2018/08/20 のログ
ご案内:「マグメール郊外」にシチューさんが現れました。
■シチュー > まだ暑くても、少しずつ涼しげな風を含む昼下がり。
王都より歩いて半日もかからないほどの平野部に農場があった。そこは自分の主である侯爵家が所有していて、今日は実ったぶどうの収穫を命じられたのだった。
……今しがた、その収穫を終えたミレー族のメイド奴隷は大きな網カゴを両手に抱えてほくほくとした顔で王都へ向けて歩いている。とったばかりのブドウはどれも大粒で色艶も香りもいい。
「ふふー。いい匂いー。
いっぱいブドウがとれたーってメイド長に報告しなきゃ!」
ケモミミ揺らしてご機嫌そうに。これだけあるのなら、主や来賓にお出しする他の余分は自分や他のメイドたちの食卓に並びそう。尻尾ゆらゆら、街道近くを木陰を選んで歩いてる。
ご案内:「マグメール郊外」にブレイドさんが現れました。
■ブレイド > 血を吸われ、少しばかり日光に弱くなったのはわかった。
だが、どれくらい弱くなったか。どれくらい行動に支障をきたすのか…。
知っておかなければならなかった。
そのために、少し郊外まで足を伸ばしてみたのだが…
「くそ…」
少しばかり気分が悪く、体が重い。
慣れれば耐えられるだろうが、なれなければ戦闘するには少し辛いか。
幸い、かの吸血姫は日光には強い種だったらしく
陽の光を浴びて即死…ということはなかった。だが、これはこれで少し問題だ。
木陰に身を隠し、座り込んで休憩していた。その前を…見知ったミレーの少女が歩いていく。
■シチュー > 「ぶどう酒……、フルーツソース……、シャーベットにしても、
そのまま食べても……。えへへへー……。」
大きな網カゴをひょいっと持ち上げ、頭の上に載せた。
そのまま長い黒尻尾伸ばしてバランスとりつつ、ぶどうから何ができるかをひとつひとつ数えて涎でもたらしそな表情になる。
「……?――んー……」
そんな表情が唐突に不思議そうなものへ変わった。
鼻先が捉えた匂いは覚えがある。くんくんふんふん、小鼻揺らして。匂いの元をたどっていく。
「あぁー!やっぱりブレイド!
しばらくぶり!元気して――……、って、……、だいじょうぶ?具合悪いの?」
しばらくして木陰に身を潜めた相手を見つける。ぱあっと顔色明るくしながら挨拶するも、どうも尋常じゃない様子に心配そうに眉根寄せ。ひとまず、ぶどうの入った籠を脇に置いて隣に座って相手を覗き込み。
■ブレイド > 近寄ってくる少女と…これはぶどうの匂いだろうか?
独特な匂いというか、わかりやすいみずみずしい果実の香り。
顔を上げれば自分に歩み寄ってくるメイドの姿。
メイドの知り合いなんてそう多くはない。見知った少女にひらりと手を振って。
「ん、おう…シチューか。
久しぶりだな。おつかいか?こんなとこまでよ」
それほど離れてないと言っても、王都の城壁からは結構離れている。
周囲には少女しかいないようだが…護衛とかいないのだろうか?
「ん、ちょっとな。そんなことより…一人か?
昼間だからって不用心だな」
覗き込む少女の髪を撫でて、努めていつもどおりに振る舞う。
お使いに出ていたのであろう少女を偉い偉いとほめつつ、息を整える。
■シチュー > 「うん!ブドウの収穫してきなさいってメイド長から言われてー。ほら!」
気安く手を振る様子に、消耗しきっているというわけではなさそう。ほっと安堵に肩の力ゆるめつつ、大きく頷くと編み籠の中身を披露し。
「ちょっと?……なにか事情ありそうだけど……。
そうだよ、1人。でもだいじょうぶだって、ここにミレー族のヒーローも居るし!」
努力していつもどおりになろうとしてるのを、なんとなく悟って小さく首かしぎ。けれど、何も言わないのなら深く尋ねたりはしなかった。
髪撫でられて嬉しそうに尻尾揺らしつつ。
彼が自分の護衛だ、なんて笑いながら言う冗句。
■ブレイド > 「へー、ブドウね。
この辺に屋敷のぶどう園があるってことか?さすが貴族…」
ワイン用…ではなく、れっきとした食用のブドウのようだ。
見せてくれた籠の中は、大粒で美味しそうなぶどうがいっぱいだ。
嬉しそうにするのもわかる。これならどう食べても美味しいだろう。
「まぁ、ちょっとな。少しばかり太陽が苦手になっちまったってくらいだ。
でも、ヒーローだってなら期待に応えねぇとな。
シチューの護衛くらいなら…できるだろ、たぶん」
隠してもおそらくは心配させるだけだ。
とりあえずものすごく簡単に説明しつつ微笑んで。
少し短く切られた髪の感触が心地よい。サラサラと撫で続けながら、帰るというならついていく旨を伝え。
■シチュー > 「そうだよー!僕のご主人さまはすごい人なんだから!」
編み籠ゆさゆさ。小さくゆすれば芳醇な香りもふわりと彼の鼻腔をくすぐり。首元の奴隷のしるしをも振ってはしゃぎ。
「太陽が苦手に?……あはっ!いつの間にネズミになっちゃったのさ?それとも吸血鬼にでも血を吸われて、来週にはリッチになる予定?
――へへ。さっすがブレイド!
じゃあ一緒に帰ろうよ。……あー……、でも護衛してもらうなら報酬が無いと。うーん……」
髪撫でられてくすぐったそうに、ケモミミをふぁさと羽ばたかせ。
太陽が苦手になった理由をあれこれ浮かべてみる。
吸血鬼の貴族にでもなるつもり、等と軽口浮かせて。しばらくぶりの再会喜ぶみたいに、彼の腕に少し触れて。
護衛を受けてくれるのなら、と喜ぶけれど。
帰りは一緒についてきてほしいものの、
お屋敷に納めなきゃいけないブドウ以外に手持ちの報酬はなく。少し困り顔。
■ブレイド > 「そりゃすげー。メイド衆とは顔合わせしてるけど
そういやご主人は見たことねーな…」
シチューといろいろ仲良くしていることを考えれば、顔を合わせるのは少し気まずいというかバツが悪いというか。
奴隷であることを喜んでいるのは少し苦笑してしまうが。
「ネズミに見えるか?…リッチになったら……流石にヒーローとはいかねぇな。
そうか、遅れて効果が出てくるってのもありうるのか…」
小声でつぶやくと、短時間の思案。
不安がらせたくはないのだが…ここで嘘を言ってごまかすのも気が引ける。
「報酬?今日は散歩に出ただけだぜ?なんで報酬がいるんだよ。
それに、ヒーローってのは金を取るもんなのか?」
オレとオマエとの仲だろ?と笑ってくしゃくしゃと髪を撫でる。
流石にブドウをもらってしまったら、彼女が怒られてしまうだろう。
腕に身を寄せる彼女を抱き寄せつつ頷き。
■シチュー > 「ネズミには見えないね!いつもどおり、道行くミレーが振り返るイケメンブレイドだよ!
うーん。リッチになってもヒーローにはなれると思うよ。
その場合はダークヒーローだけど。かっこよさが僕的に3倍増しかなー。
――ブレイド、……僕で良かったら相談のるからね。お話聞くからね。」
再会に勢いづいて、軽口もそんな風にころころと楽しげに湧き出てくる。小声で何やら物憂げな様子を感じたら、短く彼への懇意みたいなもの告げて、そっと手を包み。
「えー、だって。護衛って言うからてっきり。
ふふっ!それもそうだね。んじゃあー、帰り道よろしくー」
髪くしゃくしゃにしてもらえたら、くすぐったそうに嬉しそうに身震いして。抱き寄せられつつ、ひょいと編み籠抱えて。そのまま木陰を選んで王都方面へと一緒に歩き出し。
■ブレイド > 「イケメンってわけでもねーだろ…。
ま、シチューがそう言うならそうなるのも悪かねーかもな。
腐らなけりゃ、の話だけどよ」
シチューの冗談に笑いつつも、少しだけ考える。
遅れて吸血の効果が出ることは少ないとは思うが…
「ありがとな。でも、傍にいたらうっかり血を吸っちまうかもな」
弱気なことは言ってられない。心配はあまりかけたくないし。
冗談めかしつつも手を握り返して。
「散歩のついでに金は取れねーよ。
それにしても…美味そうな葡萄だな」
彼女と共に歩き出せば話を交えつつ、木陰の傍の道を選んでくれるシチューに感謝。
だがしかし、なんというか…少しばかり腹が減った。
■シチュー > 「僕にはイケメンに見えるよ。ブレイドが自分の事どう思ってるかしらないけれどさ。
あはー、……、腐っちゃうのは困るなあ。
そうならないように頑張って!マグメールにいるブレイドのファンの子が泣いちゃうから!僕も泣いちゃうから!」
吸血や夜の眷属について知識は深くなくて。聞くに縁起の悪い言葉を耳にすると、ケモミミがへにゃりと心配そうに垂れ下がり。どこまで冗談にしていいのか迷いつつ、やっぱり冗談めいた励まし方になる。
「どういたしまして!
あ、でも血を吸われるのは遠慮する!」
冗談続くとこ見たら、少しは元気になったかもしれない。
にこにこ笑顔ほころばせ、握られた手を頬に押し当てつつも。
ドレインされるのは嫌な様子。
「ゆっくり進んで、雲で日が陰るのを時々待ちながら行こっか。――でしょうー?いい感じに実がついてくれた!
……あー、でも、これ。虫がついちゃってるかも」
彼の調子を見ながらも護衛してもらい。
空腹覚えてる様子に気づくと、籠を覗き込み。如何にも知らないうちに虫つきのブドウを収穫してしまったーと棒読みをして。
全く虫もついていない、大粒の瑞々しいブドウを一房、彼へと差し出した。
■ブレイド > 「ファンってなんだよ…流石にいねーだろ。
そんな有名人ってわけでもねーのに…でも、お前を泣かせたらメイド長に叱られるな」
いつもながら、シチューは大げさだ。
だが、元気づけてくれているのはわかる。事情を知らない彼女なりに。
そういうところはとてもありがたくて。
「オレもごめんだ。美味そうではあるけどよ…
シチューを食っちまうなんて…いや、さんざ冗談にはしてるけどよ」
その名前から、よく食べるだのなんだのと冗談めかしているが、実際食べる気はない。
もし吸血鬼になったとして、彼女から血を吸ってしまったら
彼女もただではすまないだろうし…。
「流石に夜までは待たせられねーもんな。心配かけさせちまう。
ん?その葡萄………虫がついちまってるのか?
なら、ご主人に出すわけにはいかねーな?」
差し出されたブドウから一粒、果実をもぎ取って
そのままシチューの口元に。
■シチュー > 「それじゃーこれから有名になってよ!
そしたらファンもつくよ!ブレイド信者になる!
信者がいっぱいついたら伝説の武器みたいなのが使えるようになるよ!」
寝る前にそういう冒険譚を読んでるんだろうなーと思わせるストーリー展開を彼にも無理やりこじつけて1人はしゃぎ始めるのだった。ぱたぱた尻尾揺らし。
「あはは!シチューだもんね。
僕は朝と太陽が好きだもん。
お日様浴びれないなんてつらいよー」
からからと笑っては、彼が真の吸血鬼になるという事は未だに冗談の範囲内だと思っているけれども。
夜の眷属になるのに厭う理由をあげてみせ。
「うんー。ご主人さまにもお客様にもお出しできないよ。
だから……、ん、ぅ……っ」
残念だ、と肩落とすよな小芝居つきで彼の空腹満たそうとしたのに。口元に一粒くっつけられて小さく呻き。
「……っ、んーっ……!……甘酸っぱいよー……。おいし……!」
ひとくちで、頬がむにー……ととろけてうっとり細められる目元。
■ブレイド > 「そういうヒーローが好きなのか?
いいんだよ、オレは無名でも。
信者なんていても居心地わりーって」
ケラケラと笑いつつも、しっかり手を握る。
好いてくれるだけでもありがたいと言わんばかりに。
彼女の読んでる冒険譚の内容はおいておくにしたって、冒険者に信者はいらない。
「そうだな。流石に好きなもんを楽しめねーのは辛いよな。
オレは別に朝も太陽も好きってわけじゃねーから良かったけどな」
ふわふわと尻尾を捕まえるように
マントの下の自分の尻尾で絡め取って。ぶどうを食べさせれば自分も一粒口に放り込む。
「お、たしかに美味いな。虫がついてても問題ねーくらいだ」
シチューに笑顔をもらって、微笑み返す。
素直で、元気で、可愛らしい少女だ。
■シチュー > 「うん!それに、僕が影とか闇の眷属になるんだったらこう……、
やっぱり、肌がいっぱい出てるぴたぴたのスーツ着て、こう、お胸がいっぱい、こう、たゆって、ぴーんって大きくて、お尻がくって上がってメロンみたいに大きくて、太腿もふくらはぎもすらって長くなって、この腰のところにティーカップの取っ手みたいなくびれが出来るまでちょっと待ってほしい」
マントの下で尻尾と尻尾絡めてにぎにぎしつつ。
一度片手に編み籠持ち替えておおげさな身振り手振り。
露出度が高くて胸が大きくてモデル体型じゃないと闇の眷属は似合わない、だなんて言ってみせ。
将来自分がそんな体型になってからにして、とか冗句言って。
「だねー!いっしょにたべたらもっとおいしいね!
えっと。ブレイドはお散歩に来てるんだっけ。
このまま王都にまっすぐ戻る?少し寄り道してもいいけど……」
尻尾絡めたまま笑いあって。
陽はまだ高いから、とそんな事を言ってみせる。
■ブレイド > 「………具体的なビジョンがあるのがいいことだな」
ヒーローと事ある事に行ってくるだけのことはあって
多分そういう物語をよく聞いたり読んだりしているのだろう。
そういうのがダークヒーロー?とやらの条件なのだろうか?
自分の好みとしては…ちょっとおさなげな今のままでもいいというのに。
「ああ、いっしょだと美味いな。
だからもう一個、ほれ。
あるきながら食うのもいいけど…そうだな。
寄り道、してくか。この辺、休憩できそうなとことかあるのか?」
尻尾を絡めたままブドウをもう一つ。
食べてくれるのであれば、自分ももう一粒口に含む。
■シチュー > 「うんっ!……んふー!ふふっ!
やっぱり甘いよー。ブドウだよー。美味しくてうきうきする味だよー。
――えっと。そうだね。確かこのあたりに……」
もう一個、と彼の指によって口元に運ばれてくるそれを、「ぁー」と口を開いて白く小さな歯を覗かせながら待ち望み。
ひょいぱく、含んでは再び笑顔綻ばせて。
いつも、件の農園へのお使いの行き帰りで立ち寄る場所がもう近いとあたりを見回し。
「あったあった。あの小川の側でどうかな?
木の陰になってるし、風も涼しいよ!」
そこは長い緑の下生えに隠された小川のほとり。
街道にしばらく沿って流れが続くが、生える草木によって小川のせせらぎが隠されているような場所。
ちょうどモミの木が立っていて、日差しに弱くなった彼も憩えるそこを目線で示して。
■ブレイド > 「おう、この出来だったらご主人も喜ぶんじゃねーか?
このあたり…なんかあったか?
川…?」
指ごと彼女の口に。
指先をしゃぶらせつつ、周囲を見渡す彼女についていけば
小川のそばに立つ木が見える。
なるほど、ここで休憩ということか。
「なるほどな…いいぜ。
ゆっくりしていくか」
つれられるがまま、シチューがよく休む場所なのだろう。おそらく人は来ないだろうと考えてフードを下ろせば
なるほど、涼しく、心地いい。
木の根元に腰を下ろしつつ、自分の膝上にシチューを座らせようと。