2016/12/13 のログ
ご案内:「設定自由部屋2」にスーさんが現れました。
ご案内:「設定自由部屋2」からスーさんが去りました。
ご案内:「骨董屋 影の国」にスーさんが現れました。
■スー > 暗いくらい骨董屋
特別、そこは栄えておらず。
最近一層と、影が濃くなってきたその場所。
しかして、営業は止まらず。
ギリギリのラインで、運営しつつも
際物の類の仕入れはやめない
(さて、そろそろうごける、かね)
思案顔で、暗い室内で思考と漂わせ――
本日も影の国は、客を怪しげな雰囲気で招く――
ご案内:「骨董屋 影の国」にウルフェラさんが現れました。
■ウルフェラ > 大きなケースを背負った少女が、『影の国』の扉を開く。
この店の名前は、『影の国』。少女は、風の噂で聞いていた。
古いものを取り扱っている、とても良い店だと。
「……納得/賞賛。とても、良い店ですね」
ランプの灯だけが照らす幻想的な店内の中で、少女はまた幻想的でありながらも、
どこか異質な雰囲気を纏っていた。
奇妙な口調で喋る少女は暗闇の中でも目を凝らすような仕草はせず、
ぱっちりと開いた金色の目で、店内を見渡している。
仮面のように張り付いた無表情ではあったが、
興味をそそられているのは確かなようだ。
どことなく、その視線に熱のような何かが感じられなくもない。
暗闇の店内の中で、ほんのりと光るかのように浮き立つ鮮やかな色の髪が、
一歩、また一歩と動く度にふわりと揺れる。
■スー > 扉を開けば、カランコロンという鈴の音。
それが鳴れば、明かりの玉が静かに浮いて
訪れた客のもとにやってくれば、奥にいざなうように引っ込み――
老婆を、照らす。
「……ずいぶん、大きな荷物を持っているね。旅人かい?」
耳障りなしゃがれた声。
店内に響き、ぎぃっと椅子がきしみ、揺れる。
「いらっしゃい、何かお探しかな?」
■ウルフェラ > 明かりの玉を、目で追う少女。
「肯定/補足。私は旅の吟遊詩人です。二十三分と四十五秒程前に、
マグメールへ着いたばかりです。この店の噂を聞いて、足を運びました――」
少女はぺこり、とお辞儀をして見せる。
重々しいケースを背負っているにもかかわらず、バランスを崩すような素振りもなく、
しっかり頭を下げた後、滑らかな動きで老婆の方を見やった。
もし目が合ったのなら、ぱちぱち、と瞬きをニ、三度するだろう。
「――珍しい魔導機械など、置いてあれば見せて頂きたいのです」
■スー >
「――へぇ、吟遊詩人、ねぇ。詩が得意、作曲する。確かに正確そうな、物言いだね」
わざわざ細かく、それに時間を秒までいうとは相当な几帳面と見た。
目があえば、閉じた目――糸目が、さらに細まったきがして――
「――”いわくつき”なら向こうだよ」
魔導機械。
そんな名前は聞いたことがない、いや聞いたことはあるかもしれないが、専門家ではないスーにはわからない分野である。
そういったものは学者の分野だ。
だが、分からないものはいっぱいいるし、遺跡とかにおいてある”ガラクタ”があるのがこのお店。
奥のほうを指させば――自由に物色してもいいよというように顎をくいっと向けた
■ウルフェラ > 「……感謝。ありがとうございます」
これまた深々とお辞儀をする少女。よく躾けられた娘のようだ。
少女は、ぴくりとも動かない表情を取り付けたまま、
老婆が指をさした方へ歩いていく。
かなり多くの物が置いてあるようだ。
少女はそのどれから手をつけていいか数瞬悩む素振りを見せたが、すぐに
手近な物から手をつけ始めた。
少女は無言のままに品物を、丁寧な手つきで手にしてはじっくりと色々な角度から眺め、置く。
それを単純なリズムで、繰り返していった。
繰り返し見ては、置き。見ては、置き。
そんな中で、少女がふと、口を開く。
「質問。貴方は、いつからこの店を経営されているのですか?」
そう口にしたとき、少女はちょうど、不気味な顔をした、うさぎらしきぬいぐるみを手にしていた。
他の品物と違い、そのぬいぐるみが気に入ったのか、気になる点があるのか。
いずれにせよ彼女の単純なリズムを狂わせるだけの何かが
あったらしく、少女はそのぬいぐるみからなかなか手を離さないようであった。
■スー > 向かったのであれば、またぎぃこーっと椅子の音を鳴らす。
ゆらゆら小さな体躯を揺らしつつ――
客が商品を物色する邪魔をしないように。
物を置いた音を、子守歌にしつつ
うっすらと意識を――
「あぁ……なんだい?」
椅子のきしむ音をさっきまでより大きくを鳴らして
「そうだねぇ――いつ、からだったかね……」
覚えている。
だが、いつからとスーが年数を言うことはない。
なぜならまだ――
「……ん、それが気に入ったのかい?」
何を選んだのか、スーは知らない。
だが、今までの単調なリズムを奏でていた音――
それを途切れさせるのはそういうことだと思ったから、尋ねた
■ウルフェラ > 椅子が音を鳴らす。ぎぃぎぃ、と軋む音を鳴らす。
その音が耳に入ってくる度、彼女は《コア》が少し熱くなるのを感じた。
少し前までは、よく聞いていた音だ。彼女を育ててくれた、今は亡き『父親』
が、よく同じように椅子を軋ませていたから。
「納得/帰結。人間は、長く生きると物事をよく忘れる、と。
そう『父親』がよく言っていました。きっと貴女も、そうなのでしょう」
老婆の返答に対して、少女はそう口にする。
そうしてから無表情はそのままに、
『思い出したかのように』ぽん、と手を叩いて見せた。
ぺちん、と店内に音が鳴り響く。
この動きは、あまり滑らかではなかった。
納得した時には手を叩く。そんな何気ないジェスチャーを、
意識して、努めて行っているようであった。
「肯定。探していたものはまだ、見つかっていません。
しかし、別の収穫が、ありました」
そう言って少女はぬいぐるみを抱えたまま、とてとて、と。
何処となく、『いわくつき』の品の山へ向かっていた時よりも、幾分か早い足取りで。
老婆の前へ立った。
「……これを購入したいと考えています」
少女がぬいぐるみを突き出せば、老婆の目の前で、不気味な口を開けているうさぎのぬいぐるみの耳が、ぴょん、と垂れた。
■スー > 薄暗いその場所で。
少し鈍い音が響いた。--ゆっくりと首をかしげつつそちらを見れば。
少女は無表情。本来であれば、何かしら表情が出るものだと思うが、彼女はそうじゃないらしい。
「おや、今日はそれだけでいいのかい」
人の感性にケチをつけるなんて、そんなことはしない。
ここは影の国、暗い場所で、光るものを見つけるのは、人それぞれだ。
「――さて、これは普通の人形だったかな」
手帳を開きながら、どこで、誰が売ったかを思い出す。
もしくはどこで、仕入れたか――
「――さてさて」
ゆっくりページをめくりつつ、探す
■ウルフェラ > 「肯定/妥協。今回は、これだけにしておきます。
珍しい魔導機械は、次の機会に。
もし何かそれらしいものを入荷した場合は、取っておいて頂けると、助かります。
しばらく、マグメールに居る予定を立てていますから」
うさぎのぬいぐるみの頭を非常に不器用な手つきで撫でながら、
少女はそう口にした。
「しっかり、そうやって紙に記録されているのですね」
ページを捲る老婆を眺めながら、少女は大して抑揚のない声をあげる。
もししっかりとした感情の宿っている少女だったのなら、きっと感嘆の声色を
見せていたことだろう。
ややあって、少女はコートの中から小さな袋を取り出した。
中には金が入っているようであった。
それが普通の人形であったとしても、なかったとしても。
既にこのぬいぐるみを買う気で居るようであった。
■スー >
「妥協、ね。この店に、光るものがあるといいね――お嬢ちゃんとって、その人形のように」
ぺらぺらとめくり、手を止める。
「呪いの人形とか言われてたものみたいだねぇ。不気味だから引き取ってほしい――そんな流れか」
記録――それを読み取り、指で文字をなでれば文字が光った。
ログが老婆の頭の中で流れる――
「あぁ、文字は雄弁、だからね」
ルーン。文字を使った魔術を得意とする老婆の――
「値段はいいさ。妥協なんだろ。お得意様になることを願って、今回は”優遇”したげるよ」
くつくつと微笑み――
「また”遊び”においで」
■ウルフェラ > 「疑問。このぬいぐるみは、発光しては、いませんが」
やや不器用な動きで小首を傾げる少女。
老婆の顔とぬいぐるみを交互に見やった後に、ぬいぐるみと顔を突き合わせてみたり、
ぬいぐるみのおしりをつついてみるなどして、これまた、とてもぎこちなく
肩を竦めた。
呪いの人形、という言葉を聞いて、少女はまたニ、三度瞬きをする。
少女は呪いやら呪術やら、そういったものに詳しい訳ではなかった。
しかし、かつては『識っていた』のかもしれない。
何にせよ。このぬいぐるみには、惹きつけられるものがあった。
失われた筈の記憶《データ》が、このぬいぐるみを求めていたのだろうか。
考えられない話ではない。そう考えた少女は、改めて金を払おうと
袋を開けるのだが。
文字は雄弁、と言う言葉を聞いて、文字が喋るのだろうか、と疑問符を浮かべ
ながら、少女は続く言葉に目を見開く。
それは、初めて見せた、感情を感じさせる動きだったかもしれない。
「……驚愕/感謝。ありがとうございます、店主さん」
ぺこり、と深く深くお辞儀をする少女。
ぬいぐるみを抱えながら、少女は踵を返す。
少女は去り際に振り向いて、最後にこう挨拶を口にした。
「出発/挨拶。私はウルフェラ、と言います。また、来ます。それでは」
重々しいケースを背に、ウルフェラと名乗った少女はうさぎのぬいぐるみを
不器用な手つきで撫でながら、店を出ていった――。
■スー >
「――吟遊詩人の割には、”語り”が苦手そうだ」
細い目をより細くして――
「もう少しいろいろ勉強するといいさ。”話”を覚えればもっと素敵になりそうだよ、お嬢さん」
ぱたんっと手帳を閉じて。驚いた顔を見れば――……
「そんな風に”表情”でも語れるようになればね」
吟遊詩人。
歌がうまい、それだけでは意味がない。
その歌に何が載せられるのか。
次は聞いてみたいもんだと、つぶやきつつ――
「スー、だよ。股のお越しをお待ちしてるよ――」
振り向いた先。
そこはまだ明るかったが、少女がそう呟けば。
扉が閉まると同時に暗くなった……
ご案内:「骨董屋 影の国」からスーさんが去りました。
ご案内:「骨董屋 影の国」からウルフェラさんが去りました。