2016/10/11 のログ
ご案内:「宵闇城キルフリート・外庭園」にロザリアさんが現れました。
■ロザリア > 今宵城が出現したのは、人間達の領内
近く、とは言えないが街の灯りも見える
これならば、宵闇城の噂を知る冒険者などが夜の間に訪れることもあるかもしえない
ここのところ、城そのものが吸血鬼であるキルフリートも腹を空かせ目覚めていた
多くの"餌"を釣るには、人の国の近くに出現するのが良い
「…この美しい星空だけは、魔族の国では見ることが敵わぬな」
そんな城の城壁の外庭
黒紅のドレスを揺らして少女が歩く
■ロザリア > タナールにアンデッドを放ってからというもの、城への雑務が続いた
珍しく素直に城が"起きた"ためにこうやって出てきたのだ
魔族の領内だけでは散歩すら飽き飽きしてしまう
白薔薇を踏み散らすようにして歩き、遠くに見える街の灯りを眺める
あそこにはどれほどの新鮮な血袋があるのか…
直接向かって手折るも一興、とはいえ一度それで痛い目を見ている身である
旧神の加護の残る人間達の国では、魔王を御する魔力すらも抑え込まれてしまう
よって、ヴァンパイアにとって必須となる血液の確保は、
可能な限り餌を"呼び込む"ことになる
そのために、夜な夜な現れる漆黒の城には膨大な宝が眠る、
などという眉唾ものの噂を人間達の暮らす街に流すなどという小細工もした
「…吾ながら稚拙、滑稽な細工であるな…」
それでも冒険者達が訪れるのだから、苦労はないのだが
ご案内:「宵闇城キルフリート・外庭園」にイニフィさんが現れました。
■イニフィ > 夜更けではあるのだが、少し目が冴えたために妹と従者に無理を言って、外に散歩に出てきた。
マグメールからそれなりには慣れている場所に来たのは、単純にどこか、星が見える場所は無いかな、と。
そんな単純な考えで、夜道を散歩していた。
気がついたら、王都の郊外まで来てしまっていた。
さすがに此れはまずい、と頭をかいて、手っ取り早く帰るために、夜の姿に紛れた。
その、夜空の散歩中。
「おっとぉ………!?」
激しい魔力を感じた。
今まで其処には何もなかったはずの、その場所に突如、大きな魔力が出現した。
城からはずいぶんと離れているけれども、こんな何もない場所にいきなり魔力が現れる。
こんな『面白そうなことを』、イニフィが黙って見過ごすはずが無かった。
その、夜空の散歩を一時中断してゆっくりと飛翔する。
すたん、と言う軽い音を立てて、その淫魔は城の外庭へ降り立った。
ロザリアの視界に入る、その位置に。
「……はぁい、こんばんわ♪」
気軽に、その姿のままで。
イニフィは軽く右手を上げて、会釈を投げた。
■ロザリア > 「……?」
城に気づいた人間がやってきたにしては随分と速い
何より匂いが違う、はて、人間の国の近くに来たと思っていたが
「客が来た…かと思えば、魔族か」
翠の瞳をそちらへ向けて言葉を返す
「人間の国に隠れ住んでいるのか?物好きであるな」
一瞥し、そう言葉を投げかけた
■イニフィ > 魔力を隠して、そしてそのまま貴族として潜りこんでいる。
勿論、気づいたのはただの偶然だ。
物好きだな、といわれるとそうとしか言いようがない。
何しろ、人間が好きだという事は魔族の中では、相当な物好きの証だろう。
「まあね、物好きなのは自覚してるわ。
んふふ、人間って案外面白いわよ、欲望に忠実だし。」
指を口に当てて、ウィンクしながら笑いかける。
そして辺りを見回し、この白がなんなのかを、イニフィは理解した。
吸血鬼、である。
「…すごいわね、これもしかして貴女が建てたのかしら?」
城が一つ、丸ごと魔力で包まれているような感覚。
イニフィも、普段は隠しているが相当高い魔力を持ち合わせている。
それでも、この城にしてみたら、取り込むのは簡単なほうなのかもしれない。
魔王に匹敵するほどの魔力ですら、届かないほどの魔力。
「………お名前、聞いてもいい?
私はイニフィ、人間界だと、イニフィ=ヴァンシュタイン=ニンフェンブルグって名乗ってるの。
長ったらしいから、イニフィでいいわよ?」
■ロザリア > 「見飽きぬうちは面白い見世物であると同意しておこう」
人間に対する皮肉を孕んだ言葉を返して、その視線を外す
「…いや、元よりヴァンパイアの住処であった古城を吾が下僕とし血を与えた。
今では嗜好にも煩い、立派な吸血鬼であるぞ」
そう言って、そのひんやりとした城壁へと手を触れる
心臓の鼓動こそはないものの、脈動する魔力の流れを感じる者ならば感じ取ることができる
「………ふむ、吾はロザリア。この宵闇城キルフリートの城主だ」
馴れ馴れしい娘だ、と内心思いながらも自身の名を明かす
■イニフィ > 「それがなかなか飽きないのよねぇ、可愛いのもいるし?」
皮肉をあっさりと、右から左へと受け流していく。
実際、イニフィとして見たら人間は大事な食料でもあり、ペットのようなものでもある。
だからこそ、見てて飽きるなどという事も無い。
皆、反応が違って面白いし、中には魔族に従順な僕になる子もいることだから。
「あら…、其れでか。
いやぁ、飛んでさっさとマグメールに帰るつもりだったんだけど、なんかすごい魔力を感じてね。
……でも、いいのかしら?こんなところに城を構えて…。」
吸血鬼そのものだという城。
中に入ったら、人間の血を丸ごと吸い尽くしてしまいそうな向こうの入り口を見ながら、イニフィは笑った。
しかし、人間買いに近い場所だと、旧神の加護とやらが働いて力を抑え込まれる。
イニフィは、それを逆手にとって人間界に潜伏しているわけだが。
「…キルフリートねえ……?」
聴いたことは、一時期ある。
確か、沢山の財宝を内包している、夜にのみ現れる城の話。
以前、旅行者だったころに噂好きの男から、そんな話を聴いた。
シチュエーションはほぼ同じだが、本当にそれかどうかは正直判断が付かなかった。
何しろ、噂程度のものだったが故に。
■ロザリア >
「あくまでも本体は魔族の国の外れに在る。
言うなればこの姿は虚像、向こうの門から入城し外へ出れば魔族の国に出ることができるぞ」
試してみるか?と小さく笑い
「人間の国に潜伏しておるならば名くらいは聞いたこともあるやもしれんな」
当然財宝もあるし、人間にとって価値の高い武具等も内部に保管されている
中にはそういったもの目当てではなく、ヴァンパイアを狩るハンター達が訪れることもあるが
■イニフィ > 「あ、なるほど……。
んー、別に構わないけど…今はお母様に会いにいく用事も無いしね?」
魔族の国に行っても、魔族であるイニフィにとってなんら害はない。
そればかりか、場所にもよるがこっちに帰ってくるのに、時間がかかってしまう。
すぐに帰るから、と無理矢理説得した妹や従者を待たせるのは、あまり賢くは無い。
逸れに、明日も確か何かしらの会議がある、とかいっていたし。
「嗚呼、冒険者の関係でね?
って言っても噂程度だし、細菌は人間のほうの町も、結構難しいのよ。
まあ、貴方みたいな魔族には朗報かもね?」
最近、タナール砦のほうで王国最強といわれた師団が、壊滅的な打撃を受けた。
つい最近までなら、魔族が攻めてくるかもしれないだとか、そういう話はあった。
しかし、最近では静かになりつつある。
といっても、貴族の間ではいまだにその師団をどうするか、と言う話で持ちきりだった。
8割が解体を訴え、2割が存続という名前の飼い殺しを提案している。
「…って言っても、ロザリアちゃんみたいな魔力を持ってたら、人間なんていちころでしょうね?」
■ロザリア >
「成程、其れでは戻って来れねば困ろうな」
くすくすと笑みを零して
「まぁタナールもまだ人間に占拠はされておるまいし、戻ってくるのも容易いであろうが。
…おや、人間の国で何か面白いことでもあったのか?」
自分の手によるタナール陥落と第七師団壊滅の影響であるとは思わずに、つい尋ねる
「無論。…存分に振るうことができればな」
旧神の加護も含め、人間達の退魔技術や策を侮ることはできない
過去痛い目を見たこともある、それから幾人もの魔王の血を飲み魔力を高めたとあっても、である
■イニフィ > 「まあね、あんまり遅くなって心配かけるのも悪いしね?」
ちなみに、妹は元々人間であった。
だが、とある淫魔に呪いをかけられ、そののろいを媒介に、自分が魔族に仕立て上げている。
自分の思うままに、王族や貴族を手篭めにしている、在る意味魔性といってもいい、妹であった。
「あー……、当分は無理でしょ。
何でも、王都で一番強い師団が壊滅させられたって言うし…。
それが、対魔族用師団だったらしいからねぇ。」
まあ、私にしてみたらそんな師団に目をつけられなくなっただけ、更に人間界に住みやすくなったわけだが。
いくら魔力を隠しているとはいえ、気づかれてその師団を相手に出来るかどうか。
「なら、気をつけたほうがいいわよ。
人間の中には、魔族よりも強い人間がいる場合もあるしね?」
やはり、彼女とて人間界では存分に力を振るうことは出来ないか。
力の強い彼女であっても、やはり神の加護には勝てないという事か。
■ロザリア >
「ふむ…あの程度の戦力で最強であったというなら、
今しばらくは魔族の国への侵攻などはありえぬな」
成程、手練ではあったと思ったが、最強の一角であったとは思わなかった
あのオーギュストという男の行方が知れないという話を部下から聞いていたが、
必死の捜索でも行われている最中なのだろうか?
「…ただの人間、の中にいるならば会ってみたいものだな」
そう言って僅かに眼を細める
魔王を喰らいそれ以上の力を手にしている吸血姫に少々の好奇心が生まれる
■イニフィ > 「……ん?
まあ、そりゃね。いくら好奇心旺盛な人間って言っても、早々魔族の国には攻め込まないでしょ。
魔王クラス、特に大罪軍なんかは、人間じゃとても太刀打ちできないわよ?」
なんだろう、少し引っかかる。
あの程度、と言うロザリアの言葉に、イニフィは少しだけ首をかしげた。
まるで何かを知っているような、そんな口調。
師団長オーギュストの捜索は、早々にして打ち切られた。
貴族のものが良しとしなかったため、編成すらされなかったのだ。
もっとも、一部のものはそのものを探して個人的な調査に乗り出しているようだが。
「相当なレアケースよ?
人間の中には、ごくごくまれにそういうのが生まれるけど…。」
イニフィは、あいにくそのようなものを見たことがなかった。
魔族の大きさで言えば、ミレー族が逸れに該当するだろう。
しかし、そのミレー族ですら、イニフィでもあしらえるほどの魔力しか持たない。
本当の、突然変異でもなければなかなか、難しいのではないだろうか。
■ロザリア >
「第七師団だとかいう連中は少なくとも魔族の国に幾度か侵入していた。
我が城下を荒らされたこともある、仕置の意味も込めてタナールで蹴散らしてやったのだが、
…命知らずは少なからずいるということだ」
まぁ、以前の砦での出来事が波紋となっているのなら、
相応に人間界で影響が生まれているのだろう
「稀有であってもらわねば困るというもんだ。
以前邂逅した男も、人のようで竜の混血であったな…純正の人間でもそのような者がいるのか?」
■イニフィ > 「………あ、そういうことね…。」
今、はっきりと理解できた。
タナール砦で第七師団を陥落させたのは、紛れも無くロザリアだ。
なるほど、彼女の力ならば最強と詠われた第七師団も、形無しだっただろう。
だが、生死不明の師団長というからには、捕らえられたという事は無い、か。
確か、タナールは今不死モンスターの住処になっている、とか言う話だが。
「いるみたいよ?
なんていったかしら、周りの穢れを集めて、それを力に変えるなんていう離れ業をした女の子もいたしね?」
故に、魔王を凌ぐものが一人くらいいてもおかしくはない。
じゃないと、勇者とよばれた人物に舞おうが斃される、などという事も起こりえないのだから。
「さてっと…長話しちゃったわね…。
私はそろそろ帰るわ、あんまり遅いと、妹が心配するの。
もし、そっちに来ることがあったら教えてね、歓迎するわよ?」
軽いウィンクをしつつ、翼をはためかせる。
2対四枚の羽は、飛行するのに十分な力を備えていた。
「あ、私の魔族の名前は、インフィニティア・レガーシ・ルフィルレートよ。
んふふ、また会いましょうね、ロザリアちゃん?」
そして、そのまま夜の闇へと消えていった――――。
■ロザリア >
「穢れを集めて──?」
ただの人間にそのような力があるものだろうか
という疑問は一先ず置いておく
「夜遊びが過ぎる貴族もあるまい、冒険者達が城に集まる前に去るがよい。
……ふむ、では考えておこう。インフィニティア嬢」
せっかく名乗ってもらった名を呼びつつ、夜の闇へと消え行く彼女を見送りながら
「……ちゃん付けはやめよ」
そう闇に向けて呟いた
ご案内:「宵闇城キルフリート・外庭園」からイニフィさんが去りました。
ご案内:「宵闇城キルフリート・外庭園」からロザリアさんが去りました。