2017/09/25 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にオデットさんが現れました。
オデット > 従業員室の隣。
ただ汗を流すためだけに作られた簡素なシャワールームから1人の仲居が出てくる。
まだ湯の熱を含んでいる肌を冷ますよう柔らかな綿の浴衣を身に着けて、濡れた髪を後頭部で纏めて。

「……ふぁ…、……」

気が抜けて思わず出てしまったあくびに慌てて口元を片手で隠しつつ、のんびりと廊下を歩く。
今宵担当の客室もなく、朝を迎えるまでの数時間休みを貰った。
眠るべきなのだろうが妙な高揚感もあり、勿体なくて眠りたくないという子供じみた願望から当てもなく宿内散歩。

「……、…1人って退屈なものね」

こんな時、夫に付き合ってもらいたくなるのはまだ彼の妻として自覚を保っているのだと安堵もするのだが。
女心とは複雑である。

オデット > 「そういえば以前は1人の時間が多かったのに、ここで働くようになってから私は1人でいることが少ないのね…」

今さら気付いたように ふと唇からこぼれ落ちた言葉は拾う者もおらず、消えてゆく。
難儀なことも多い場所だが、己にとってはそう悪い職場ではないのかもしれない。
寂しさを紛らわせてくれるだけでも、――――。
そんな思考をぼんやりと巡らせつつ、仲居は眠気が訪れるまで宿の中を気ままに歩き、
刺激は少ないながらも穏やかな休憩時間を楽しんだという。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からオデットさんが去りました。