2018/03/08 のログ
ご案内:「マグメール・墓地」にシュティレさんが現れました。
シュティレ > 墓地に降る雨は、死した人々の涙なのか、それとも、神の涙であるのか―――。雨を見ながら益体もないことを思考してしまいます。雨とは本当に、素敵なものです、静かな思考に身を委ねさせてくれるものですから。
墓標が立ち並ぶこの場所、一つの十字架の上に腰掛けるのは、私、シュティレと申します。
私から見て範囲3m程の空間には、雨を落とすことを禁じ、更に言うなれば足元すら乾かしています。
私が周囲を雨から隔離した結果ということであり、血族であれば誰もが出来ることでありましょう。
視線を少しばかり雨から地面に向ければ、そこには一固まりの灰があります。
ええ、ええ、血族の皆様であればお解りでしょう、吸血鬼が死を抱くと灰となってしまいます。
不死であるが故に灰になっても復活することは可能でございますが、それには長い年月が必要となりましょう。
力の弱いものであれば、さらに長い時間が掛かりましょう、もしくは残念ながら戻れないということも。
今回は私、誠に遺憾ながら警告しても聞き入れていただけない血族を誅殺させていただきました。
呪われた鞭で打ち据え、怨嗟の声を聞きながら【彼】を屠ったのです。
呪いの力により、体は弱められ、魂は私の力で獄に放り込みましたので、【彼】はもう元には戻れないでしょう。
それだとすると、これは彼の涙、とも考えられてしまいます。
麗しき血族から追放されたという、慟哭の涙。

―――しかし、誇りなき血族を誅殺すると、誇りを取り戻せと、私は何度も、彼に警告しました。
聞き入れない彼が、そして、私に勝てぬ彼が悪いのです。
ただ、それだけのことなのです。