2016/07/22 のログ
ご案内:「とある宝石店」にサヤさんが現れました。
■サヤ > 「はぁ……警備というのは思ったより暇だな」
王都にある宝石店の店先で刀の頭に片手を置きながら、店前の道を歩く人々をぼっと眺めながらつぶやく。
店主が異国人ということもあり、珍しい品も扱う店内には常に何人かの客がいるようだが今のところ誰も問題を起こす様子はない。
「といっても、問題なんて初日だけだったけど」
この宝石店の店主に有名盗賊よろしく手紙を送りつけてきた泥棒は初日にあっという間にとらえてしまい、それ以降は惰性で警備を続けているようなものだった。
■サヤ > 店の場所が比較的治安のよい王都ということもあり、平和そのものの警備仕事だったが、問題が一切ないわけではない。
扱う商品が高額ということもあり、自分以外にも警備にあたる人間はいるのだが、当然というべきか彼らは皆男であり、時折欲にまみれた視線を向けてくるのはここに来た当初から気づいていた。
しかし、より問題なのは視線を情欲の視線を向けられることよりも、自分の身体がそのたびに期待するようにぞくりと震えてしまうことだった。
「はぁ……まったく、どうしたんだろうか、私の身体は」
今までも男に好奇の目で見られることはあったが、このような症状が出たのはここの店主に抱かれてからであることははっきりしていた。
そして、変な期待が頭をよぎるたびにかぶりを振り仕事に集中しようと気を入れなおすことを繰り返していた。
ご案内:「とある宝石店」にストークさんが現れました。
■ストーク > この店の店主である異国出身の男もまた暇をもてあましていた。
大怪盗と言わんばかりの予告状を送りつけてきた男は驚くほどあっさりと馬脚を現し、表向きは安堵した様子を見せつつも、内心ではせっかくスリルを楽しめるかと思ったものをとほぞをかむのだった。
商談も一段落してから随分時間が経つ。ふと店先を見れば、やたらと(…といっても決して目立つほどの回数ではないのだが)雇い入れた女が頭を振っていることに気づいた。
男は店員かつ店の方の腹心である初老の男に店を一旦任せ、目的の女の所に顔を出していった。
「サヤ、警備の方はいい。少し奧に来てくれないか。」
あくまで宝石商…雇い主としての顔を崩すことなく、男は女に声を掛けていった。
■サヤ > 「?あ、あぁ……わかった、すぐに行く」
店先で目を引からせていれば、店主である男に声をかけられると軽くうなずいて、他の警備に伝えてから相手が待つであろう部屋に行き、軽くノックしてからドアをあけ。
「来たぞ。どうした、また予告状でも来たのか?」
ドアを後ろ手に締め、軽く襟を整え相手の近くに行きながら要件を訪ね。
■ストーク > 男の店と屋敷は同じ敷地内にあり、奥の部屋は店と屋敷とを繋ぐ位置にあった。
彼女が扉を閉めて近寄ってくるなら、応接用ソファに座った男は彼女にもそこに座るように促していく。
「いや何、あれだけ大がかりな準備をした割には初日であっさりカタがついてしまいましたからね。さぞ退屈しているだろうと思って呼んだのですよ。どうです?今日はもう上がっていただいても構いませんが。」
そう口にする男の顔には、どことなく恥ずかしそうな様子もうかがえた。名刀を使うまでもなかった、といった意味合いで。
■サヤ > 「まぁ、街の外で盗賊や山賊の討伐に言ったりするよりは暇だが、たまにはこういう仕事もわるくないだろう」
相手に促されるまま、腰の刀を鞘ごと抜いてわきに置き、ソファに腰かけて相手を見やり。
もう上がってよいとする相手の言葉に首を傾げ。
「いいのか?まぁ確かに今の状況ならほかの警備の人間でも十分事足るだろうが」
■ストーク > 「そう言って戴けると助かります。」
彼は小さく頭を下げ、そして彼女の反応を見ながら言葉を続けていった。
「ええ、今日はもうそこまで急を要することもないでしょう。それに…、今のあなたの集中力では、そこが警備の穴であると教えているようなものですからね。」
彼はにっこりとしながらも直接指摘した。
何が原因か知らないが、失態を犯されれば自分も損をするし、相手の信用にも疵がつくのではないか、と。
「ともかく、そう判断したのでサヤには警備を一旦降りてもらうことにしました。その埋め合わせをしろというわけではないですが…これから、付き合ってくれますか?」
男はもう少し詳しく彼女に事情を説明すれば、彼女を誘っていった。その頃には宝石商としてではなく、遊び人としての顔になっていくことだろう。そっと自分の着物の胸元に指を宛がえば、言いたいことはすぐに分かる。暇だからベッドに付き合え、と。