2017/07/11 のログ
アルテア > ルーレットは徐々に徐々に回転を緩めていく。客たちがチップを台に載せる手も止まり、今にも遠心力に負けスポットに落ちようとする玉を男が指定した隣へ落とそうと操作を始めた瞬間だった。

「んぐぅ〜〜〜〜〜〜〜ッ!」

下腹部から四肢へと電流が走る。人の身どころか魔の身にも耐え難い快感の奔流に椅子から身体が跳ね上がり、声が漏れ出そうになるのを咄嗟に肘掛けをつかんで押さえ込んだが、その分ボールのコントロールは失われ。

やがてそれは吸い込まれるように男が金貨を置いた番号と色のスポットへと落ちていった。

「お…お兄さんの一人勝ちね。おめでとう。仕事帰り…と行きたいところだけれどこのカジノは夜通し営業で私はこれから休憩なのよね、ごめんなさいね?」

沸き立つ観客を柔らかな表情で受け流しながら、奥に控えていた男性スタッフを呼び出しディーラーを交代して。ゆっくりと階段へと歩を勧めていく。慧眼な者が見れば膝は微かに震え衣装の胸部には微かなシミが生まれていることが確認出来るだろう。

「それでは皆様、まだまだ楽しんでいって下さいませ。」

“…まさかそんなバカみたいな手にやられるなんてね。……ギルドマスターの部屋は一階の一番奥よ”

一階への階段半ばで振り向くと客達へと挨拶と一礼をし、そのまま一階へと姿をけして。

ルヴィエラ > (――玉の行方ばかりに気が向いている他の客には、きっと気付かれまい
女が一瞬、戦慄くような震えを帯び、必死に其れを押さえ込んだ事を
場を盛り上げる、と言うカジノディーラーとしての手管を鑑みれば
己の指定した穴付近へと誘導するだろう、然程当てには為らぬ勘は在った
そして、其の末に「運良く」玉が、金貨を置いた場所へと見事に転がり落ちるなら
響き渡る歓声と共に、肩の辺りを誰とも知らない輩にべしべしと叩かれたりしながら
兎も角、結果は勝ちだと、再び金貨を拾い上げて、己が胸ポケットへと戻した。)

―――おや、残念。 でもギャンブラーとして、一寸した伝説が作れただけでも良しとしよう。
では、私もそろそろお暇しようか、嗚呼、ワイン有難う、頂いて行くよ。

(――先刻からの、念話でのやり取りを知らぬ店員が、せめてと差し出したワインボトル
其れを受け取り、他の客達へと向けて戦利品の如くに掲げては
さて、賭場の熱を猛烈に上げる事には、貢献出来ただろうか
其の儘一階へ続く階段を上って行き、そして外へと続く扉の前を通り過ぎれば

――程なくして、先に彼女が待つだろう、一番奥の部屋
其の扉が、かちゃりと開かれて――勝者が、特賞を受け取りに現れるだろう。)

―――……やぁ、馬鹿みたいな手も、意外と「馬鹿にならない」だろう?

アルテア > 扉の先、広々とした部屋の中で女はベッド横の椅子に腰掛け入り口たる扉を只々見据えていた。

「…そうね、そのバカみたいなものに人生転がされてる私が本当の馬鹿…って落ちかしら」
 
肩をすくめてそうつぶやくと女は徐に立ち上がり男の前で仰々しく頭を下げて

「おめでとうございます、ミスター。こうして貴方は勝者の権利を手に入れた訳だけも…あえてもう一度聞こうかしら?今夜は何が望みかしら?」

ルヴィエラ > (――片手に掴んだワイングラスを、そっとベッドサイドのテーブルへと置く
彼女が開口一番呟いたのは、果たして誰に対する皮肉だろうか
何れにしても、表情微笑の儘変える事無く、頭を下げる其の姿へと向き合っては
其の頬へと片掌を伸ばし、顎先へと指を添えて、其の顔を再び上向かせんと。)

―――……だが、恐らくバランスで言うならば、寧ろキミの方が
誰かを手玉にとって転がしている比率は大いに高いだろう?
偶には、こうして皺寄せを直して置くのも悪くないと思うんだがね。

(相変わらずの戯言と共に、寄せる顔。
抗わないのならば、女の唇を奪う様に口付けを重ねて)

――…先ほど自分で言った筈だろう? 一晩の隷属だとね。
なら、望む物は判り易い――其の身体も心も、一晩は私の物だ。

(――合間に囁き掛ける、勝者の権利と与えられるべき褒賞
其れと共に、片掌が再び女の下胎へと向けられ――今度は、直に
刻まれている呪紋の真上へと重ねて柔く撫ぜれば
穏やかに注ぎ込んでゆく魔力と共に、ゆっくりと、ゆっくりと
其の呪いを、今度は一瞬ではなく、完全に起動させて

其の子宮を、目覚めさせて、仕舞え)。

ご案内:「王都マグメール 冒険者ギルド「エポナ」」からアルテアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 冒険者ギルド「エポナ」」からルヴィエラさんが去りました。