は魔法の道具かどうかがわかるようになったし、娘が魔法を使い始めてわかるようになった模様。
 でも、もともと取り扱っていないし、魔法の道具などは基本品薄なのである。
 なので……基本は装飾品である宝石に、高級な物、が陳列されているのだ。
 ここの警備は少ないのは、物がものであるだけに、貴族とかがメインに考えての場所。
 圧迫感を与えないように警備は少なく、その代わり、階段の下である三階に警備を厳重に置いてある。
 窓はなく、空気を取り込む細い穴と、魔法の光量で店内を明るくしている。
 ここにお客さんは……居なさそうである。

 ここの受付にも、そろそろ上がることを伝え、少女は階段を降りることにする。

リス > 3階、2階、1階……と、階段を下りていき、少女は事務所へと到着する。
 最後に、書類等が出しっぱなしになっていないかの確認を取って、軽くうなづく。
 問題がないことを確認したら、荷物をまとめてカバンの中に入れる。

「さて、と。結構遅くなっちゃったな……。」

 また、後でなにか食べないと、お腹が減っちゃったと、軽くつぶやきながら少女は店を出る。
 夜の一通りの少なくなった大通り、しんと静まり返っているその場所を進みながら。
 少女は去っていくのだった。

ご案内:「トゥルネソル商会 王都・マグメール店」からリスさんが去りました。