2017/10/20 のログ
ご案内:「名も無き小さな教会」にレティーシャさんが現れました。
レティーシャ > 鬱蒼と多い茂る森の中、独りのシスターがカンテラを片手に歩いていた。

ここは名も無き小さな教会が建つ森、今夜は満月でカンテラの灯りも必要ない程、青白い月光が降り注いでいた。

「あおーん.....なーんちゃってね、こんな夜はオオカミさんの1匹出てもと思いましたが、森に異常はなさそうですし戻りましょうかね」

ふぅっと一息、溜息を漏らし辺りを見回す、耳に痛いほどの静けさを確認すると、ゆっくりと脚を進めた。

「流石に夜は冷えますねぇ....戻ったら寝る前にお茶を飲んで温まりましょう」

ご案内:「名も無き小さな教会」にサンソンさんが現れました。
サンソン > 「すっかりと迷ったか」

荷を括り付けたロバを引き森を歩くのには少々不便というしかない神父服で下草を踏み歩く人の姿。
本来ならば道を探し歩く所であるが場所が場所なだけに道を見つけれずに森の中を歩く。

「そろそろのはずだが聞いていた以上に辺鄙な場所だ」

半ば迷いながらも唯一の救いは月明かりが明るいと言う事。
そのおかげで本格的に迷わずに進めている事に神に感謝して。

出来ればしたくはないが今日は野宿にしようかと足を止め周囲に良い場所が無いかと見まわした時、
視線の先に一つの明かりを見つける。

「盗賊の類でない事を祈るか。行くぞ」

人ならば家がるはず、そう願いロバの手綱を引きその明かりに向かい脚を進める。

レティーシャ > 教会の前まで着くと再び小さく息を漏らす。

「.....誰も...いない....ですよね?」

なんだか胸騒ぎがした、大体イヤな予感と言うのは当たると言うが
どうしたものかと悩むも髪を揺らすほどの風に吹かれ身震いを起こす。

「さむっ...きっと動物さんか何かでしょうし...気にしないで良いかな....」

カンテラを地面に置き扉を開けると静かな森にその音が響き渡る。
再びカンテラを手に持ち扉をぼんやり眺め一言。

「今度この扉も修理してもらわないとダメそうですねぇ....音がうるさくて心臓に悪いです」

サンソン > 灯りを追いかけて歩けばやがて建物が見え始める。
その前で灯りが下に下り扉の開くような音が聞こえて。

「どうやら野宿をする心配はなさそうだ」

そう考えて更に近づいていけば建物は教会と判り、扉の前に人影を見つけることが出来る。

「夜分にすまないが訪ねたい。この教会のシスターか?」

カンテラを手に扉を見ていると思われる人影に後ろから静かに声をかけ近づいていく事に。

レティーシャ > 「っ.....こんな夜更けに迷われましたか?
 私はこの教会に仕えるシスターですが.....」

急に背後から声を掛けられ驚きに体が跳ねる。
驚いたとは言え迷い人に失礼な態度を取る訳にもいかず笑顔で振り向くも
相手を見るや凍り付く。

「こ..これはこれは..神父様......」

凍り付いた笑顔は相手を不快にさせるかもしれない、だが彼女は大の神父嫌いなのだった。

サンソン > 「少し道に迷って困ってた所だがそれは解決を今できた所だ。
シスターが夜に歩き回るのは感心しないな」

声をかけた女性が振り返り凍り付く姿を見れば息を吐き。
小言を口にはするがその出歩きのおかげでこうしてたどり着けたのでそれ以上は言わず。

「追放以来久しぶりだが元気そうで安心をした。
中に入れてもらえるか?荷物を運びこみたいのだが」

女性にそう告げ連れてきたロバを差し、そこに括り付けている荷物、
薬や包帯を運び込みたいと告げて見つめる。

レティーシャ > 「こ...この教会周辺の見回りも...務めですので...」

明らかに先ほどと態度が変わってしまったシスター
その神父を直視出来ないまま後ろに居るロバを見ると扉を開き
教会内の燭台へ灯りを燈していく。

「元気は元気ですよ、ここは何もありませんし静かですし
 滅多に人も来なければ戦争に巻き込まれる事もありませんからね..
 さ、どうぞお入りください」

淡々とした口調は何処か皮肉も含まれている様にも聞こえるが悪気は無い、荷が解けるほどの明るさに包まれカンテラを台に置くとカンテラの火を消す。

「先日頼んだ物がもう届くだなんて.....あの冒険者さんは凄腕なのかもしれませんねぇ」

サンソン > 「勤めに真面目なのは良い事だが・・・日が暮れてしまえば方の力を抜いても問題はないぞ」

言い方は固いが要は身の危険があると心配するように告げて。
態度が変わってしまった事をさほどに気にせずに扉を開くのを見る。
そうして教会内に灯りが点るのを待ち。

「それならば安心した。辺地なだけに身体を壊してはいないか心配をしていたのでな。
何もないか……確かに目印一つない場所ではあるな。
そんな危険な場所ならそもそも追放先に選んだりはしないぞ。
では失礼する、汚した所は後で掃除しよう」

言葉に皮肉が含まれているように聞こえるがそれも当然かと気にはせず、逆に僅かに申し訳ないという気持ちを見せ。
明るくなればロバの背から荷物を丁重に解き台の上にと降ろしていく。

「ここでの事は時折に話に聞いていてな。先日に包みを送った後に準備を始めていた所だ。
彼には無茶を頼んだとは思ったが遂行してくれて助かったものだ」

アレでもそれなりな冒険者なのだぞ、と告げて。

レティーシャ > 「先日荷を届けてくださった冒険者さんは今は穏やかだと言っていましたが、森に何かあってはこの教会を隠す意味が無くなってしまいますからねぇ」

壁に立てかけられた箒とモップを持ち小さくため息を漏らしながら
─この人に何を言ってもこうだもの.....諦めるしか無いですよねぇ─
胸中の思いなど感じさせぬまま荷を解く姿をぼんやりと眺める。

「掃除は私がしますので神父様は気になさらないでください
 ロバは外の馬小屋に繋いでおいてくださいね....手入れはあまり出来てませんけど」

箒で床をある程度綺麗にするとモップで拭き始める。
寝る前の一仕事以上になってしまたが仕方ないと諦めながらふと思い出し

「あ、そういえばお茶、御馳走様でした
 美味しく頂きましたよ」

お茶は嬉しかったのか小さく微笑みモップをかける手を止めると小さく頭を下げる。

サンソン > 「今は穏やかだが小競り合いは起きている。それはそうだがシスターに何かあってはそれも意味がなくなるのだぞ」

教会の事も大事ではあるが先ずは我が身を優先するようにとつい小言を言ってしまい。
慣れた手つきで荷を解いては下ろしていく。

「汚したのは私だが…すまないが頼む。
判った、そちらに連れて行っておこう。手入れは流石に私がするから気にしなくていい」

掃除をさせてしまった上にロバの手入れまでは頼めないと首を振り。
もっと早く着ければ良かったのだが遅くなってしまったことに申し訳ないと。

「そうか、気に入ってもらえたなら安心した。
せめて茶ぐらいは定期的に送りたいとは思うが周りがうるさくてな。
後、そこまで畏まらなくていいぞ。私も王都の教会は半ば離れた身だ」

モップをかける手を止めて頭を下げる姿を見てそう告げ、
手綱を持ちロバを馬小屋へと誘導していき。

レティーシャ > 「そうかもしれませんけど.....」

むぅっと拗ねたようにモップで床を擦る、何を言っても言い返されてしまうのが少し悔しいのかもしれない。

「掃除は私の仕事ですし、一応?お客様ですからね
 お客様に掃除なんてさせたら罰があたります」

ふふっと笑いながら何時もの能天気が戻って来る。
まぁ良いか、彼女は大抵の事をまぁ良いかで済ませるクセが有る。

「お茶を定期的に送ってくださるのは嬉しいのですが、サンソン様が追放されては意味がありませんよ?
 半ば離れたとはいえ籍はまだ王都にあるのでしょうし....司教様が許すとも思えません」

ふぅっと溜息をつくと綺麗になった床を見て満足そうに頷き箒とモップを再び壁に掛ける。

サンソン > 「森の事も教会もシスターの存在があっての事だ。
教会の代わりはあってもシスターの代わりはいないのだぞ」

自分の事を軽く見過ぎだと呆れた視線を向けて。

「一応と付くがな。だが同じ教会の者としてそこまで客扱いされるのもな」

王都にいる神父たちならば喜ぶだろうと、笑う女性に目を向け。
お客様扱いをされる事がどうにも苦手なだけにその扱いに困った顔をして。

「私が追放されるときは半数は道ずれになるだろうな。茶ぐらいで目くじらを立てるほうがどうにかしている。
王都での下らん権力争いには飽き飽きでな、籍があろうと戻るつもりはない。
……ようやく名前で呼んでくれたか、シスターレティーシャ」

口元に笑みを浮かべて一度振り返ればロバを馬小屋へと繋ぎ戻ってきて。

レティーシャ > 「わーかーりーまーしーたー!
 もぅサンソン様は何時もそうなんですから」

お小言はもう聞きたくないと言うように首を振りながら小さく苦笑する。
確かに彼の言う通りなのである、今何もないにせよ各地では小競り合いを続けている、その火の粉が何時降りかかるかは誰にもわからないのだから。

「でもサンソン様は直ぐに発たれるのでしょう?ならお客様ですよ?」

首を傾げながら、ふふふっと笑いながら相手の困った顔を見る。

「サンソン様がお茶を贈る相手に問題があるからですよ?
 私は異端なんですから、目立って何かして....サンソン様に何かある方が嫌です....それにサンソン様を支持してくださっている民や他のシスターたちも悲しみますよ!」

百面相とは言い様だが、心境と共にコロコロ変わる彼女の表情は昔から見ていて飽きないと言われる物だった、彼の名を何度も口に出すのは、それなりに信頼し慕っているからこそ現れる感情の1つだろう。

そして付け足す様に、王都に居た頃からサンソン様は人気者でしたからね、と悪戯っぽく笑って見せた。

サンソン > 「目をかけていた者を心配するのは当然のことではないか」

首を振り苦笑をする姿に当然の事だろうと息を吐き。
本来ならば小競り合いが続きいつ何があるか判らない状況だけに直ぐにでも王都に連れ戻したいがそれができない事が歯がゆくて。

「いや、面倒をかけるが数日滞在するつもりだ」

むしろ数日でしかないがいる事を伝え。
部屋がなければ礼拝堂の隅でもいいと。

「私の知る限りはレティーシャに問題はなかったはずだが?
それを告げたのも別の神父だ、私には関係のない事だ。
私に何かあればそれこそだろうな。それを言われると耳が痛いな」

こう話していればころころと表情が変わるのは王都のころと変わらずに話していて飽きず。
心配をされると珍しくぐうの音も出ずに言い負かされて。

人気などやる事をやれば当然だという様に肩を竦めて、お前も人気があったぞと告げて笑みを浮かべる。