2022/11/04 のログ
ご案内:「とある魔王の城」にリノさんが現れました。
■リノ > とある魔王の城に仕事を手伝うように頼まれてやってきた文系魔族。
魔族側とはいえ、色々な書類仕事は存在する。
同時に魔族にはそういう書類仕事を得意とする連中は数が少ない。
そういう意味で、この文系魔族には仕事が舞い込んでくるというわけだ。
人間の学院での潜入仕事が休みの日とか、特に予定のない学院終了後の夜とかに、睡眠不要タイプの魔族だからと言う理由で駆り出されることが多々あった。
「……あ、ミスみっけ。」
本当に読んでいるのか分からないほど高速で書類の束を流し読みしているように見えるのだが、的確に書類のミスを修正していく。
本や書類などの紙モノに囲まれていれば幸せな魔族だ。
嬉々として引き受けるから色々と回されるというわけだった。
■リノ > 「……とりあえず、ここにあるのはこれで終わり、っと」
うずたかく積まれた書類が左から右へと場所を変える。
途中何か所も修正を加えながらの作業だったものの、ものの小一時間程度。
もしかするとまだまだあるから持ってくるのかもしれないけれど、
しばらくは休憩、とばかりに持ってこられたティーセットのポットを傾けて紅茶を口にした。
軽く肩を回して、首を回してちょっとしたストレッチ。
大して疲れているわけでもないのだが、ずっと同じ姿勢をしていると体がこわばるのは違いない。
「一番いいのはずっと何かの本を読み続けてることだけど~、そんな都合のいい仕事なんてあるはずもないわよね~。」
軽く肩をすくめて苦笑めかした表情でそんなことを独りごちた。
ご案内:「とある魔王の城」にイノンさんが現れました。
■イノン > 「~♪」
ツヤツヤの靴をコツコツと鳴らしながら上機嫌で城を歩くロングコート姿の少女が一人。
ハンドバッグを大切そうに両手で抱えながら、とても嬉しそうに鼻歌を口ずさみつつ歩いていると、何やら優雅な所作でお茶をする方が目につく。
「お仕事、お疲れ様でございます」
用件があった魔王様にお仕えする方だ と、背筋を伸ばして深々と貴方にお辞儀をする。魔王様も、その下で働く方にも決して無礼などあってはならない。
貴方への友好的な態度、それから放たれる魔力などから同胞であることはすぐに分かるだろう。
■リノ > 休憩を終えても次の仕事が来なければ、帰るとしようかなどと考えている最中に聞こえてくる靴音。
そちらの方へと視線を向ければ、嬉しそうな様子で歩いてくる少女めいた姿の魔族を確認。
寧ろ、この城で嬉しそう、楽しそうに歩いている時点で人間の可能性は問題なく排除できるのだが。
「ああ、ありがとう。そちらこそお務めですか?お疲れ様です。」
元々相手が人であれ魔であれなれなれしいタイプなのだ。
友好的に来る相手に敵対的になったり意気高になったりする方ではない。
寧ろ、ここまで丁寧に対応されたらこちらが恐縮してしまう方だろう。
何かのお務めかと思ったのは、やけに大切にハンドバックを持っているから。
その中身をこの城の主か何かに持ってきたのかと思ったため。
仕事の途中なら無理に止めることもできないし、暇な方なら話し相手にでもなってもらえると助かるのだがなどと考えながら、相手の出方をうかがって。
■イノン > 見かけたのは魔族である事は間違いなさそうだが、無骨な戦士・軍人とは全く毛色の異なる、むしろ王国における文官に近しい知的な雰囲気を漂わせる。
女の方かな と、胸が今にも飛び出しそうなスーツの着こなしを見て何気に品定めを行う。
そんな中、貴方の視線に気づけば
「あっ、こちらはですね。魔王様から頂き物を授かったのですよ。大切に使わせていただきます、ありがとうございます。」
流石に魔王様の精液もらっちゃいました なんてカミングアウトは気品に欠ける。
「わたくし、イノン=クラルエトルと申します。どうぞ、よろしくお願いいたします」
ぺこり と深々と礼をしながら愛想よく名乗り出る。
職業柄、多くの情報に触れる機会のある貴方なら魔族の国の中で、直接的な戦争から一歩離れたところで人魔の異種交配専門に強力な魔族を生み出す機関が存在する事はきっと記憶に残っているかもしれない。
■リノ > 「あぁ、なるほど。頂き物となればそんな風になりますよね~。」
わかる~と付け加えそうな口調で笑顔で頷いて。
魔王クラスからものがもらえると言うのはとてもありがたいことだ。
更にその様子からすれば彼女にとってとても嬉しいものだったのだろう。
魔族な存在によって嬉しいものが違うから、他の相手にとってうれしいものかはともかくとして。
そうしていれば、自己紹介をしてくる相手。
ちょっとあご先に指をあてて考える仕草をすれば、何かを思い出したかのように頷いて。
「あぁ、クラルエトル家のご当主でしたか~。
どおりで受ける感覚に少し違和感が。
でも、そういう事なら納得ですね~……おっと。
私ばかり納得していても失礼ですね。
私は、リノ=シトリー。人魔の欲情を権能としている悪魔です。
こちらこそ、よろしく。」
見た目は女性。所作は男性。口調は中性。観察では性別を特定するのに混乱する情報が多い。
けれど、名乗り、己が存在を明らかにすることでその答えが伝わるかもしれない。
そもそも性と言う概念を持たず、相手が「見たい」存在に姿かたちを変えると言う悪魔の事を。
とて、魔同士であればその本性、男性にも女性にもなれるが故の、両性として存在する古き魔の事を。
■イノン > 上機嫌な理由に共感を示して貰えれば、年齢相応の女の子らしい笑顔で「そうなんですよ!」と愛らしく明るい笑みで返した。
まるで目上の先輩や上司に、良かったねと褒められたり祝ってもらえるような気持ちに心がとても温かくなる。
「あわわ、ご存知でいらしたのですね…!恐縮でございます」
照れた様子で、頬を赤らめつつ嬉しそうに何度も礼をする。
魔王様にお仕えする方にも認知していただけていた畏れ多さに少女はすっかり畏まってしまう。
「ご丁寧にありがとうございます。……リノ様……あああああ!」
名前を知り、はっと気が付けばビックリして思わず声をあげる。
自身よりもよほど強大で、よほど巧く人間の世界を貶めるべく暗躍し続ける悪魔―――
貴方の正体に気が付けば、大切なお客様 と言う認識からは大きく逸れて
「あの…リノ様?事務仕事で、お身体もさぞやお疲れと推察いたします。わたくしで良ければ、少しでもお疲れを取り除くお力になりたいと考えていますが、迷惑でしょうか……」
貴方の目の前まで、そわそわ近づいて行けば、小さな声でそっと耳元で恐る恐る問いかける。
「その……たいへん不躾なお願いで申し訳ないのですが……もしもお仕事の方がお済みのようで……その後のご都合に差し支えなければお願いしたい事があります……」
口には出さないが、半ばハッキリと「精をください」と言う嘆願である。
強大さだけではない、それを巧みに活用する知性に目を付けてのもの。
人間との異種交配では、魔の持ちうる強さが人間の器が耐えきれず、しばしば理性を持たない獣同然の子が出来てしまう。
目の前にいる、優れた知性の持ち主ならば現状の課題を解決しうる一手になれるか―――
■リノ > よかったよかった、と共感しあって暖かい空間が出来たものの、彼女の事を知っていると伝えたことでだいぶ恐縮させてしまったようだ。
そして、自分のことも伝えたのだが、当然知られていたようで。
「あはは、こちらもご存じでしたか~。
まぁ、今日は書類仕事のお手伝いに来たわけなんですけどね~。
……ん?」
そんな返答返していれば、近づいてくるイノン。
そして、耳元でささやかれる言葉を聞き取れば、くすっと笑いこぼして見せて。
「ああ、別に構わないですよ。とても面白い情念をお持ちの方ですし、私もちょっと興味があります。
まぁ、やれと言われた書類仕事も終わってしまって、お代わりも残ないようですし。」
言いつつ書類に視線を向けて、小さく肩をすくめて笑った。
ここでするか、場所を変えるかはイノンの判断に任せるつもりで。
■イノン > 自己紹介を終えた後の自身の態度と言えば、まるで有名人とばったり出会ったような大袈裟なリアクションばかりである。
「そうだったのですね!確かに、我々魔族の間では軍務・工作に大部分を割いております故、内務に明るい方は珍しい印象です」
なるほどなるほど と何度も頷き。でも、これだけ強大な方がわざわざ時間をかけて手を煩わせる事など……勿体ない と言うのが本心だった。
「…!あ、ありがとうございます……!!」
快諾していただけた。なんと器の大きな方だろうか。
どうやら問題なさそうだ。魔王様の居城内で筋を通さず致し始めるのも礼節を損なう行為だ。
「それでしたら、魔王様のお城を無断でわたくしの私用に使うのも畏れ多いお話ですので、是非我がクラルエトル家までお越しくださいませ!距離はありますが、転移術ですぐに辿り着きます故」
期待に満ちた眼差しで貴方を誘う少女は、今にも我慢出来ないといった顔つきだ。
ご案内:「とある魔王の城」からイノンさんが去りました。
■リノ > 「そうですね、確かに私は魔族の中では特殊な部類だと私も思います。」
書類仕事は趣味の領域。実際の仕事は堕落と篭絡。
そういう意味では工作員なのだが、趣味の範囲はどうしようもない訳で。
そして、場所の移動を提案してくるイノンに頷いて。
「まぁ、他の魔王様の居城でするというのも、ね。
では、お招きに応じまして……」
その辺にあったメモに仕事が終わった事と退出することをメモしてからイノンの傍へと。
そして、彼女の転移術で共にどこかへと飛んで行った。
ご案内:「とある魔王の城」からリノさんが去りました。