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参加者(0):ROM(1)
Time:00:03:43 更新
ご案内:「龍輝閣」からセレンルーナさんが去りました。
ご案内:「龍輝閣」からサウロさんが去りました。
■サウロ > (彼女の兄の気持ち全てを理解できるわけではないが、兄という立場であれば弟妹を守りたくなる気持ちはよくわかる。
クラゲの味をしっかりと味わっている時に、これがあの海辺に打ち上げられているものだとはと感慨深くなる。
そんな中で告げられたやけに具体的な容姿に、首を傾げて。)
「僕と同じ髪色と目の、十代半ばの……妹、」
(孤児院を出る前の十年前のことを思い出してそんな子いたかな、と思っていたが、
顔を上げた先にある鏡に映る自分の顔を見て、ぴた、と固まる。
思い当たる節が一点。しかしそれは妹ではなくてサウロ自身なのだが。
口の中で咀嚼しながら少しばかり思案する。いやまさかどうして急にそんな、と。
そんな中で届いた料理に目を輝かせていたら、食べる前に条件を出された。
敬語なしで愛称で呼ぶこと。その条件を呑まねばこの料理がおあずけになる。
貴族の女性をそのように気軽に呼ぶなんてことは……!と少しばかり葛藤するのは真面目過ぎる性格ゆえか。)
「~~~……わかった、セレン……さん。
ジャミルと一緒にされてしまうと本当にあいつは礼儀がなっていなくて申し訳ないのだけど」
(誰に対してもあの態度を崩さない相棒を思うと頭が痛くなるが。
彼女がそれでいいというのであれば、そうするほかない。
目の前の料理を人質ならぬ飯質に取られてしまっては、サウロに選択肢はなかった。
この大きなアヒルの食べ方を指南してくれることが許可でもあったか。
同じように見様見真似で、薄い皮生地にパリパリの皮と身と、ネギやキュウリを乗せて、たれをつけてクルリと巻く。
そのまま食べる様子まで見れば、同じように口を開けて頬張る。
油のよく絡んだ皮と身の触感、濃厚なみそだれが味を引き立てて、噛むほどに口の中で広がる旨味に目を瞠って。)
「……っ! ん、ん、……食べ方も面白いしすごくおいしい…!」
(シェンヤンは大勢の人でたくさんの料理をシェアする風習があるのだろう、
だからこういう料理が発展してきたのかもしれないとしみじみ実感する。)
■セレンルーナ > 「そういうものなのかな。」
兄の気持ちが分かる様子のサウロに、うーんと首を傾けて。
「本当、器用だよね。クラゲとか、つるつるで掴める気がしないかな…。」
何回かトライしたものの、掴めずに断念してスプーンで掬ってコリコリ食べていく。
「孤児院かぁ…じゃあ、血は繋がってない感じかな?
…あー、でも一緒に育ったら似てくるっていうから血の繋がりは関係ないのかな。
サウロと同じ髪色で、瞳の色も碧い10代半ばくらいの妹さんとかっているかな?」
首をかしげるのに、セレンルーナも他の前菜に手をつけながら、えらく具体的な人物像を問いかけていくだろう。
クラゲはサウロにとっては未知の料理故、意を決して食べていく姿を微笑ましく見守って。
そうしれいれば、ぱっと表情が明るくなるのを見れば、美味しいと伝える目を和ませた目で見返して。
「コリコリして、甘酸っぱくて美味しいよね。食感がクセになるというか。」
うんうん、と楽しく前菜を食べ進めていればメインの料理が続々と運ばれてくる。
キラキラと感動に輝く瞳は、やはり既視感があった。
「ふふ、喜んでもらえると連れてきた甲斐があるかな。
あ、食べる前に二つだけ条件が。敬語なし、名前はセレンと呼ぶこと。
サウロは私の恩人なわけだし、ジャミルもそうしてるからね。」
こんなに感動を表してもらえると、こちらまで嬉しくなる。
にこにこしながら言葉を聞いていたが、ふと彼の言葉を聞いていて思いついた。
ぴっと人差し指をたてると、そう条件をつけていく。
じゃないと料理はお預けでーす、と冗談めかしてウインクして。
「この料理は、こうやってアヒルの皮と身の部分、胡瓜とネギを皮の上に乗せて、この茶色いタレをつけて巻いて食べるんだよ。
油っぽい料理が多いから、この紹興酒がよく合うかな。」
彼が条件を受け入れてくれたなら、メインも食べ進めることになるだろう。
ちょっと食べ方がわからないであろう、アヒル料理の食べ方を説明して、包んだものをぱくっと口にいれれば皮がパリっとしていて、身がじゅわっと旨みが溢れてくる。
胡瓜とネギがしつこさを消して、甘辛い味噌だれがまろやかにしていく。
■サウロ > 「年の離れた弟妹には過保護になる気持ちわかるなあ」
(孤児院育ち故に、10歳ぐらいだったサウロから見てもあうあうだあだあしていた赤子の弟妹は可愛くて仕方なかった。
不出来な妹だなんて思ってなさそうな気もするけれど、貴族社会のことは分からないので、
スンとした表情に切り替わる様子にふふ、とおかしそうに笑みを零して。
しかし腹の虫の声が聞かれていたようで、笑う彼女に少しばかり恥ずかしそうに腹を撫でて収めようとしていた。
昼を抜いたせいで空腹が限界らしい、素直な虫である。
以前もこんなことあったな、と思いながら、彼女も箸を使うのを見ながら、
二本の棒で物を掴んで食べるというのがこんなにも難しいとはと思うばかりである。)
「これを日常的に使ってるなんて、帝国人は手先が器用ですね……」
(クラゲの和え物に苦戦する様子を見ながらも、あっさりとした蒸し鶏に絡まるタレの深いコクに感動している。
食べ慣れない味ではあるものの、舌に残って美味しい。
甘味と辛味の刺激を堪能していれば、妹、と尋ねられて軽く首を傾げて。)
「妹ですか? ……いるといえばいる、んですけど。
孤児院育ちなので、そこで一緒に育った弟妹は、何人かいます」
(一緒に育った子たちであれば弟妹ではあるけえど、どうしたのだろうかと首を傾げつつ、他の前菜にも手を伸ばす。
野菜とドレッシングのかけられたヌードル状のサラダ。つるりとした触感とシャキシャキとした野菜の触感を楽しみ。
クラゲには真顔になりながらも、息を吸って、食べる。コリコリした触感にしばらく目を瞑っていたが。
美味しかったのかすぐにぱっと表情が明るくなって彼女を見た。美味しい、と目が伝えている。
次々運ばれてくるメインの料理を見ればまた、目が輝く。
どんとおかれる湯気と食欲をそそる刺激的な香り。豪勢にターンテーブルの上に並べられる品々。
こんな贅沢してもいいのかと、一人では食べきれない量を見ながら感動している。)
「…こんなにたくさんのシェンヤン料理を食べられるなんて…!
ありがとう、セレンルーナさん、すごく嬉しいです…!」
(一人では到底これなかった場所だ、だからこそお礼にと連れてきてもらえたことに最大級の感謝を興奮気味に伝えて、
子供みたいな少し幼さの見える無邪気な笑顔を浮かべて見せて。
料理を器に取るための蓮華もあり、深めのお皿に気になるものから移していこう。)
■セレンルーナ > 「仲は良いんだけど…ちょっと歳が離れてるせいか、過保護なところがあるかな…。
いや、分かるんだけど…不出来な妹を持つと苦労するっていうのも…。
早く嫁の貰い手みつけろという言い分も…、分かるけど…なんというか…ね…。
おほん、この話はやめておこう。折角の美味しい料理の前なんだから。」
ジャミルも見たであろう、遠い目をした表情。
そう、兄の言い分も理解はしているのだと言いつつも、プルプルとグラスを持つ手を震わせて、俯いた唇から心からの訴えが漏れ出てしまう。
しかし、顔を上げたらスンとして気持ちを切り替えていこう。
くいーっとグラスを傾けて、華やかなお酒を流し込んでいく。
そうしていれば、前菜が届いてお腹の虫の音が聞こえるのにどこか既視感を覚える。
「ふっ…ふふ…。そうだね、食べよう食べよう。」
騒ぎ出した虫に、お小言の思い出も吹き飛んだように吹き出して、くすくすと笑い。
律儀に、食事前の祈りを捧げる様子も、学院で出会った少女とかぶるところがある。
意外にも箸が使えるようで、たどたどしくも取り皿へと棒々鶏を移していくのを眺めて、自分もスプーンではなくお箸を使ってみるかと手に持っていく。
「ん…やっぱりお箸っていうのは、使いづらいかな。」
クラゲの和え物をお箸で取ろうとしてみるが、選んだ対象が悪かったか。
つるつると滑って取りづらい。
その間にサウロが棒々鶏を口に入れれば、ぱあっと表情が輝いていくのが見えた。
「ふふっ、気に入ってくれたなら良かった。そういえばサウロって、妹さんとかいるのかな?」
お箸で取るのを諦めて、スプーンでクラゲの和え物を掬いぱくっと食べていく。
コリコリとした食感は、ほかでは味わえないような食感だろう。
甘酸っぱく、ごま油と唐辛子が効いているのもいい。
前菜を食べ勧めていれば、次々とメインが運ばれてくる。
パリパリの飴色になったアヒルと、胡瓜やネギと甘辛い味噌だれ。それらを包むための皮。
牡蠣の油炒め、フカヒレの姿煮、トンローポーに麻婆豆腐、水餃子に小龍包と、ぞくぞくとターンテーブルの上に並んでいくだろう。
それと一緒に瓶に入った紹興酒も運ばれてくる。
こちらも、上品な小さめのグラスへと注がれて変わった香りを放っている。
■サウロ > (自由騎士である以上そう簡単に国外に出る機会はないけれど、彼女の言うように気軽に行けるようになればいいと同意する。
礼を告げながらも遠い目になっている様子には、彼女の話に聞くお兄様にこってり絞られたのだろうなぁと苦笑してしまって。)
「ジャミルからも聞きましたが、仲の良いご兄妹だとか。
遅くなったなんてとんでもないです、ご無事の連絡が貰えただけでも安心しました」
(食前酒を口に含みつつ、飲みやすいでしょうという言葉には素直に頷く。
お酒からしてこんなにおいしいのだから、料理も期待が湧くというもの。
そうしているうちに前菜から届き始めて、中央のターンテーブルへと置かれていく。
どうやって取り寄せるのかと思えば、どうやらテーブルを回転させるようだ。
その説明も受けながら、便利だなあと思う。品数が多いからだろうか。
取り皿を前に置いてもらい、長い箸の他にスプーンやフォーク、ナイフなども置いて貰うと同時に、腹の虫が鳴く。
美味しそうな匂いに釣られて騒ぎ出したようだ。)
「んっ、……それじゃあ、遠慮なく。頂きましょう」
(食べる前に、両手を組んで食前の祈り。
他国の料理を食べる時も主教への祈りで良いのだろうか?という疑問はあるけれど、いつもしていることなので今更かと。
祈りを終えてから、早速前菜の棒々鶏の方を取りにいく。
箸は、あまり上手くは扱えないが、色々な料理を楽しむサウロも使用法はわかっているので。
たどたどしい持ち方ではあるものの自分のお皿になんとか移し。
そして一口。ほろほろと崩した鶏肉に掛かっている調味料、まろやかでいて胡麻の風味とぴりっとした辛みもあり、さっぱりと食べやすい。
ぱぁ、と表情が目に見えて明るくなる。美味しい、と目がキラキラと輝く。)
■セレンルーナ > 「シェンヤンも、土地によって料理の種類がちがうって話かな。
さっき言ってた豆から作るトーフを使った辛い料理は、シェンヤンでも西南部のほうでメジャーなんだとか。
旅行とか気軽に行けるようになるといいよね。」
国交が盛んになれば、気軽に旅行にいけるようになる他に、もっとシェンヤンの文化に触れる機会も増えるだろう。
そうなればいいと話しながら、素直に甘えてくれる彼にうんうんと頷きながら料理を注文して、食前酒に手を付ける。
「有難う。サウロ達のおかげかな。
事情も、あまり深く聞かないでくれたのには感謝しかないかな。
無茶は、なるべくしないように心がけるよ。
…兄にもこっぴどくお説教されてね…。
貧血が治るまでは、外出禁止とまで言われてたものだから…お礼が遅くなってごめんね?」
身を案じてくれるのには、ありがたく思いつつ…ちょっと遠い目になってしまったのは、兄のお説教を思い出してしまったからだ…。
自分も花の酒に口をつけていけば、げんなりする思い出を香りと味が癒してくれる。
「飲みやすいでしょう?ワインはこの国にもあるけど、やっぱり異国の文化が入るとがらりと変わるよね。」
口の中で広がる芳醇な香りを楽しんでいれば、まずは前菜から運び込まれてくる。
クラゲの甘酢とごま油和えは、ごまの風味と刻んだ鷹の爪のぴりっとした刺激とコリコリとした食感が新しいだろう。
棒々鶏は、蒸したホロホロの鶏肉に胡麻だれがかかって、甘味がありつつもラー油、唐辛子、ごま油が効いたこちらも肉なのにさっぱりとした味。
豆の澱粉から作られた、半透明な細いヌードルにハムや胡瓜などの野菜とドレッシングを混ぜ合わせたサラダ
それぞれの皿が、中央に置かれたあかいターンテーブルの上へと置かれていくだろう。
「お腹すいたでしょう。食べようか。これを、こうやって回せば遠いところの料理も自分の方に持ってこられるから、好きなように食べてね。」
取り皿が目の前に置かれて、お箸と一緒にフォークやナイフ、スプーンなども用意されていく。
ターンテーブルの使い方を説明して、食べ始めようか。
■サウロ > 「面白い料理が多いようですし、いつかは行ってみたい場所ですね」
(そう簡単に行ける距離ではないが、いつかは行ってみたい国ではある。
両者の国交がもっと盛んになれば、それはいつか叶うかもしれないが。
海にいるクラゲより大きいクラゲ。サウロの脳裏にはボール大のクラゲが浮かんだが逆に魔物では、と考え込んでいる。
沢山食べても構わないと快く返してくれた彼女に碧い目を見開いて、それから柔く笑みを浮かべた。)
「ありがとうございます、それじゃあ、お言葉に甘えさせて貰いますね」
(お礼とは言え貴族の作法も知らない身では、なにか不手際をしてしまうのではないかと不安もあったが。
そういうものも気にしない寛容さを持つ彼女には頭が上がらない。
注文に至ってもホストである彼女に任せて、注文後に目の前に置かれた美しいガラスでできたグラスに注がれたシェンヤンのお酒は目にも鮮やかな色合いに、金木犀の花が浮いている。
それを手に取ってから、乾杯する彼女から伝えられる真摯な感謝の言葉に軽く首を振り、微笑んで。)
「乾杯。貴女の無事な姿を見られて、安心しました。
敢えて深くは聞きませんが、無茶をしては駄目ですよ?
仲間にも、僕にも、素敵なお礼を頂き、ありがとうございます」
(仕事の上での負傷はやむを得ない部分もあるとわかりつつ、彼女の身を案じてしまうのは仕方ない。
仲間も良い物を貰ったようだし、食べる事が好きな自分にも今回こうして合わせてくれた彼女に感謝しながら、乾杯をして、軽く口をつける。
金木犀の優しい香りと、甘い匂い。白ワインの飲みやすさもあって、一口飲んでから息を軽く吐いて。)
「美味しい……!
ワインは普段あまり飲まないので、新鮮です」
(普段飲む酒はエールだったり蜂蜜酒だったりラガーだったり、平民の酒場で出てくるようなものが多い。
だからこうしたお酒は初めてで、もう一口、二口。香りを楽しみながら喉を鳴らす。)
■セレンルーナ > こうやって、一つ一つの料理の説明をする所なんかも、もしかしたら記憶と合致してしまうところがあるかもしれない。
「やっぱり、あちらは料理にしても独特だよね。ふわっと花の香りがして、優しいかんじかな。へえ、シェンヤンの話を聞いて、興味もったなら今日ここに誘ったのもタイムリーな感じでよかったかな。」
クラゲは海にいるクラゲだ。
食べられるのかと困惑している様子を見れば、笑って、海にいるのよりももっと大きいらしいよと情報を与えていく。
料理の説明をすると、目を輝かせていく様子は学院で出会った少女にそっくりで、やはり兄妹のように見える。
「沢山食べれるなら、食べれるだけ食べればいいんじゃないかな。私もけっこう食べるほうだし、色々頼んじゃおう。」
初めての料理、シェンヤンの料理は味が濃いめなのが多いが美味しいと評判も高い。
色々食べたくなるのは当然だろうと、うんうん頷いていれば困ったようにこちらを見つめる彼に首をかしげて。
「ふふっ、当然かな。今日はサウロへのお礼なんだから、目一杯食べて楽しんでほしいかな。」
恥かしそうに眦を染める彼に、小さく笑って了承していくだろう。
そうこうしていれば、透明なワイングラスよりも小ぶりなグラスに注がれた桂花陳酒が運ばれてくる。
テーブルにグラスが置かれれば、華やかな香りが鼻腔を擽っていくだろう。
「これと、これと、あとここから、ここまで。食中酒は紹興酒で。デザートは…」
給仕係に注文を済ませて、給仕係が下がっていく。
「じゃあ。乾杯。改めて、この間は危ないところを助けてくれて有難うございました。おかげでこうやって回復する事もできました。」
グラスを持ち上げながら、サウロの瞳をまっすぐに見て真摯なお礼の言葉を告げて。
自由騎士団の方には、寄付と個人的に精霊術師のエレインや治癒師のアルブド、お世話になった医務官には霊石や魔石、ハンドクリームのセットなど、彼らの職務に役立ちそうなお礼の品物を贈っていた。
サウロに対しては、騎士ということもあり…武器を贈るのも、好みや使い勝手があるし、彼の好きなものもよく知らない。
お世話になっていた時に、話した記憶に料理を食べて歩くのが趣味と聞いていたから、今日はこうやってお誘いしてみたわけで。
■サウロ > (ショールを掛け直してくれる配慮に感謝しつつ、その後は和やかに天気や料理についての会話をしながら移動をして。
帝国の料理人がいるとなればなおの事その味には本場を感じられるだろうと期待が高まる。
個室に入ってから食前酒を頼む彼女はやはりこういう場にも慣れているのだなと尊敬の眼差しを向ける。
サウロが少女の姿で、学院で出会った少年もさりげなくリードしてくれたことを思い出す。
彼女に弟はいないという話だが、色合いや雰囲気が似ているから、自然と浮かんでしまうのだろう。)
「花をワインに浸けるのは珍しいですね…香りが良さそうです。
そうみたいですね、行ったことはないけれどシェンヤンの情景が浮かぶような、語りの上手い子でした」
(そんな風に頷きながらも、自分のメニュー表を軽く畳んで、彼女が見せてくれるメニューを見る。
鶏料理はわかるが、クラゲの和え物を前菜にすると聞けばクラゲ、クラゲ?と海にいる大量のアレを思い浮かべて真顔になる。
アレは食べれるのか。という顔。
他にも王国ではあまりなじみのない食材や調理法を説明してくれる彼女に真剣な表情で耳を傾け、頷いていく。
お勧めと上げてくれるものと、彼女の説明がどれも美味しそうに感じられて、沢山の料理名に目を瞬かせ。)
「どうしよう、全部美味しそうでどれも捨てがたいんだけど……。
いや、量的にはいける、夜の為に昼食を控えめにしてきたから僕のお腹は今限りなく限界に近い空腹だから余裕で入るんだけど」
(あれもこれも、食べたいものが多すぎる。
お勧めされたものを全部、というのは流石に強欲が過ぎるだろうか。
いくらか出すつもりではいるけれど金額も気になる。細身である彼女が食べられる量もある。
とりあえず特に食べたいものはピックアップしているけれど、お勧めされたものが殆どだ。
とても悩まし気に考え込みながら、困ったように眉尻を下げて彼女の方を見て。)
「……沢山食べても、いいかな?」
(さすがにちょっと恥ずかしいのか、ほんのり眦に朱を乗せつつ、お伺いを立ててみて。)
■セレンルーナ > 「本当に、毎日暑いよね。天気がいいのはいいことだけど」
待ち人が近寄ってくれば、こちらも笑顔を浮かべていたが、彼の視線が顔に固定されているのに気づいてちらっと自身の格好を見下ろしていく。
ああ、というように納得すると暑かったから肘にひっかける程度になっていたショールを二の腕を隠すように羽織り直して。
そして、並び歩いてたどり着いたシェンヤン料理のお店。
「この外観は目を惹くよね。ここのはシェンヤン人の料理人が料理を作ってるから、期待してくれていいかな。」
王国と敵対関係にあるとなれば、本格的な料理を出す店というのもそうそう多くはない。
それでも、こうやって王都に店を出せるのは公女の輿入れなど少しだけ両国の関係改善の兆しが見えてきたからだろうか。
…というよりも、様々なまれびとを受け入れる王国の寛容さ故か。
碧い瞳を期待に輝かせるサウロの様子に、くすっと笑みを浮かべながら期待を高めていく。
そして、店内へと入りさらに個室へと案内されていく。
「じゃあ、食前酒に桂花陳酒を頼もうかな。これはキンモクセイっていう花を白ワインに漬けたものだから、味も馴染みがあって飲みやすいしね。
へえ、シェンヤンの学生さん。コクマーに留学してる子かな。」
お勧めのお酒をメニューを見せながら教えると、ふたり分それを注文していく。
その間に料理も頼もう。
コース料理もいいが、サウロは男性だし興味を惹いたものを食べるほうが楽しいだろうと、あえて単品で頼んでいくつもりで。
「前菜は、ちょっとサッパリ系がいいかな。これは、クラゲを甘酸っぱい味タレとごまの油で和えたもので、こっちは鳥の胸肉を蒸したものにごまのタレをかけたものかな。あと…これは…。」
メニューに指を指しながら、お勧めの品の説明をしていく。
その他にシェンヤン風サラダや和え物などなど。
「あとは、一匹丸ごとアヒルを使って、油を何度もかけてパリパリになった皮を食べるんだけど、これがおいしいんだよ。
他には、豚をトロトロに煮たのもいいね。
それから、これは鮫のヒレを使った煮込み料理で、こっちが牡蠣を油で炒めたもの。
辛いのは平気かな?シェンヤン料理なら、これは食べて欲しいかな。
トーフっていう豆から作られたものを、スパイスや唐辛子と一緒に炒めた…うん?煮るのかな?ともかく、ホットな味で刺激的かな。
水餃子っていってもちもちの皮にお肉とかを包んだものをスープと一緒に食べるこれも美味しいね。
逆に皮の中にスープが閉じ込められている小龍包も、ジューシーでおいしいかな。
あと、これと、これも…。」
これとこれと、これもお勧めと、初めてシェンヤン料理を食べるなら是非食べて欲しいと思うものが多くなってしまう。
説明は一通りして、選択はサウロに任せようと。
■サウロ > (カラッと晴れて暑い日が続く日中から陽も暮れて少し涼し気な風が吹く。
非番の日ということもあっていつも通り日課の鍛錬や書類整理、武具整備に部屋の清掃と過ごしていた一日だったが。
サウロが普段着ているような麻布で出来たような服ではなく、少し上質な服装を着ている。
富裕地区を歩く時に浮かない程度の一点物。サウロとしてはシャツ一枚にこんなに???と疑問に思うような金額のものだが、貴族から見れば品質としては中の下くらいか。
そんなおめかしの服を着て待ち合わせ場所にたどり着けば、そこにいたのは長い髪を結った女性。
富裕地区も近い場所である為に整然とした建物が並ぶ中、美しい所作で佇む彼女の元へと歩み寄っていく。)
「こんばんは、セレンルーナさん。お疲れ様です。
日に日に暑くなりますね……、涼し気な装いがとてもよくお似合いです」
(人目を惹く美貌を持つ彼女が白い素肌を覗かせていれば微笑んで告げながらも、
視線は顔に固定して下を見ないように努める。
路地裏や、病室で対応した時は今にも死にかけのような疲弊した状態だったので、
今こうして万全な状態の彼女と相対してようやく、その健康そうな姿に安堵する。
刺激的?と首を傾げながらも、案内する彼女に並んで歩き出す。
しばらくもしないうちに見えてくる異国情緒溢れる独特な店構えに、見上げながらサウロは碧い目を輝かせた。
いつか行きたくて、しかし中々訪れる機会がなかったシェンヤン風料理店だ。
明らかに富裕層をターゲットにした雰囲気であるが故に、サウロ一人では入りがたかったのである。)
「外から見るだけなら何度か……ああ、すごい、すごく楽しみです」
(シェンヤン料理は平民地区のほうでも扱ってる店はそう多くない。
なんとなく真似て王国風にアレンジしたものばかりだ。
なので、本格的なシェンヤン料理は初めてで、胸が躍る。
案内されつつ彼女の後に付き従いながら、見苦しくない程度に拘り抜かれた内装を観察して。
そして通された個室に入れば、不思議な円卓へにスタッフに椅子を引いてもらい、腰を下ろす。
胸元を撫でながら、置物一つ、証明や壁などの内装にも、興味津々だ。
メニューを渡されて見るものの、想像のつかない字面が並んでいる。)
「お酒は程々に嗜む程度ですが…シェンヤンのお酒は興味あります。
……つい最近シェンヤンから来たという留学生に料理のことを聞いていたので食べて見たくて、すごく楽しみです」
(お酒はお勧めがあれば、と。シェンヤンのお酒はどういうものがあるのか分からない。
とりあえず人気があるもの、定番のもの、これというものがあれば、それを頼もう。)
■セレンルーナ > 夏真っ盛りの王都。
日が落ちても、気温はそう下がらずに汗ばむくらい。
今日は、前回助けてもらったお礼に騎士の青年を食事へと誘っていた。
白銀の髪をアップに纏めて、シルクの生地をレースで控えめに飾ったノースリーブのトップスと、シフォン生地のフローティングパンツ姿で待ち合わせ場所で待ち人を待つ。
丁度、平民地区と富裕地区の境目あたりで待ち合わせれば、待ち人も間もなく訪れるだろう。
「サウロ、こっちこっち」
待ち人の姿を認めると、軽く手を振りながら此処にいる事がわかるように声をかけていく。
「こんばんは、今日も暑いね。今日も仕事だったのかな?仕事だったら、お疲れ様かな」
彼が近づいてきたのなら、そう挨拶とともに労いの声をかけていく。
お礼に食事でも、と自由騎士団への礼状とともにサウロ個人に手紙を出しての待ち合わせ。
「早速お店のほうに行こうか。サウロは、刺激が強いのは大丈夫かな?初めてだったら、今日は刺激的な夜になるかもね。」
富裕地区の方を指さしながら、肩を並べて歩き出す。
小さく笑い、ちょっと意味深な事を聞きながら歩いていくが、待ち合わせ場所からはそう離れてはいない。
富裕地区といっても、平民地区との境目に近い部分にあるお店へと近づいていけば、王都の中でも異彩を放つ店構えの前へとたどり着くだろう。
シェンヤン風の朱色と金色を基調にした、柱を強調するようなデザイン。
龍が書かれた看板には『龍輝閣 』(りゅうきかく)と書かれている。
もしかしたら、巡回の時などに見て記憶に残っているかもしれない。
「店構えを見て分かるかもだけど、今日はシェンヤン料理を楽しんでもらおうかなと思ってね。」
見ての通りな内容になるため、早々にネタばらしをしつつ入口のほうへと歩いていけば、シェンヤン風の衣装を着たスタッフが扉をあけて招き入れてくれるだろう。
予約の確認に、スタッフと2,3会話を交わすと個室のほうへと案内されていく。
店内も、朱色が目立つ内装で龍や鳳凰といった置物などが飾られており天井からは提灯のようなものも下がっている。
王国とはまるでちがう、異国情緒溢れる内装といったところだろう。
それでも、立地的には平民地区に近く富裕地区にある店の中ではリーズナブルな部類に入るだろう。
個室へと入れば、白いテーブルクロスのかかった円卓があり、その上に朱色のターンテーブルが置かれているという不思議な配置。
椅子に腰掛けると、それぞれメニューを渡されていく。
「サウロは、お酒もいけるクチかな?シェンヤンのお酒もあるから、お酒が好きならそれもおすすめかな」
まずは飲み物を、と問いかけて。
ご案内:「龍輝閣」にサウロさんが現れました。