2023/06/03 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 鍜治場」にスピサさんが現れました。
スピサ >

   ―――“キィンッ キィ ンッ キンッ”―――


 硬質的な音が響く鍜治場の一つ
 昼間の屋内 明りは薄く、炉の火の色 及び 火を映した鉄塊に視線をやる青い肌のサイクロプス
 素肌が見える両腕や胸元 汗が滲む先 赤茶けた革のオーバーオールで、その強い体を包んでいる。
 同じ色合いのグローブで掴むヤットコの先の鉄塊は、両刃の剣を打っているのか
 火熱を帯びた形状は先は細く 両側は真っ直ぐに付け根に至るほどに幅を増す。

 打ち込む度、硬い音 火に入れても硬すぎる為に、音は鋭く そして冷えて剥がれ落ちた弱い鋼
 それが皮膚のようにボロボロと剝がれ、飛び散っていく。
 火花 そしてうっすらと冷えて黒くなっていくと、ボロリと落ちる。
 そんな鍜治場の光景がそこにはあった。


   「―――。」


 ヤットコで摘まみ、宙へ持ち上げる。
 その単眼では、くっきりと向こうまで見えてしまうものの 暗い背景ならば
 その火熱で包まれたシルエットはくっきりと背景と断絶され、形状がより見えるだろう。
 折り目を付け 畳み 伸ばし 折り 畳み 伸ばす
 練られた鋼は、切り取っただけの鋼 鋳造しただけの銅に比べて身を詰んでいる。
 ずっしりとした雰囲気と共に、角をもたらすべく、直剣の形状を再び槌で現わていくだろうか。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 鍜治場」からスピサさんが去りました。
ご案内:「商業都市 ラディスファーン」にファルスィークさんが現れました。
ファルスィーク > 降り続いた雨も今は止んで見えるのは綺麗な星空と煌々と輝く月。
都市の中央を横切る形で流れている川のほとりにて佇んでいる人影が一つあった。
遠くに見えるのは主要に使われる大きな石橋が2つ。
時折、川を横切っていくランタンの明かりは渡し船だろう。

久し振りに月明りが強く足元には影が出来る程。
多少、湿度高めではあるが過ごしやすい気温でもあり、出歩くにも丁度良い。

「―いい夜だ」

夜も宵の口。まだ街の明かりは消えず若干の喧騒も風に乗って届いてくる。
そんな夜を眺めながら、振るう竿は小さく風を切る音を立てた。
男が何をしているのか……特に釣果は気にしていない暇潰しの夜釣りである。
傍らには持参した酒と肴も置かれており、腰を下ろすと久し振りに手に入った酒を玉杯に注ぎ、月を愛でながらの一人月見酒。

「美女でもいれば、酒の味も格段に上がりそうだが……」

ファルスィーク > 気付けば持参した酒も肴も残り僅か。
釣果は全くないまま、今しばらく月を楽しむ時間を過ごす事になった。

ご案内:「商業都市 ラディスファーン」からファルスィークさんが去りました。