2016/09/11 のログ
ご案内:「王都富裕地区 フェリサ邸」にアダンさんが現れました。
ご案内:「王都富裕地区 フェリサ邸」にマリエルさんが現れました。
アダン > ――王都マグメール、富裕地区。
いくつもの貴族や王族の邸が軒を連ねる区域に、それはあった。
建国の祖である“諸王”に連なるというフェリサ家は、貴族の中でも伝統ある家門である。
かつては王族であり、政治的な配慮で臣籍降下したものの、その影響力は未だ強い。
現当主のアダンは王都の内政や貿易、治安維持などに関わり、表向きは華々しい業績を誇っていたが、良い噂はされない人物である。
名門という力を背景に、そして自らの能力も加え、好きなように欲望を満たし続けていた。
王都の王族や貴族、街人は勿論のこと、時には地方都市まで赴いて、貴族の娘などを陵辱しては子を成すこともあった。
大体はこちらに連絡など来るはずもなく、その子どもと出会うこともないのであるが。

「……さて、今日はどうするか」

アダンは屋敷の玄関を抜けてすぐの広間にいた。
椅子に腰掛け、紅茶を啜りながら今日は何をするかを思案していた。勿論、欲望を満たすための思索である。
特に今日は職務があるわけでもないため、選択肢はいくらでもあった。

アダンの邸には門番がいない。
それは、こちらに獲物を招き入れるためのわかりやすい罠である。
この邸内部では様々な陵辱行為が行われてきた。敢えて危険を晒しているのも、それなりの手段があるからである。

マリエル > ――――己の存在は如何やら、誰にも歓迎されていないらしい。

幼い頃から、祖父をはじめとした屋敷の人間すべてに、
まるで居ない者のように、あるいは面倒なお荷物のように扱われ、
誰にも愛されていない、と嘆くゆとりさえ与えられなかった。

其の、すべての元凶たる存在の名が記された紙片は、幾度と無く
己の掌の中に握り締められた結果、とうに襤褸屑と化している。
けれど、――――もう、此れの役目は終わっている。

「――――見つけ、た…。」

己を組み敷こうとした祖父の口から、憎々しげに飛び出した名前。
其れが己の父親の名前、己の母親を弄んだ男の名前。
――――其の男の屋敷を前に、弥が上にもある種の昂揚に鼓動が弾む。

伝統ある名門貴族の名に相応しい、瀟洒な外観。
王都に辿り着いて数日、既に其の屋敷の主について、
ひとつふたつ、良くない噂すら耳に届いていたけれども。

油断無く周囲へ視線を巡らせたのは、門番の姿を探す為。
いっそ無防備な程に他者の侵入を許す在りように、僅か、
不審を抱かぬでも無かったが――――もし誰かに呼び止められたなら、
其の場で大声で名乗り、男を糾弾してやれば良い。
胸元で掻き合わせたマントの生地をぎゅっと掴み締め、
大きく踏み出した足で門扉を潜る。
真っ直ぐに玄関を目指し、扉を肩で押し開けて――――中へ。
背後にした扉が閉じるのも待たず、きっと顔を上げて口を開き。

「フェリサ、――――アダン・フェリサ!
 何処に居る、―――――出て来い、此の、恥知らず……!」

搦め手など思いつきもしない、小娘の第一声であった。

アダン > ――穏やかな一日の始まりは、一瞬にして崩れ去った。
ただし、それはアダンにとっては良い事であったのだが。

今日は来客の予定は無いはずであった。
だが、アダンはギイ、と玄関の戸が開く音を聞いた。
流し目でそれを眺める。突然の闖入者は今までも例がなかったわけではない。
アダンは異常なほどに落ち着きを払ったまま、来客者を見た。

自身の名と、恥知らず、という声が広間の内部に響き渡った。
現れたのは一人の少年――いや、少女だった。
金の髪に紫の瞳。かつて、見たことがあるような容姿ではあったが、アダンは彼女を知らなかった。
ただ、その様子からしておおよその察しはついた。
怨みを買うというのは、アダンにとっては日常のことである。

「……私がアダンだが。君は誰かね、お嬢さん」

ゆっくりと立ち上がり、口角を吊り上げながら彼女と相対して、そう言った。貴族に対してのこのような発言は罪に処させる事が多い。
誇り高い貴族ならば、激昂することもあるだろうが、アダンは嫌に落ち着いていた。
どのような目的があるにしろ、この邸に軽々に入ってしまったのは彼女の失策だったといえる。ここは彼の城も同然だ。
アダンの屋敷の内部は絢爛である。見れば見るほど、アダンが何不自由なく暮らしていることが理解できるだろう。
権勢を極め、罪を犯したとしても、それによって罰せられたりはしていない。

アダンは、その少女を「歓迎」していた。
相手がなんであれ、今日の予定は決まったようなものだからである。

マリエル > ぶかぶかのマントを着込んだ己の第一印象は、
何処ぞの浮浪児が紛れ込んだよう、というのが正確であろう。
然し、己は自らの手でフードを後ろへ弾き、黄金色の髪と、
曇りの無い紫の瞳、存外に白くすべらかな頬を曝け出そう。
――――何もかも、己が、母親から受け継いだものだ。
相手が其れらを記憶に留めている確証など、何処にも無いのだが。

「――――貴様が、……」

ぐるり、巡らせた視線の先、優雅な所作で立ち上がる男の、
奇妙なまでの落ち着きぶりに嫌な予感を覚えるには、
己はあまりにも幼く、世間知らずなままだった。
祖父の恨み言を信じるならば、目の前の男が、己の父親である筈。
――――其の、一点にばかり気持ちが集中していて。

「ロンバード伯爵令嬢、エリザベート。
 ――――幾ら貴様が恥知らずでも、此の名前ぐらい、覚えているだろう?」

其れが、己の母の名前。
憎々しげに双眸を眇めながら、マントの胸元を更に強く握り締める。
そうしていないと、今にも心臓が暴れ出してしまいそうだった。

「貴様が散々慰み者にして、捨てた女の名前だ。
 金にモノを言わせたか、家名をたてに沈黙を強いたか、
 ……貴様に弄ばれた女の末路も知らずに、……」

こんな、贅をつくした暮らしぶりを。
其処で一旦唇を噛み締めたのは、込み上げそうになる嗚咽を堪える為に。

アダン > どこかで怨みを買ったのであろう。見た目の年齢からすれば、アダンに直接というよりはその両親がアダンによって貶められたか。
それ自体はよくあることであった。毎月のようにアダンは暗躍して、様々な家を罠にかけ、没落させてきたのだ。
その娘がアダンに怨嗟の感情を抱いて向かってくるというのも、わからない話ではない。
だが、彼女がフードを脱いだ時、アダンは多少の驚きの声を上げた。

「――ほう」

浮浪児のような姿をしていたのに、その容貌はどうであろう。とても街の浮浪児とはかけ離れている。
黄金に輝く髪、宝石を思わせる瞳、白い肌――それは、ある女性にとても良く似ていた。
そしてまさしく、その女性の名が彼女の口から述べられた。
かつてアダンは地方都市に向かった際に見かけた見目麗しい少女。
罠にかけ、滞在期間中容赦なく陵辱し調教し続け、何度も種付けを行った。
直接小悪党のようにあからさまに脅したわけではなかったが、アダンは王都でも有数の名家の出。告発などできるはずもなかっただろう。
結果、アダンが去った後に少女は泣き寝入りするのほかなかったはずだ。その少女と、彼女はよく似ていた。

まさに、瓜二つといってもよかったかもしれない。その性格は大きく異なっているようではあったが。
彼女は激情に任せて言葉を投げかける。その様子はひどく哀れなものだったが、あいにくアダンにそのような感情は存在しなかった。
ただ、如何にこの少女を辱めるか、ということに思考は移る。そして、彼女の言と容姿からすれば、ある一つの答えが導き出される。
それは、アダンをより興奮させるものだ。

「なるほど、ロンバート伯の。……ああ、勿論覚えている。とても良い具合の娘……肉便器だったからな。
 いや、亡くなったという話は聞いている。妾として迎えてやってもよかったのだが、惜しいことをした。
 そうなると……お前は」

相手が何であるかはもう既にに理解ができた。
明確に、「肉便器」などと呼び、彼女の感情を更に昂ぶらせようとしていく。
それだけでどれほどの仕打ちをしてきたかが言外に想像されるだろう。
思い出すように、尻を叩かれれば喜んだだの、宿泊先の屋敷で何度も躾けただの、相手が聞きたくもないようなことをペラペラと述べる。

「――私の娘か。子供ができていたなどとは知らなかったが……どうした、父の顔を見に来たか。
 それとも、復讐にでも来た、というわけかね? ああ、母親によく似ている。名前をいうがいい、我が「娘」よ」

下卑た笑いを隠そうともせずに、およそ常人では言えないような、悪徳に満ちた台詞を吐きつづける。
相手はこれまで、かなりの苦しみに耐えてきたのは想像できる。その母親の末路も良いものではなかったのだろう。
だが、アダンはそれが何だと言わんばかりに平然としていた。悪魔より悪魔じみた所業である。とても、十数年を経て初めて開口した実子に対する態度ではない。
一歩二歩と彼女に近づいていく。

マリエル > 幽閉されていた、とは言え、己も貴族の娘には違いない。
相手の身に着けたものが生地も仕立ても極上の一品であることも、
部屋の調度にどれだけの金が掛けられているものかも、
ぼんやりと、ではあるが察しがつく。
いまや、此の男が其れらを手に入れ、あるいは維持してきた手段すら、
疑う余地も無く『理解』出来た。

相手の記憶に在る娘と同じ色の髪、瞳、肌、けれど母は祖父に溺愛され、
大切に大切に育てられた、いわば深窓の令嬢だった。
降り積もったばかりの新雪の如き彼女を踏み躙るのは、
相手のような男にとって、さぞかし心地良いものだったろう。
此方の容姿からか、其れとも母の名を聞いて初めて、其の記憶が蘇ったか。
明らかに己を挑発する色を滲ませた物言いに、然し、己は容易く頬を染める。
鮮やかな朱の色は羞恥では無く、母を貶められた屈辱の色だ。

「…そ、のような、下品な言葉、……何処まで、恥知らずな男だ…!」

妾として迎え入れる心算が在ったなど、間違い無く嘘だろう。
所詮は地方領主の娘、こうして王都に居を構える男にとって、
たとえ妾としてでも、娶る価値など無い筈だ。
そもそも、僅かでも情を残した相手を、肉便器、などと貶められる訳も無い。
つらつらと並べ立てられる『調教』の記憶に、ふる、と大きく左右へ頭を振って。

「やめろ、――――やめろ、聞きたく、ない……!
 母は、…母は亡くなったんだ、貴様の所為で、貴様が、貴様が、……っ、」

――――ぎく、と肩が強張った。

激昂するままに彼女を『母』と呼んでしまった己ではあるが、
相手から己を『娘』と呼ばれると――――嗚呼、矢張り祖父の言葉は真実だった、
と絶望的な結論を噛み締めると同時、不意に、背筋を明らかな恐怖が駆け上る。

己は確かに、此の男の血を引いた娘なのだ。
父親であること、母を辱めたことを、あっさり認めた此の男に、
今更、怯える必要など無い、筈なのだけれど――――

「……貴、様に……名乗る、名など、……

 ――――来る、な、…こっちに、来るな…っ…!
 近づくな、…貴様に、娘と、呼ばれる、など、…む、虫唾が、走る……!」

どん、と背中が硬い扉に受け止められてしまい、
初めて、己が無意識に後ずさっていたことに気づく。
振り仰いだ男の顔は相変わらず、ひどく悪辣な笑みを浮かべていて。
両親に愛された記憶の無い、世間知らずの己にも、其の笑顔が、
実の娘を歓迎する、あるいは、十数年放っておいた実の娘に詫びる、
――――そんな表情で無いことだけは、はっきりと知れる。

来るな、と投げつけた言葉の礫に重ねるよう、羽織っていたマントを脱いで、
男に向かって投げつける。
たっぷりした布地が相手の足を止めるかどうか、結果を確かめもせずに
背後の扉へ飛びつき、ノブを回して開こう、という心算で。

アダン > 意気込んで、アダンに一言浴びせてやろうという心算だったのか。
最初の威勢はよかったものの、アダンがあけすけと『調教』のことを語れば、彼女は面白いように顔色を変える。
その『調教』の結果、自身が生まれたということなのだから、そうもなろう。
彼女の母を平気で肉便器などと呼び、情欲の対象としてしか見ていなかったことを暗に告げる。相手の屈辱を更に深めようと。
そこに愛などはなく、ただ男の欲望のままに、伯爵令嬢は犯されたのである。
彼女の想像通り、妾として迎えるつもりなどなかった。
いや、あったにしても、それは調教と陵辱の対象ということである。屋敷の中で躾けられる日々が続くだけになるだろう。

「ほう、やはり娘、か。母親のことはどこまで聞いている? 私の事は誰から教えられた?」

彼女の口ぶりからすれば、母親が辱めを受け、孕まされた程度のことしか知らないのだろう。
こちらの名を知っているということは、おそらくは親族の誰かが口を滑らせたのだ。
その結果、アダンは『娘』と出会うことができたのだから、僥倖であった。
彼女が後ずさる様子を見て、薄く笑う。尋ねたことにあまり意味は無い。もう『娘』であることは確定したのだから。

「父に名を名乗らぬとは、なんとも躾のなっていない娘だ。私が直接仕置きをしなければならんようだな。
 しかし、どうした。何故逃げる。わざわざここまで来ておいて、恥知らずと罵るだけか?
 私を殺しに来た、ぐらいは言ってもらいたいものだ。ああ、その扉は開かん」

来るなとこちらを拒絶し、マントが翻ってアダンに投げつけられる。
アダンはそれをさして避けるわけでもなく、適当にあしらう。彼女が逃げようとしているのに急いでいる様子もない。
彼女が背後の扉に飛びついてノブを回そうとするが――それが開くことはない。
この邸はアダンの城。連れ込んだ女を陵辱するための仕掛けに満ちている。仕掛けられた魔導機械がアダンの意志に反応して起動し、扉は堅く閉ざされた。
アダンでなければ、開けることは叶わない。
悠然と彼女の側までいくと、その巨体で見下ろす。かつて、母親にそうしたように。

「……仕置きと調教。陵辱。父親としてしっかり教育してやるとしよう。
 あの淫乱で被虐体質だった肉便器の血を引いているわけだ……つまり、わざわざ私の肉便器になりにきた、そういうことだな。
 お前の使い道は、まさにそれに尽きる……な!」

そう強く言い放つと、彼女の服の上からその尻を撫で、ぐっと掴む。
マントがなくなったためによりやりやすくなった――アダンはそのまま、手を振り上げて、彼女の尻を平手で打った。
一度や二度ではない。何度も何度も、その尻を打ち据えていく。
それは痛みを主としたものではなく、恥辱と被虐の快楽を導かんとするものだ。
実の娘を肉便器などと呼ぶ。通常の精神ではありえない。それは、娘に母親と同じような仕打ちをするということだ。

マリエル > ――――何を目的にして、『父親』を訪ねようと思ったのか。

生娘を孕ませて責任のひとつも取らない恥知らずの顔を、
とくと拝んでやりたい、と思っただけだったか。
罵声のひとつふたつ、浴びせてやりたかっただけなのか。
――――己自身、出奔した時も、そして今も、本当のところはわからない。

けれど今、己がすべきこと、しなければならないことだけは、はっきりしていた。
此の男は決して、己の母にした仕打ちを悔いてなどいない。
母に情を抱いたことも無く、此の男にとっての彼女は、ただの女―――
否、其の言葉が示す通りの、最初から最後まで、ただの肉便器だったのだろう。

そんな男に、父として期待出来るものなど何も無い。
祖父が口汚く罵っていたのも、孫娘である己を厭わしく思っていたのも、
成る程、無理からぬことでは無いか。
己の父は、父と呼ぶのも憚られるような輩だったのだ。
だからもう、其れを確かめた今はもう、――――

「煩い、知らない、貴様に話すことなど、もう何も、――――

 ――――……なん、…な、…っ、っ……!?」

がちゃがちゃと虚しく音を立てるばかりで、豪奢な彫刻を施されたノブが、
くるりと回る気配は無い。
どれだけ指に力を籠めても、いっそ体当たりで、と肩をぶつけても、
――――どうして、と呟く己の頭上から、己を丸飲みしてしまいそうな程、
暗く、大きな影が落ちた。
男の形に広がる暗がりの下で、ぎこちなく相手を振り返ろうとした己の顔は、
きっともう、明らかな恐怖に蒼く凍りついていた筈。
然し、己が『父』の顔を再び視認するより早く、マント同様、
やはりぶかついた膝丈のパンツに包まれた双丘へ、男の手指が深く喰い込んだ。

「ッきゃ、――――……っな、にして、

 ―――――っい、……っあ、きゃあ、っ……!!」

肉便器、という言葉の意味するところを、正確に認識出来ているとは言えない。
けれど少なくとも目の前の男が、己を母と同じ、あるいは其れ以下の存在に、
貶める心算である、ことだけは、はっきりとわかってしまった。
まるで果実の熟れ具合でも確かめるように、無造作に触れた掌が離れ、
鋭い破裂音と共に、熱い衝撃が襲ってくる。
一度ならず二度、三度、己が悲鳴を上げて身を捩ろうと、
手足をばたつかせて男の手を阻もうとしても、――――むしろ、
そんな抵抗こそ罪悪であり、懲罰の対象である、と言わんばかりに。

「やっ、……やめ、やめろ、……いや、やだっ、や、もう…っ…、

 ――――やめ、て、痛い、いや、ぁっ……!!」

激痛は次第に痺れたようにただの熱感に変わり、尻朶が焙られたような熱を孕む。
ただの痛みならばきっと耐えられただろう、叶わぬまでも反撃ぐらいしただろう。
けれど、――――父が娘に対して行う躾とは明らかに違う、
主が、聞き分けの無い奴隷にするような打擲を、繰り返されて、繰り返されて。
抗う声は次第に嗚咽交じりに、高く、細く掠れてゆく。
きつく瞑った眦にはとうに、涙の粒が浮かびあがっており。
激しく頭を振って、やめろ、では無く、やめて、と――――無意識のうちに哀願しながら。
膝から其の場へ崩れ落ち、震える身体で無様に床を這い、
扉に背中を押しつける格好に逃がして、せめて、其れ以上の打擲から逃れようと。

アダン > 「何、十数年放っておいた娘だ。しっかり躾をしてやらんとな。「責任」を取って、しっかり雌として調教してやろう」

少女の悲鳴が上がる。少女には大きすぎるパンツの上から、スパァン、スパァン! と音を響かせて、アダンは尻を打ち続ける。
抵抗しようとすれば、尻叩きはより苛烈さを増す。相手の身体の芯を震わせるような、そんな刺激を与え続ける。
その間にも、躾だの調教だのと、実の娘に向けるはずのない言葉をかけていく。
父親の資格などないはずなのに、責任なども述べる。それは、暗に彼女への種付けをも示唆していた。

「よく似ている。確か、お前の母親もそういう反応だった。
 しっかりこうやって仕置きをしたわけだが、すぐに喘ぎはじめてな。まあ、元より肉便器の才能があったということだろう。
 そして、お前もな」

思い返すようにそんなことを言う。彼女はそれが事実か判断することはできないだろうが、アダンは回想のように語っていく。
尻叩きを一旦やめ、尻肉を掴んで揉んだ後にまた尻を叩く。その繰り返し。彼女が男に使われる存在なのだと教えこむように。
やがて彼女の声は嗚咽混じりになり、掠れていく。目尻からは涙が溢れるが、アダンはそれを見て更に興奮を増したようだ。
アダンに人間的な情感を求めることなど、最早意味は無い。懇願さえも、情欲の対象にしかならないのだ。
かつて調教した彼女の母親の続きを、彼女で行うことにアダンは決めた。

やめて、という哀願の後に、娘は震えながらその場に崩れ落ちた。
いきなりの尻叩きは堪えたのだろう。もっとも、これはまだ序の口である。
扉に背を押し付け、尻を打たれまいと懸命の努力をする様子をアダンは面白そうに眺めていた。

「ダメだ。お前は私の肉便器だからな。母親のように尻を叩かれて潮を噴くまでにしてやらねばな。
 しかし、色気のない服だ。フェリサ家の娘にはふさわしくない。後でちゃんとした雌としての服をやろう。……脱げ」

彼女を見下ろしながら、冷酷に言い放つ。父親の前で、だぶついたパンツを脱げと言うのだ。
勿論アダンとしても、それで素直に従うとは思ってはいない。自らその場にかがんで、彼女の服に手をかけ、パンツを脱がせようとしていく。
その間にも服の間に手を入れ、股間を覆う下着と、その中に触れようとしていく。
抵抗があれば、身体を無理やりよじらせて、当然また尻を叩き上げられるだろう。

「ここではなんだからな。調教部屋に連れていってやるとしよう。母親が好きだった方法でな」

勿論母親が好きであったはずはないことはわかるだろう。
アダンが何かを思考すれば、それが魔導機械に反応して実現していく。
彼女のパンツと下着の間、つまり股下に不意に何かが出現する。
それは幾つもの球がついた数珠のようなもの。いわゆる股縄である。
それが一気に屋敷の奥に伸びていき、更にその高さが無理やり上がり始め、彼女を無理やり立たせ、下着と秘所に食い込もうとしていく。
冗談のような仕掛けだが、アダンの屋敷はこういったものが無数に仕掛けられている。

マリエル > ―――こんな『父親』なら、いっそ知らないままでいたかった。

どうしてわざわざ、自分から飛び込んできてしまったのだろう。
今更そんなことを悔やんでみても、時間が巻き戻る訳では無い。
一撃ごとに背筋を震わせ、脳髄まで揺さぶりをかけるような痛みは、
男がこうした『躾』に精通していることを如実に示している。

己が悲鳴を上げて身をくねらせ、逃れようとするほど苛烈に。
此れ以上は耐え切れない、というギリギリのところを見透かしたよう、
不意に熱を帯びた双丘を鷲掴み、揉みしだいて別の感覚を与えて。
そうして己が僅かに弛緩しかけたところを狙って、また打擲が始まる。
――――男の掌が打ち据えているのは、突き崩そうとしているのは、
己の身体よりも精神、矜持、抗う意志の方なのだろう。
そんなことに気づく余裕は、今の己には無い、けれども。

「いや、――――嘘、そんなの、嘘、っ……、
 わ、たしは、ちが……っ、そんな、――――いやっ、いやあ、…あ…!!」

己を生んで直ぐ亡くなった、伝聞でしか知らない母親だ。
男の言葉を否定する根拠など無く、抗う語尾が力無く震えてしまう。
実際の彼女が此の男の蹂躙に、どんな反応を返したのか。
自らを凌辱した男の子供を、従容と生み落とした、其のことが、
彼女の服従の意志のようにも感じられて。

泣き崩れるように其の場へ蹲った己の尻は、床に触れるだけでじくじくと疼く。
仰ぎ見た双眸は涙の中を泳ぐようで、視界はぼんやりと覚束無い。
いきなりの打擲に、怯え切った姿を晒す己を見下ろす男の目は、
何処までも冷やかで――――其れでいて何処か、悍ましい熱を湛えて見えた。
ひくん、と反らした喉が小さく震える。

「………い、…いや…。そんな、……いや、絶対、いやっ……、
 やっ、やめ…て、………やだ、離して…っ…!」

相手が普通の『父親』の顔であったなら、此処まで拒まなかったかも知れないが。
己を新しい玩具としか見ていない男の眼前で、どうして服など脱げるものか。
当然、己は激しく抗おうとしたけれど、―――打ち据えられて、
相手の服に比べれば、すっかり草臥れた服の生地が、呆気無く引き裂かれて。
瞬く間に清楚な佇まいの白い下着が露わにされ、無垢な秘部へ男の手が届く。
いや、と身を捩って啜り泣いたが、度重なる打擲のあいだに、
―――決して、快楽を覚えた訳では無い、筈だけれども。
触れられた秘部は下着越しにも、滑らかな質感と、仄かな熱を伝える。

恐ろしい、此れから己が此の男に、何をされるのかわからない。
わからないことが怖い、というより、ぼんやり想像してしまった、
其の『中身』が恐ろしかった。

「やだ、……ど、こにも、行きたく、ない、……帰る、

 ――――ッきゃあ、ん、やあっ……!!」

力の入らない身体を、不意に、ぐん、と持ち上げられた。
其れも、下着越しの秘部を、慎ましく閉ざされた秘裂を、ぐにりと割り開く圧によって。
ぎょっとして腰を浮かせれば、其の分だけ更に食い込む数珠状の異物。
ふらつく腰の揺らぎすら許さぬ、と言わんばかり、無理矢理立位を強いられて―――
チュニックの裾から覗く下着越しの秘部へ、ぐにゅりと股縄が喰い込む、という、
何とも卑猥で滑稽な体勢を強いられる。
せめて、と両手でチュニックの裾を引っ張り伸ばし、俯いて弱々しく頭を振って。

「や、……此れ、痛い、…っ…やだ、…――――」

もう、帰る。
そう泣きじゃくる己に、然し、もう帰る場所など無いのだが。
――――此の身を玩ぶ相手が、父から祖父に変わるだけ、である。

アダン > 「……やはり肉便器の娘だな」

元々対していい生地でもなかったのは明らかで、アダンによって服はあっさりと引き裂かれた。
清楚な白い下着が露わになり、アダンはそれを眺めていく。
下着越しに触れた秘所の熱を感じ、アダンは笑い、彼女にそう囁いた。
義理ではない、血がつながっている実の娘に対してそんなことを言うのである。

「帰る? どこに帰る場所があるというんだ?
 伯爵令嬢が陵辱されて生んだ子供――大方、どこへ行っても待っているのは肉便器としての未来ではないか」

彼女の祖父のことを知っていたわけではない。
ただ、このような姿に身をやつして、隠れ潜みながらアダンを探してきた少女である。
恐らくもう帰る場所などあるはずもない。そう予想した。
たとえ、アダンに罵声を浴びせて帰ったとしても、すぐに捕らえられるのが落ちであろう。
アダンは知らないことだが、捕らえられなくても、祖父による仕置きが待つことだろう。
自身の愛娘ではなく、陵辱されて肉便器として躾けられた娘が生んだ少女なのだから。
それを指摘するようにアダンはなおも囁く。

「この仕掛けはお前の母親も好きでな。散々これで刺激して、尻も叩いてやった。
 肉便器のお前も、きっと気に入るだろう」

事実かどうか不明な事をいいつつ、股縄によって強制的に立ち上がらされた彼女の尻を撫でる。
縄に付随した数珠状の球が秘所を割り開き、刺激していく。こんな状態で進めばどうなるかは想像に難くないだろう。
アダンは彼女の尻に食い込ませるように縄を後ろからつかみ、引き上げる。縄の高さは更に増して、秘所に食い込んでいく。
チュニックの裾からは下着が見え隠れする。縄のためにチュニックも持ち上げられているからだ。

「誰が隠せと言った? これからは暫くの間私の前で風呂も着替えも行うんだぞ。卑猥な様を私の前で晒せ。
 できの悪い娘を調教し、種付けをしていくのだからな――お前が帰る場所はもうあるだろう。
 この、父のところだ。わがままを言う娘はやはり躾をせねばな。良し、進め。ああ、後で母親についての面白いものも見せてやる」

ひどく残酷な事実をつきつける。暫くの間この邸で監禁調教するということだ。
アダンはそう言い放った後、再び彼女の尻を軽く何度か叩く。前へ勧めということだ。
縄についた球は彼女の秘所を的確に刺激するように作られている。
さらに、歩かせる便宜のためか、油のような物が塗られて、滑りやすくはなっている。
そのため慣れれば痛みはさほどでもないはずだが、この油には感度を増す効果がある。
勿論、アダンはそのような事は伝えはしない。感じてしまえば、それは肉便器の素質がある、ということになるのだ。

縄は邸の廊下、その奥に続いている。アダンは彼女を歩かせようとしつつ、調教のための部屋へと向かうのだった。
否、既にこの邸そのものが、彼女の調教の場であった――

ご案内:「王都富裕地区 フェリサ邸」からマリエルさんが去りました。
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