2018/01/12 のログ
ご案内:「サフォー村」にサラさんが現れました。
■サラ > 今日は一段と厳しく冷え込むサフォー村。
底冷えするような寒気にぶるっと身を震わせて、教会に続く道をサラはとことこ歩くのです。
サラのむき出しの小さな手はしもやけで真っ赤になっています。
でもそれは毎年のこと。小さな手を擦り合わせ、息を吹きかけて暖を取ります。
■サラ > 温もりがほしいなら素肌に真冬の大気を受けて走らなければなりません。
身体を動かし、血行を良くする。お母さんに言われた方法。
衣服にも暖房にも恵まれないサフォー村の子供たちはそうして冬をしのぎます。
(うぅ。顔がすごく寒いけど…そろそろ走らなきゃ…)
寒いのは嫌いです。だから気が進みません。
でも寒さを我慢しなれば温かくはならないのです。
意を決して駆け出そうとしたとき、背後から声がかかりました。
『サラちゃん。どこに行くの?』
■サラ > 呼びかける声は、少し離れた場所から聞こえました。
サラが振り向くと、イセリアさんが歩いてくるのが見えました。
イセリアさんは17歳。村長さんのおうちの次女なのです。
偉い人の子供なだけはあって、暖かそうな服を着ています。
いいな。サラもあんな服を着たい。
羨ましく思うのですけれど、村長さんの家は大変なのよとお母さんに何度も言われています。
詳しいことは知らないけれど、大変なことが増えるのは嫌だから、羨むのは我慢です。
サラはにこにこ笑いながら、元気に答えます。
「こんにちは。イセリアさん。サラ、今から教会に行くの!」
■サラ > にこにこしながら元気な声でいいことを言うと、褒めてもらえると思いました。
でもイセリアさんはにこりともせずに眉根を寄せるのです。
『サラちゃん。教会はいいから作業を手伝ってちょうだい』
「でも…村のみんなのためにお祈りしなきゃ…」
サラは困ってしまいます。こんなことは前にもありました。
イセリアさんは教会があまり好きじゃないみたい。
どうしてなのかは知りません。イセリアさんは正しい人なのに。
■サラ > イセリアさんはサラから視線を外し、お祈りなんて、と吐き捨てます。
怖い顔。だけどすぐに視線を戻し、何かをこらえるような声でサラに言うのです。
『山賊に壊された家の修理がまだ終わっていないの。
このままだとあの人たちは冬を越せずに死んでしまうわ。
今は一人でも多くの人手が必要なの。だからサラちゃんも手伝って』
「でも…それなら…神様にお願いするほうが…」
本当に困ってしまいます。
難しい作業をする場所にサラがいても邪魔になるだけなのに。
だからサラは神様にお祈りしなきゃいけないのに。
■サラ > イセリアさんはまたサラから視線を外し、今度はため息をつきました。
だけどまた視線を戻し、辛抱強く言うのです。
『サラちゃん。神様にはもうサラちゃんのお願いは届いているの』
「うぅ…そうなのかな…」
『神様にお願いする人は多いから。だからすぐには叶えられないの』
「う…うん…」
『お願いは一回すれば充分よ。
お祈りが終わったら、神様がお願いを叶えやすいように準備しなきゃいけないの』
「うん。わかった…サラもみんなのお手伝い…する…」
みんなの邪魔にならないかとても不安なのですけれど。
サラはイセリアさんに言われたとおり村の作業の手伝いに向かうことにするのです。
■サラ > イセリアさんのことを正しい人だと思っているサラには知る由もありませんが。
イセリアさんはただ――
サラをマリアニーサ様のところに行かせたくなかっただけなのです。
イセリアさんの姉のルクティーナさんとシスター・マリアニーサ様の関係。
二人の不真面目な同性愛関係を知っているイセリアさんは、姉だけでなくシスターのことも嫌悪しています。
だから教会に向かうサラを呼び止めて、別の場所に連れて行っただけなのです。
ご案内:「サフォー村」からサラさんが去りました。
ご案内:「平民地区 晴れの日の朝から」にハルクラムさんが現れました。
ご案内:「平民地区 晴れの日の朝から」にセイン=ディバンさんが現れました。
■ハルクラム > 長雨は止み、眩しい陽が差す晴れ、しかし空気は乾燥していて、凍える寒さ。
昨夜の情事の熱り冷めない二人の部屋、窓も無ければ外が朝かも分からないものだが、
始めに起き出したのはハルクラムの方か―
「……ん…んんー…、うふふ…セインさん…布団も被らずあたいを抱いて寝ちゃってて……、起きないのかな…?
まずはそこの風呂で身体でも洗いましょうー…?ね?セイン?」
彼女を抱きかかえたままぐうぐうと寝ていたセインの唇へ少し深めにキスをする。目覚めのキスのように、刺激を与えて
「はるくはお腹すいたのー、ね?今日はきみも休みなんでしょ?ちょっとお外でも覗いて、二人でどこかでいちゃいちゃ
してみましょー…?」
セインが起きてくれれば、彼女は部屋の隅にあったクローゼットから私服を取り出して、彼と恥ずかしくない恰好で出る
準備は出来ているか
■セイン=ディバン > 肉体の疲労、急速回復中。いくら身体を洗ってもらったっていっても。
雨に濡れた後、急にエッチなんかすりゃあ体力も空になります。
「んおごごご……んがあああぁぁぁ……。
ふがごっ!?」
盛大なるいびきをかいていれば、唇に何かの触れた感触。
そして、唐突な刺激に、男は一気に脳を覚醒させる。
「ん……あぁ……しまった、完全に寝入ってたか……。
おあよ、ハルク。ん~……。急ぎの仕事は、無いよ……。
ふむ。そうだね。じゃあ適当に軽食でもつまんで、デートと行こうか」
口の端から垂れていた涎を拭きつつ、頭を振り、意識を覚醒させる。
相手の言葉に答えながら、自身の身体の状況をチェック。幸い風邪などはひいていない様で。
男は、相手の提案に乗り、外へと出かける準備をする。
執事服、コート。懐にリボルバーとナイフ各種。メガネをくい、とかけ。相手の方を見る。
「じゃあ、行きましょうか。お姫様」
胸元に手をあて、跪いて一礼しつつ手を差し伸べる。
普段の様子からは想像できない、完璧なエスコート体勢だ。
■ハルクラム > 「ふふ、昨日きみが囁いてた事も全て覚えていますのよ?ほら、早くおきてぇー、もう、すごいいびきだったんだからぁ
あたいはそんなに深く寝れてなくて…まだ少し疲れてるかも…?ふひひ、疲れてるって、ニンゲンのきみに比べちゃ
全然なんだけどぉ?そだねー、軽食は何にしようかなぁ、あるきながら考えましょぉーデートねぇ!でーとー…
…ふぇ?そ、そんなぁ、あたいのこと早速お姫様なんて呼んでくれるの?もう…早速ながらおだてるの得意なのー!」
よく生きた大人としての余裕と、ただ少女らしさとしての無邪気さの両方を演出するかのような受け応えの彼女。
姫らしく両手を腰に構え、仁王立ちのような体勢で彼の着替えを待つ。
彼女の服装は大きめのフードに内開きのカーディガン、もこもことした短めのズボン姿で、ややボーイッシュなのかも
しれないか―
「さあ、行きますのよ!あたいの……なんていえばいい?セインでいいの?んー、うふふ、王子様にしては
歳離れすぎるものねぇ、あたいがおばあさんなんだし。んじゃぁ…、眷属?けんぞくかなぁ?」
■セイン=ディバン > 「わぁわぁ。わかったわかった。そんなに急かすない。
ん……やかましかったか? 俺のいびき。ハルクの睡眠を邪魔しちゃったなら申し訳ないな。
まぁ、この後もっと疲れるかもしれないけどなー。ふひひっ。
ん~……大通りの方に、料理の上手いカフェがあったような……。
え、だってハルクはお姫様なんだろ?」
起きる様に、と言う相手に笑顔を向けつつ。自身のいびきについて謝る男。なにせいびきだ。自覚はない。
目の前ではしゃぎつつも、自身よりよほど大人である部分も感じる相手。
何せ人間なんぞよりよほど長命の一族だ。男は、相手のことを敬いつつ……。
その服装に、おや可愛らしい、なんて感想を抱く。
「あいよ。行くとしましょうかね。……ま、その辺の呼び方は任せるけどさ。
王子、はガラじゃねぇなぁ。眷属、ってのも野暮ったいねぇ。
ダーリン、とかは呼んでくれないの? マイハニー?」
相手をエスコートするように腕を組みつつ、にこり、と笑いそう言う男。
あいにくだが、男を眷族にしてもメリットなどあるまい。
なにせ、実力が微妙すぎる。所詮中堅冒険者だ。
とはいえ、男は相手を好いているので、おばあさん、なんて思うわけも無い。
■ハルクラム > やや堂々と姫らしく振る舞おうとした彼女だが、実際のところ素養はあるといっても実際に兵士やら大勢の民の前で指揮
やら勅令やら下した経験というのは無いらしく、今はただ世間経験途中の箱入り娘である。だから姫ってこんなんだった
っけという手探りで彼女は演じている―
「カフェねぇー…きみがエスコートしてくれるなら助かるの、あたいはコーヒーは勿論好きなのよ?この幼そうな
身体でもよく飲めちゃうのよ?まあ、身体自体は大きいは大きいんだけどねぇー…
さてぇ…眷属じゃだめかなぁ?ダーリン………ふふ、あたいは誇り高き淫竜の姫なのよ!
まだきみ位の一夜明しただけのニンゲンにダーリンという位を与えるのは勿体無いわ!……んー…、でもそうだねぇ…
あたいとセインを横に並べて、手を繋いで歩いたら、恋人同士に見えるのかなぁ…?それとも、親子っぽく…
そんなことないかしら?」
どうも、彼女はまだセインの事は一人の愛する男として限定的に云うダーリンの意味合いは使いたくないようだ、ここの
ところ、彼女の固い所がある。軽い意味合いでの好きでいる言葉とは何か、それが彼女にはまだ頭には浮かんでいない。
なお、おばあさんと言われても特段彼女は怒らないだろう、かわいいとは言われたいのかもしれないが
「ふふ、迷ったらとりあえずセインねぇ!じれったいの!ほら、行くの!レディファーストであたいを先に
いかせるのよ!……迷ったら、きみがしっかりエスコートしてよね?」
■セイン=ディバン > 相手の立場は、行為の最中に名乗られたからわかる。でも、その実態は男には知りえない。
どんな生活を送っていたのか。どんな仲間に囲まれていたのか。なぜこの国、この街にいるのか。
聞いてはいけないような気がして。男はその辺りを尋ねるのはやめている。
「ん。りょーかいりょーかい。豆茶か。たしか、その店は豆茶もずいぶんいいのを用意していたな。
……愛し合うのはいいけど、縛られるのは嫌いなんだ。何せ冒険者だから。とはいえ、いずれそういう関係になったら、眷属として扱うのもやむなし、かね。
あら、こりゃ失礼。お姫様は昨夜のセックスではご満足いただけませんでしたか。
……さぁ、ねぇ。恋人に見えないこともないとは思うけど。少し……。
俺が、歳を取りすぎてる見た目だからな」
相手の饒舌な言葉に、男はケラケラと笑いながら答えるが。時折、真剣な表情になる。縛られるのは嫌いだし、相手のことは本当に好いている。
先のことはわからないけど。今はまだ、互いに距離を測っている状態か。
ちなみに、男は自分がややオッサンじみた見た目なのを気にしているようで。
なにせ冒険者になってもうずいぶんたつ。顔もうらぶれようという物だ。
「ほいほい。焦らない焦らない。大通りに出て、協会側に向かって歩くとすぐ見える店さ。
ル・ニィ・デュ・ドラゴン、って名前のお店だったかな」
元気一杯の相手と共に、大通りへ。たまには、こういったデートも悪くないな、と思いつつ。
肘辺りに当たるふくよかな感触には鼻の下を伸ばしている男なのだった。
■ハルクラム > 距離というもの、淫竜族という彼らの種族性質というものからすれば、人間と彼らは、非常に採寸難しい距離関係にある。
彼らにとっての人間は、弱き者、慈しみを以て護るべき者達、ただ一つ、強い信従の心が欲しいのだという。そして、
セインが縛られることをよしとしないなら、ハルクラムは無理に彼を自分の庇護の下に置くことも出来ないし、真に愛する
事は出来ないのではないかと思っている。もっと簡単にすれば、彼女は独占欲が強いのだろう―
「…んうー…、歳は関係ないし、セインのその風貌も関係ないし……
まあいいですの、え?何いってるのよー、昨日のえっちは勿論気持ちくて、楽しかったのよ!…」
彼の不安そう、迷いの気持ちは言葉から、表情から彼女にも伝わっている事はある。ちなみに、セインが既に既婚の身で
あることは、ハルクラムはまだ知らない。だから、彼の愛をぶつける気持ちが、いずれ契を結び、子をなして永遠に
結ばれたいのものなのかどうかも分かっていない。
「うんうん…る、にぃ、でゅ、どらごん?…ドラゴンのとこしかわからないの。どういうところか、楽しみですのー
すぐ行けそうなのね、うふふ、あたいを疲れさせないでねぇーー」
ではよろしく頼みますの、という意気揚々な気持ちで、二人一緒、出かけることにしたか―
■セイン=ディバン > 男としては、好ましい相手になら縛られるのも悪くはない、と。
実はそう思ってもいるのだが。なにぶん妻がいる身。そうそうほいほい眷属になります、なんて言えないわけで。その辺はジレンマ、である。
無論、そういう悩みは表情には出さないようにする。
相手にわざわざ心配させる必要もないだろう。
「そうかい? 人間、ってのは男女が並んでると見た目で判断することも多いから……。
俺の見た目じゃ、ハルクにはちょっと吊り合わないかもな。
あと、こんな格好だしね。……ふふ。満足してもらえたならなによりだ」
とことこと歩きつつ、軽口叩く男。格好。そう、執事服。
そんな格好で女性をエスコートなんてしてたら。まぁ、主人と執事、にしか見えないであろう。
「ちょっと洒落た、人気のお店だね。今の時間ならそこまで混んでいないはずだ。
疲れさせるのは、ベッドの上だけにしておこう。
……あぁ、見えた見えた。あの、テラスのあるお店だよ」
道案内しつつ、相手への気持ちについて考える。
好意は、ある。間違いない。大切な存在だと思うし、大事にしたいと思う。
でも、相手はどうだろう。お気に入りどまり? それとも……。
そこまで考えた段階で、目的のカフェが見える。
男は、実にスムーズにテラスの席を確保すると、イスを引き、相手をエスコート。
そのままウェイターからメニューを貰うと、相手の前に恭しく広げて見せ。
「メシ代くらいは俺が持つよ。なんでも好きに注文するといい」
そう言って、相手の頭を実に優しく撫でる男。普段からは想像もできない振る舞いだ。
■ハルクラム > もちろん、唯一の愛がなければセインはただのニンゲン、食事としか思わないということはない。少なくとも親しい仲
になれたことは間違いないだろう。ただ、線引きという所は彼女も探している。もしかしたらセインからも、自分は
親しいだけで終わってしまうのか、不安そうな気持ちを抱えながらも表情はケロっとして。フードをかぶっているので
あまり大通りにて横切る群衆の視線は気にしていないでいる。
「うふふ、帰ったらまたあたいを疲れさせる?ベッドで二回戦なのかしらぁ…?あ、ここなの?わぁー、お洒落な店…」
セインを見やるに、自分に比べて実に応対素晴らしく、殆ど待ち時間なく席に案内された。実際に周りから見える二人の
姿が執事と姫な為、そこまでおかしくもないから自然と座れる。
「ふぇー、すごいですの、セイン、冒険者の割に品格あって、なんか、いいとこ住んでるように見えるのー
え、そんなもぉー、ごはん代くらいあたいも持ってるのよ?そうねぇ、奢ってくれるなら、ここは頼んじゃうかしら?
んじゃあー、あたいはこのフレンチトーストにメープルシロップ加えてぇ、あと砂糖さっぷりにコーヒー添えてぇ…」
食事関係でいくと、彼女は肉は苦手な方である。甘いものが大好き。なんだかんだ奢ってくれるからと、たくさん注文
をする。金銭感覚は全くすぐれない彼女、しかも食欲も旺盛である。しばらく待っていれば、席いっぱいに数枚の大皿が
届き、そして想像以上の金額の明細が添えられるだろうか