2015/12/22 のログ
イリーナ > (銀髪に、よく映える赤目。 その目を細めて相手をじっくりと眺めた。
 たしかに、遠くから見覚えのある顔だ。)

 いえね、こんなところで貴族様、将軍様を見かけるなんて珍しいもので、ね?

(と、同意を求められたマスターは曖昧な態度。
 そんなことに構うことなく女の口が滑らかに滑っていく。)

えぇえぇ、ようやく……そうですね、ようやく。
まぁ、こちらも結構稼がせてもらいましたし――?

(祝勝祝い中ですよ、と同業者達の集団を顎で示した。
 その一角がこちらを見て騒いでいて――「さぁ、張った張った」
 なんていう言葉であの集まりの見当がつく。
 自分が、買われるかどうか賭けてやがると……。
 「そうこなくっちゃ」と楽しげに女の唇と頬が揺れた。)

で、将軍様は今日は飲みにきただけで? そ、れ、と、も?
(くるり、と反転しカウンターに頬杖をつきながら問いかけた。)

オーギュスト > 銀髪に赤目。ともすれば貴族かと間違うような風貌だ。
ドレスを着せたらよく似合うだろうな。王城で威張っている化粧ばかり濃い不細工どものドレスを剥ぎ取って着せてやりたいくらいだ。

「残念だが、今日はただのサボりだ。
これから王城でクソつまらない会議が待っていてなぁ」

やれやれと肩を竦め、きつい蒸留酒を煽る。
本当に酒を飲んで女を抱いて寝てしまいたい気分だが、それをするとあの副官に何時間説教されるか分かったもんじゃない。

とはいえ、この女を手ぶらで返すのも粋ではない。
少しだけ身体を女の方へ寄せる。

「だが、戦勝祝いに女はつきものだ。一杯つきあってくれるか?」

イリーナ > (残念なことに、こちらは実用性重視のコート姿。
 瞳の色と同じ赤色を纏っていた。 ドレスとは――無縁。)

 あらら、いけないんだ?
 ……飲酒で会議っていうのもまずいんじゃないの。

(口調が砕ける。 こういう相手…お偉いさん相手にはまずいが――。
 こんなところに来る物好きなら話は別だ、と。)

 えぇ、もちろん。

(空のグラスをマスターに。
「いつもの」といわずにエールが並々と注がれて。)

何に?

(グラスを掲げ――。自分も肩を寄せながら囁くように問いかけた。)

オーギュスト > 「この程度で酔うかよ。それに、どうせ何の意味も無い会議だ、酒でも飲まねぇとやってられん」

一度ベロベロに酔って会議に出て、あやうく王室侮辱罪で処断されそうになったのは内緒だ。

砕けた口調にはむしろ相好を崩し、グラスを持ち上げ。

「そうだな、生きてる事にだな」

乾杯、とグラスを合わせる

イリーナ > 意味のない…?

(その言葉にちょっとひっかかりを覚えたが―。)

ん、いいわね。「生きている事に」

(乾杯。 かつん、と軽い音を立ててグラスが合わさる。
 ぐい、とグラスを傾けると軽く3分の1程度を飲み干して。)

意味のない会議なら出る必要もないんじゃないの?
たとえば――副官とかに任せるとかさ。

(ワンチャンスあるかも、と。肩で相手の肩を遠慮なく軽く小突きながら問いかけるか。)

オーギュスト > ぐっと度の強い蒸留酒を飲み干す。
心底嬉しそうな顔をすると、当然とばかりにマスターにお代わりを頼み。

「そうだなぁ……副官に任せて、会議なんてほっぽり出して」

サロメ怒るだろうなぁ。
堪忍袋の尾が切れて、魔剣を持ち出されるかもしらん。

「ついでに、将軍もやめちまうか。
食い詰め貴族の次男坊に戻って、冒険者にでもなるかなぁ」

くくっと笑いながら少女を見る。
冒険者になり、風の吹くまま気の向くまま、食いたい時に食い、寝たい時に寝て、欲しい財宝や女を手にいれ、好きな時に野垂れ死ぬ。
時折、そんな人生を送りたくなる事がある。

「そうしたら、一緒にパーティーでも組むか?」

イリーナ > そうそう、どうせ意味なんてないんでしょ?
出る意味のない会議なんて何のためにやるんだか分からないじゃん。

(一冒険者、一娼婦の自分には理解できない世界。
 理解したくもない世界だななんて思いつつグラスに唇をつけ――。)

けほっ。

(むせた。 直後に、ぱんぱん、と空いている手で相手の肩を軽く何度か叩きながら肩を揺らして笑おうか。)

あはは、やだ、おもしろーい。
いいんじゃないのかなー? もう充分お国に尽くした、とか言っちゃってさー。

(けらけらと、笑いは止まらない。
 実に楽しげに笑いながら――続いた問いかけには。
 もったいぶるように「うーん」なんて間を空けて。)

私、自由な女なの。
一蓮托生のパートナーは御免だわ。

あぁ、でも……。

(身体ごと、アルコールで紅潮した顔を相手に寄せて。)

一夜のパートナーなら喜んで。

(柔らかな唇を相手の頬に。 軽く触れた後は頬杖をついて相手の反応を待ってみようと。)

オーギュスト > 「本当にな、やるなら自分達だけでやって欲しいもんだ」

ぐっと二杯目を飲み干す。
ばしばしと叩くのを面白そうに見つめながらも、男は案外本気であった。
もっとも、彼の野心がそれを許してくれないが。

「そうだなぁ、将軍辞めたら、俺は冒険者かヒモにぐらいしかなれないだろうからな」

その点、この女の自由さは羨ましい。
頬にキスされると、盛大に溜息を吐き。

「ったく、後ろ髪を引かれるな」

ふぅ、と酒精の混じった息を吐くと、名残を断ち切るように立ち上がり。
空いたグラスに、酒の代金には多すぎる値段の金貨を一枚、投げ入れる。

「次はもう少し暇な時に来るぜ。そん時は、一緒に朝日を拝むとしようや」

イリーナ > (相手の二杯目と同時に、こちらもグラスが空く。
 とりあえず、今はいい。とマスターに手で合図を送り――。)

……あら、真面目ね。

(ちぇー、なんて残念そうに呟きながら立ち上がる相手を見上げて。)

えぇ、続きは今度…生きてたらまた会いましょーね。

(からん、とグラスに着地した金貨。それを横目で眺めた後で。)

イリーナ。 「赤目のイリーナ」で通るわ。

(ばいばい、と軽く手を振りながら去り行く大きな背中に名前を預けようか。)

オーギュスト > 「俺はオーギュストだ、知ってるかもしらんがな」

名残は惜しいが、残念な事に、この世には為さなければいけない事がいくらでもある。
だが、それが片付いたら、この女を抱きにまた来よう。

男はそれを決断すると、夜の街へ消えて行った。

ご案内:「エデンの林檎」からオーギュストさんが去りました。
イリーナ > ……。
(一瞬静まり返った酒場。
 大きな男を見送った後――。)

あぁー、もう!

(女が立ち上がりながら声をあげた。
 同時に、騒ぐものと肩を落とすもの。両極端な反応が一角で巻き起こる。
 「だらしないぞー」やら「しっかりやれよー」なんていう野次も。)

 煩いわねー!
 あー、もう。 お酒! お酒よ! 浴びるまで飲むわよ!

(というわけで、戦勝記念と先に逝った同業者達への鎮魂の宴はまだ続く。
 翌朝、頭痛に悩まされるのも承知の上で――。
 ひたすら飲んで、騒いで、歌って――冒険者達の夜は更けていくか。)

ご案内:「エデンの林檎」からイリーナさんが去りました。