2017/06/11 のログ
ご案内:「王都マグメール」にタマモさんが現れました。
タマモ > 一瞬、何か不思議な現象が起こった気がするが、きっと気のせいだ…うん、気にするな。

ともあれ、王都マグメールより、そう離れていない場所を流れる小川の畔に少女の姿はあった。
適当な岩場に腰を掛け、その手には…まぁ、言うまでもなく釣竿が握られている。
側にも、いつものタライ、その中には数匹の魚が泳いでいた。

それなりに、長い時間佇んでいる感じか。
ペース的には微妙なものだが、これもまた良し。
のんびりと、釣り糸の垂らされた水面を眺めていた。

ご案内:「王都マグメール」にウィルバーさんが現れました。
ウィルバー > 勢い込んであちこち回ってみたものの、特段面白いこともなく。
ついには王都を飛び出していた。
小さな川にそって歩いていると、釣り糸を垂らす見慣れない恰好をした人影。
よくよく目を凝らすとなんとこの間あった狐さんではないか。

「タマモじゃないか。 釣りなんてやるんだ。」
位置的には、僕が彼女の後ろから声をかける感じになっていた。
この間はともかく、今日はいきなり触ったらぶん殴られそうな気もしたので、あえて危険を冒すことはせず
タライの中を覗くだけにした。

タマモ > 釣り糸からの反応は、まだないようだ。
釣竿を手にしたままで、その反応が見えるまでじっとし続けている事だろう。
と、ぴくんっ、と耳が揺れる。
流れる川の上流から聞こえる足音…なのだが、まぁ、気にする事は無いのかもしれない。
二足歩行、気配も乱れた様子なし、誰かが散歩か何かで来たのだろうと。
そんな事を考えていたのだが、後ろへと歩み寄り、足を止める。
掛かってくる声は、聞き覚えのある声だった。

「誰かと思えば、ウィルバーではないか…こんな場所に何用かのぅ?
もちろん、妾はこうして釣りを楽しむのも好きじゃからな?」

視線は釣り糸に向けたまま、それだけ答える。
ちなみに、男の予想は近からず遠からずか。
ぶん殴りはしないが、叩かれるくらいはするかもしれない。
タライの中を覗いてみれば、変わらず数匹の魚。
泳ぐには余裕が少々あり過ぎる感じに、どちらかと言えば少ないだろう。

ウィルバー > 「用…? う~ん、あ、そうそう。
可愛いタマモに会いたくってさ。 この辺居たら会えるかと名推理したんだよね。」
今日の僕はこの程度の軽口を簡単に口にしてしまう。
元々テンション高めの時がある僕だが、今は草の影響もあって更に高い。
嗅覚に優れる人なら、僕の臭いに緑が混じっているのに気付くかもしれない。

「釣りってさあ、ず~~っと待つじゃない? 皆よくやるよね。」
彼女は振り返ることもなく、糸の先を見つめていた。
邪魔するつもりもないので、僕は彼女の傍には近寄らずにタライの中を覗く。
タライの大きさにしては数が少ない気もするが、元気そうな魚が中を泳いでいた。

「おいしそうだね、これ全部食べちゃうの?」
タライを覗き、魚の種類を思い出せる範囲で思い出していた。
確か、塩焼きにすると旨いのが混じっている気がする。

タマモ > 「………適当に歩き回り、たまたま出会った、そんなところかのぅ?
後、妾を可愛いと言うでない。もうちょっとこう…言い方があるじゃろう?」

言葉の調子から、そんな感じだろうと予想を立てて言葉を返す。
前に会った時に、それなりに男の性格は把握していたからだ。
…ついでに、続けて訂正の言葉を求める。
可愛いだと、どうも小動物みたいな感じに言われたようで、何となく気に入らないのだ。
いや、まぁ、実際にはどちらかと言えば美しいやらの言葉よりも、可愛いの方が似合っている感じではあるが。

「まぁ、釣りは人を選ぶからのぅ…人では無いが。
ともあれ、こうしてのんびりと過ごす時間が良いのじゃ。
無理に分かれとは、言いやせんから安心せい」

自分はそれを理解出来る者なのだと、どことなく自慢気だ。
ふふんっ、と胸を張ってみせる。釣り糸に集中したままで。

「うん?…さすがに、釣った魚を全部平らげるのは難しいのぅ…
ほれ、妾は小食じゃからな?
どうした?魚が欲しいならば、適当に持っていっても良いぞ?
…さすがに、全部持っていかれては困るがのぅ?」

ふむ、とその言葉に頷きながら、そう答える。
実際に少女は小食だ、小さいものならばそれなりにいけるが、大きいものだと2・3匹が限度というくらいであった。

ウィルバー > 「ごめんごめん、僕って正直だからさ。
ごめんよ、美人なタマモさん。」
おっと、モロバレではないか。
訂正を求められたので、言われるままに訂正する。
だが、僕の肩は震えていた。
どうみても可愛い感じの娘なのに、可愛いは駄目らしい。

「お、セルフ突っ込みか。 あいかわらず面白いね。
何て言うか、非効率じゃない?
もっとこうガーっとやった方が早いじゃん?」
乱獲一歩手前位の発言を堂々と口にする。
そして、釣りの楽しみが理解できないのはよく分かっているので自慢げな彼女にどうこう言うつもりはない。
素直に感心している。

「ああ、そうなの? 暇だし、待ってる間に焼いておこうか?
この間もらった血のおかげですこぶる調子がいいんだよね。
ああ、今度助手にも何かお礼しないといけないなあ。」
チョコチョコ貰っていった血のおかげで普通の吸血鬼を卒業で来てご満悦。
が、包丁の類はないので実際に調理するとなると魚の惨殺死体を素手で作る羽目になるが。

タマモ > 「ふむ、ならばもっと素直に答えておく事じゃな?
………お主でもちゃんと分かる事もあるようじゃ、それで良い、うむ」

言うままに訂正をする男に、うんうんと頷いてみせる。
こう…何となく違和感は感じるが、言わせたので、それで良いのだ。
深く考えたら、負けである。

「面白いのは、お主も同様じゃろう?
こうして、思い通りにならぬさまも、また良いものなのじゃ。
ただ流れに従い、それが思いの他上手くいった時の喜びは一入じゃぞ?」

思い通りにゆかぬ物事と言うのも、時に楽しめるもの。
それは人それぞれではあるからこそ、相手には強く求めない。
まぁ…うん、目の前の男は、楽しめる類ではないのは分かっている。
それでも、一応は教えておこうと、そんな感じに。

「………ふむ、そこまで腹は減っておらんし、妾はその一匹で良い。
後はお主の腹具合で焼けば良いじゃろう、食べるならば、な?
しかし…血で力を得るは良いが、あんまり調子に乗って力を使いすぎ、枯渇させぬようにな?
不死者は、生者と違い自然と力が戻るものでもないんじゃろうしのぅ?
まぁ…そういうものでは無いのなら、気にせんで良いのじゃろうが」

普通とかどうとか、それはいまいち分からないが、何とも機嫌は良さそうである。
焼くのなら、これを使えと、ぽんっと唐傘を手に取る。
そこに仕込む串を数本抜けば、ぽいっ、と放り投げた。
唐傘は、側に横に添えて置いておく。

ウィルバー > 「いやいや、美人相手にはこうユーモアある会話を楽しまないとね。
お城に行ってごらん。 回りくどすぎて何言ってるかわからない会話がいっぱいだからね。
…おい、最後のはどういう意味だ狐。」
タライを覗きながら、楽しげに会話を続けていたが、
彼女のお主でも、の件で腹が立った。
なので、釣りを頑張っている彼女の尻尾を摘まもうと。
当然、狙うはこの間触った一本である。

「そうだね。 学院の教師でも僕はわりと面白い方だと思うよ。
いやあ、そういうのは僕理解できないなあ。
こう、電気でバリバリーってしたくなるわ。」
そういう楽しみがあるのはよく分かっているが、やはり受け入れがたい。
邪魔をしてはいかんだろうと、水面には極力近づかないが。

「う~~ん、なら止めとくよ。
焼いたらすぐに食べないとダメだしね。」
一匹しか食べないのなら、今すぐ焼く必要がないように思えた。
なので、折角だが串は集めて傘の近くにでも置いておくことに。

「その辺はよくわかんないね。
少なくとも、もう何回か吸えたらもっともっと強くなるのは見えてきたんだよね。
まあ、そういうわけだし献血にご協力下さい。」
向こうも機嫌が良さそうだし、これはいけるかもしれない。
僕は音を立てない様に細心の注意を払いつつ、彼女のすぐ後ろにまで近づく。
そうだねえ、やっぱり首筋からガブっと行きたいね。

タマモ > 「何をもってゆーもあとするか、それは妾には分からぬが…
城内か…あの場所は、妾はいまいち好かん。一部の者を除いてな?
はてさて…どういう意味で受け取ったんじゃ?ん?
受け取り手によって、言葉は大きく変わるもの…妾のように性格が悪ければ、変な風に受け取ったやもしれんのぅ?」

くすくすと笑い、そう言葉を紡ぐ。
言葉の通り、自分も良い性格をしているだなんて考えた事もないからだ。
別に釣りはそこまで頑張るものではない、流れを楽しむもの。
その動きは見ずとも分かる、己の地の尻尾は普段は特に注意すべきものだ。
するりと簡単に、掴もうとする手を抜けてゆくだろう。

「む…お主、教師じゃったのか…?
理解出来ぬならば、仕方ない。そういう者も多々居るものじゃ。
………言う必要はないと思うが、するでないぞ?」

とりあえず、男がどんな職業であったかは…気にしない方向でいこう。
そして何となく、それは分かっているだけに、強くは言わない。
だが、一応はと釘は刺しておいた。

「まぁ…それならば、後は妾がするとしよう」

どうやら、男自身は食べないようだ。
そうしないのが分かれば、置かれた串を手に取り、唐傘へと戻し…ぽんっ、と消す。

「自身の事じゃろう、分からんものではないじゃろうに?
吸えば強くなるか…余り、必要以上に力を求めるのは感心せんぞ?
お主が、もう少し誠実であるならば、何か強く思い描く目標があるならば、それなりに協力はしようものじゃが…
それが見えぬならば、それを得て、また求めてくるが良い。
出来るまでは、お預けじゃ」

以前に細かくはなくも聞いた、男が女をどう思い、扱っているかを。
今のままであるならば、下手な力は暴走を招きかねないだろう。
それを思うからこそ、ここは拒否を示しておいた。
視線は向けていない、なのに、数本の尻尾が揺らぎながら、その先を男へと向けていく。

ウィルバー > 「そらあれじゃない? ちょっと遠回しか無駄を入れるんだよ。
ファッションみたいに機能性と相反することをするとユーモアなんじゃない?
あ、でも単純に無駄話は駄目だね。
そうなの? 狐って人を化かすって言うらしいじゃない。
てっきり美人のタマモも化かしまくってるのかと思ってたわ。
いや、そりゃお前、そのままの意味だろ。
ふふ、どうやら僕らは似た者同士のようだね。」
お互い、性格が素晴らしい所があるようだ。
が、やはり化かし合いでは向こうの方が有利か。
掴んだのは尻尾ではなく空だった。

「そうだよ。 こう見えて若い子の面倒みたりしてるんだよね。
…なんだよ、そんなことするわけないだろ。」
どうにも信用されてないなあと、頭を掻いていた。

「今はまだお腹空いて無くてさ。 できれば夕飯前に持ってきて欲しかったなあ。」
などと、我儘を言っていた。

「そうかな? 意外と自分のことって皆分かってないこと多いよ?
僕の場合生まれも育ちもよくわかってないからね。
それにさあ、やっぱり魔族に誠実だの目標だのって説教するの可笑しくない?
僕が思うに魔族ってのはこう自分勝手に好き放題生きる者だと思うんだよねえ。
現に皆で徒党を組めばこの国も潰せそうだけど、だ~~~れもそんなことしようとしないしね。
あ~ぁ、意外に口うるさい狐さんだなあ。」
こちらに向けられた尻尾の先。
手を出してみたい気もしないでもないが、彼我の戦力差が不明な今は手出ししない方が無難な気がした。
なので、唇を尖らせてぼやくに留めた。