2017/01/26 のログ
ルヴィエラ > 普段、外を出回る時はこんな格好でね。 偶々見かけたから、つい入って見たのさ。

(高級なワインは確かに美味い、己が店に置くのは上質な其れだ
けれど、安い酒を美味く飲めないのかと言えば、決してそうでは無い
手酌する事には気にも留めずに、のんびりとグラスの中で揺らぐワインを眺めてから
くい、と、一口。)

……うん、偶に飲むと悪くない。 ――嗚呼、ふふ、気にしないで頑張って来るといい、済まないね。

(程無くして運ばれてくる、海藻のサラダ。 再び彼女が店の奥へと消えて行くのを見送れば
きっと、再び彼女が戻って来るまでの間は、ワインとサラダをマイペースに口へと運んで居ただろう
ワインがなくなれば、きっとグラスで注文して緩やかに愉しみ
目まぐるしく客の入れ替わる店内の喧騒を、久方ぶりに眺めては

――さて、彼女が仕事を終えて戻って来る頃。
割合良い額をカウンターにのせて、一旦の会計を済ませる姿が在るだろう
但し、まだ、帰宅すると言った気配は無かったけれど。)

……今夜は、もうあがりかい? ……疲れているなら、無理しなくても良いけれど。

(大丈夫かな、と。 テーブルから見上げる少女の顔。
もし、まだ大丈夫と頷く野仲、折角だからと椅子を引いて
きっと、少女へと隣に座る様促すんだろう
――女将へと、葡萄のジュースと、ワインとを別々に頼んでは
きっと、片方は、彼女へと)。

ルキア > 「そうなんですか。今の季節寒いですもんね。外からわたしだって分かったんですか?」

フードを被れば、頭部も冷気から守ることができるだろうと納得したようで。
耳が痛くなりますよね、などと笑って。
安いワインは、それなりの味ではあるが店のオヤジが海のものに合うようにと選んできているものだ。
料理との相性はいいだろう。

喧騒の中を忙しそうに動き回り、一段落ついた頃、彼がカウンターで会計をしている姿を見てもう帰ってしまうのかな、と心配になったが、その姿は再びテーブルへと戻っていった。

「はい、女将さんがあがっていいと言ってくださったので。大丈夫です。失礼しますね。」

エプロンと三角巾を外して、彼の座るテーブルへと戻ると問いかけに笑顔で頷きながら答えた。
椅子を引かれれば、そこに腰掛けてふぅ、と吐息をこぼす。
注文されたぶどうジュースとワインがテーブルへと置かれると、女将に礼をいい、目の前の男性にいただきますと言ってグラスを持ち上げて。

ルヴィエラ > 聞き覚えの在る声が響いていたからね、最初は其れさ。 覗いて見れば、案の定…と言った所だよ。

(――決して嘘は言って居ない、初め、店の外に彼女の声…或いは悲鳴が響いていたのは確かだ
無論、其れよりも先に少女の存在には気付いていた。 一度間近に触れた魔力は
其の相手が姿形を変えようとも、早々違える物では無い
彼女がテーブルの隣へと座るなら、新しく並んだワイングラスを手に、彼女の目前へと掲げて。)

久方ぶりの再開を祝して…乾杯。
……それにしても…、……見ないうちに、随分と雰囲気も変わった様だね。

(傾けるグラスは、少女へと向けて。 其処に少女のグラスが重ねられても、重ねられなくても
くい、と再び一口煽っては、少女の方へと、軽く身体を向けた、か。
――何時かは、余り世間を良く知らぬ、ただ純粋に過ぎる少女であった様に思える
けれど、今目の前に居る少女は、其の時よりも随分と――強いて言うならば、大人びた。
そうして、僅かに視線を下へと落とすなら、近くで見ると、より良く判る
其の胎の仄かな膨らみに、ふふ、と微笑を浮かべて見せては。)

……育てる心算、なのかな?

(さして、仰々しく聞く心算は無い。 ただ、柔和な響きで、短く問おう
果たして、其の問いに少女がどんな表情を浮かべるのか、其れを伺う為に)。

ルキア > 「そうですか…ここのお客さんたち、声が大きいから私も大きな声を出さないと注文が通らないんですよね。」

外まで響いていたとの言葉に、すこし恥ずかしそうにしながらも仕事上小さな声では仕事にならないと、耳を下げて話。
黒蛇が取り出され、淫紋の消えたそこ。しかし、彼によって弄られた魔力回路も子宮の魔力路もそのままで、娘の中に残っている。

「乾杯…。え?そう、ですか?」

傾けられたグラスに、持ち上げたジュースのグラスを重ねて、チンと小さな高い音をたてる。
随分と雰囲気が変わったとの言葉に、目を丸くすると首をかしげた。
実感はなかった。けれど、彼と出会ったあとにいろいろあったのは事実だ。
変わったと言われるなら、そうなのかもしれないと思う。
それがいい変化であり、成長の表れであったならいいのだけれど。

「……はい、この子がお腹にいてくれるから、前を向ける気がするんです。」

彼の視線が下がり、服の下の膨らみへと向けられ言葉が紡がれれば、それが何を意味するのかはわかる。
まだそれほど目立たぬ膨らみに、気づいていることに驚きながらもそっと下腹部に手を添えると、愛しそうにそこを撫でて穏やかな表情を浮かべ答え。

ルヴィエラ > はは、だろうね。 でも精一杯張り上げているキミの声は、元気に溢れて居て聞き心地が良かったよ。
きっと、他の客も、同じ様に感じて居るんじゃないかな?

(基礎体力の差は否めないだろうし、そもそも海の男達は屈強だ
腹から通る声に対抗しようと頑張る彼女の姿が、周囲へと伝わるからこそ
彼女が忙しく駆け回るほどに繁盛しているのだろうと思う
無論、この店は他の店に比べても、料理や酒は決して引けを取らない
良い店で働いていると、そんな事を思うのだ。)

……大人びた…或いは、芯が出来た、と表現するべきかな。
ふふ、母と為る自覚が在るのなら、女性は何処までも強くなれるものだ。

(――下胎へと、掌を添える少女の――否、もう其れはきっと、幼き其れでは無い
一人の女性として相対すべき、穏やかで、慈愛に満ちた表情だった
其処に宿る命は、母の祝福と愛情に包まれて産まれ出る事を約束されている
それは、何よりも幸福な事だろう。 愛されると言う事は、最も大切な事なのだから。)

――――……良かったら、触っても?

(ふと、少女へと問うて見よう。
命宿る其の下腹を、撫ぜても良いか、と。
不安がるならば、強いる事は無い、叶うならで構わないと告げながら
――もし、赦されるなら。 其の下胎へと己が掌をゆるりと這わせて
其のなだらかな膨らみを、愛でる様に、撫ぜてやろうとするだろう)。

ルキア > 「そうでしょうか。そうだと、嬉しいですけど…。まだまだ大将には声が小さくて注文が聞き取れないって怒られることがあるんですけど。」

えへへ、と照れくさそうに笑みを浮かべながらも、今日以上に繁盛している時など後半は声が枯れてでなくなってしまい、大将の親父に怒られることがしばしばあるのだとこぼす。

「大人になれているなら、いいんですけど。…そうですね、この子の存在を知ってからは、しっかりしなきゃって、わたしがこの子を守らなきゃって少し、強くなれたような気がします。」

魔物の湖から逃げて、破落戸に捉えられ奴隷として売られそうになっていた。
破落戸たちからも何とか逃げ出して今に至るが、辛い出来事ばかりでもしかしたら挫けてしまっていたかもしれない。
けれど、お腹に宿った命の存在は、何故かとてもとても愛しくて、生きる希望を与えてくれた。
その父親たる男の存在も、覚えていないのに何故か記憶にないその存在を愛しいという気持ちだけは娘の中に残っていて。

「あ、はい…どうぞ。まだ動いたりとかは全然わからないんですけど。」

なでていた手をどけると、男性が触ることを了承して。
ゆるやかな膨らみを男性の手が包み込み、撫でる感覚に目を細めて。

ルヴィエラ > 声の出し方に慣れていないんだろうね、女性が声を張り上げると、喉を痛めがちになる。
お腹から声を出せる様になれば、少しは楽に為る筈だよ。

(まぁ、発音だったり勝つぜつだったり、と言った所までは中々難しいだろうけれど
其の辺りは、きっと慣れる事こそが何よりの近道の筈だ。
怒ると言う事は、改善を期待しているという事でも在る
頑張ると良い、なんて、この場では外野ながら応援しては笑って見せ。)

……自分の為よりも、誰かの為にこそ強くなれる物だ。
キミの場合は、其れが御腹の子供だったのだろうね。

(誰の子だ、何て無粋な事は聞きはしまい。
例え誰の子であろうが、少女が愛しているのならば其れが全てだ
ゆっくりと掌を伸ばせば、其の掌を下胎へと添える
未だ見目でははっきりとしていないとしても、触れれば其の膨らみは判る
淫紋としての効力は失われた其の子宮は、今は又、何か異なる力を宿しているのか
育まれる命を脅かす様な物では無いやも知れ無い、けれど、僅かに双眸細めたなら
――ふと、少女の背へと片腕を添えて、軽く己が胸元へと。)

……ルキア、少しだけ、目を瞑っていて御覧?

(ひとつ、其の耳元に囁きを零した。
もし、少女が其の言葉に従って、瞼を閉じるなら
其の下胎へと刻まれた海蛇の淫紋へと干渉し、其の構成を僅かに上書きして
其の淫紋が、少女の子宮に育まれた命を、護る様に変えて仕舞おう
例え如何なる暴虐にも、命が喪われて仕舞わぬ様に
そして、何よりも其の命が、少女の愛情と共に、力強く育つ様に

――果たして、何時振りに行使するだろう、母たる女神の力
祝福の光を、少女の魔力回路と化している子宮に与えたなら

淫紋を、子宮を取り囲み護るかの、白き蛇の姿へと変えて、行こうと)。

ルキア > 「あ、それは大将からもよく言われます。お腹に力を入れて声を出せって。最初の頃に比べるとマシにはなってると思うんですけど。」

大きく、はっきりとした声でなければ似たような料理の名前の場合聞き間違えてしまうと、教えられることを素直に実行しようとするが、これがなかなか難しい。
励ましの言葉に、頑張りますと娘も笑顔を浮かべて。

「そうなんでしょうね。それに、落ち込みそうな時この子が励ましてくれてるような気がします。…え?あ、あの、あのっ」

自分がおなかの子を守っているだけでなく、おなかの子も挫けそうになる心を支えてくれている。
添えられた手の下にある、ゆるやかな膨らみを愛しそうに視線を落として目を細め。
彼の淫紋が消えたあとには、同じような蛇の、しかし異なる海蛇の文様が浮かんでいる。
その力を探ったなら、どこか狂気を孕む、ぞわりと肌に冷たい手で触れられるようなそんな感覚を与え。
胸元へと体を寄せられれば、一瞬間があいたあと、状況を理解して頬を赤く染めながら、娘は慌て。

「え…?こ、こう、ですか?」

頬を赤らめながらも、耳元に入ってきた囁きに素直に応じて瞳を閉じる。
何か優しい力が、下腹部に流れ込んでいるような温かな感覚が男性の掌から伝わってくる。
それは決して娘と、お腹に宿る命の害を成す力ではなくて寧ろ優しく包み込み、守るような力の流れ。
すぅ――と娘の肌の上で海蛇が泳ぐように円を描き回る。
オリーブ色の海蛇は、徐々に白に染まりまたもとの位置に戻って子宮を囲むように陣取ると定着していくか。
色は白に染まり、効力を付け加えられたが海蛇の形は変わらずに存在している。

ルヴィエラ > ふふ、今は御腹が大事に為っているからね。 無意識に気にして、声を張れないのかも知れない。
其の辺り、コツを掴むまでは大変だろうが…まぁ、応援しているよ。

(無闇矢鱈に声を搾り出しても、余り良い事は無い
声の張り方を覚えるまでは、色々と頑張れと、そう労いの言葉を響かせては
――彼女へは、穏やかな笑顔を。 そして、其の裏で、僅かに逡巡を働かせた
其の下腹に刻まれた、己の物とは異なる淫紋、其れが帯びる力の根源の、不穏
解呪出来なくは無いだろう、けれど、この場で片手間に、とは容易に行かぬ
今出来る事は、其の属性に新たな側面を加えて、変容させる事だ。
腕の中、穏やかに落ち着きを見せながら、今は抵抗無く身を弛緩させる少女
其の様子を見下ろし眺め、伺いながらに下胎へと祝福を施せば――)

……何時か、私が与えた贈り物とは、違う物を贈ろう。
キミが、本当に大切なものだけは、喪わぬ様に。 ……愛せる様に。

(――白く染まった海蛇は、再び少女の胎へと居座る
其の本来の効力は、未だ喪われずに其処に在る事だろう
其処に付け加えたのは、一つの祝福――如何なる陵辱と暴虐も
子宮に育む命の灯火を、消し去る事は出来ないという加護
そして、最後にもう一つだけ。 ――其の子宮に刻まれた、己との一夜の記憶を
少しだけ、蘇らせて仕舞おう、か)。

ルキア > 「ああ…なるほど。そういうのもあるの、かな?またよろしければ、食事にいらしてくださいね。」

お腹を庇って無意識に力が入らなかったのかも、とそう言われればなるほどと納得してしまう。
実際にどうかは分からないけれど、ありえない話ではなかった。
見るものに恐怖と狂気を齎す海蛇の刻印。
けれど、その気配は悍ましくとも、娘の肌に深く刻み込まれたそれは安定し定着している。
それじゃ、娘自身がそれを望んだことで深い場所まで刻まれたことを表し、
娘の体にも、子宮で眠る子にも害を成す気配はなく、寧ろ外側に対して威嚇しているようでもあったか。

「……??贈り物、ですか?…よくわかりませんけど、ありがとうございます。」

一夜の記憶のない今では、その言葉の意味を測り兼ねるがしかし与えられた力はとても温かなものだった。
だから、それを素直に受け入れて礼を言って。

「――っ?!」

次の瞬間、男性の腕のなかで、びくっと娘の体が跳ねて耳まで見る見る間に真っ赤に染まっていく。
子宮に刻まれた記憶が、蘇り目の前の男性との行為を思い出したが故だ。
じわり、と白い海蛇に縞模様が滲み。

ご案内:「港湾都市ダイラス 船乗りの憩い亭」からルキアさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船乗りの憩い亭」からルヴィエラさんが去りました。