2022/10/22 のログ
ご案内:「無名遺跡『堕神の神殿』」にミメシスさんが現れました。
ミメシス > ――…ミメシスと呼称される魔物はアンデッドには分類されない魔物である。

では何か?と問われると宝箱に巣くうミミックに近しい存在であり、ここ教会層内部に広がるアンデッドを排する力には影響されない。

だがそのミミックと違い一定の場所に留まる事をせず、獲物を探しにいく習性があり、こんな神聖力でも生物であるミメシスには関係なく、この場も当然の如く狩場として認識し、今も獲物を待ちうごめいている。

数少ない武器である擬態化、天井に張り付き皮膚を周囲の光景と一体化させる事で獲物を欺き、脆弱な分不意打ちで獲物に襲い掛かり、その身体に圧し掛かり喰らう或いは交尾に持ち込む。
全身より滲ませる透明な粘液は捕食行動・生殖行動をし易いように獲物が身につけている金属を溶かす性質を持っていて、邪魔なもの危険なものはそうして排除した後に行動に移すのだ。

それが雄であればそのまま触手などを使い獲物を絞め殺してゆっくりと肉を咀嚼し、血液を含む体液を啜るが、獲物が雌であれば触手は獲物を絞めるためのモノではなく、弄るための器官となる。
口になり、手になり、足になり、強制的に獲物を交尾状態に貶める毒を打つ針になり、異種族の雌を悦楽で溶かし苗床へと変えようとするだろう。

此処に存在するミメシスの個体は天井にではなく、床に擬態している特異個体。
もし獲物が踏めば触手を湧かせて捕らえ、踏み越えれば背後から襲い掛かるだろう。
真っ赤な絨毯、それに擬態した身体は赤く淡い明かりしか存在しないこの場では見つけることは難しい。
しかし、その手にカンテラやランプがあれば別である。
なぜならばその明かりに照らされて絨毯の一部が粘液でぬらりと艶やかに妖しく光を反射するのだから。

――…邪なる神が祀られた教会。
一攫千金を狙う冒険者が足を踏み入れるか、それとも祀られた神を崇める魔族か、その噂を聞きつけ調査にくる聖職者か。
どれであろうとミメシスは構わない、訪れるものが繁殖に適した存在であればどんな種族でどんな職業であろうと、区別無く襲うだけなのだ。

ミメシス > 燃えるような赤ではない、鉄錆びの香りすらしそうな深紅。
入り口から祭壇まで伸び広がる赤い絨毯の上で、獲物が踏み越えるか踏みつけるかするまでじっと動かないミメシス。

知能が高ければ自らの体から溢れる透明な粘液をなるべく抑えるだろうが、脆弱なる魔物には其処まで知恵を働かす事は出来ず、生殖本能が極端に高い魔物はただただじっとその場で擬態化した身体で待つ事しかできない。

周囲には蝋燭が燃える香り、それを上回る甘い甘い鎖かけた果実が僅かに醗酵した匂いに近しい特有の香りで満たし、更には――…魔物は犠牲者の声を真似る。

「……………………………。」

天使の歌声。
否、是は犠牲者の声色と犠牲者が魔物相手に残した歌声であり残響。
室内は肉塊が奏でているとは思えない邪なる神に祈りをささげる歌声が響き続ける、歪み狂った空間へと変わっていく。

踏み込めばどこかに生存者がいて、歌を祈りをささげ神に歌を奉げているようにも感じれる、かもしれないが、此処は無名遺跡であり、そんな存在がいるはずも無いのだ。

故にいつまでも、いつまでも、ミメシスが眠るまで神殿の中で歌声は鳴り響き続けるのであった。

ご案内:「無名遺跡『堕神の神殿』」からミメシスさんが去りました。
ご案内:「貴婦人と一角獣」にリレイさんが現れました。
リレイ > 「さあ、いらっしゃーい。休むもいいし食うもいい。貴婦人と一角獣、開店中だよー」

夕方、店主自らが店の前に立ち、宣伝している店がある
貴婦人と一角獣と名付けられたその店は複合店舗だ
宿屋と酒場が併設され、少し高級感のある料理が冒険者たちにも受けがいいよう多めに提供され

そのまま一泊もできるし、溜まったものを掃きだすため娼婦と語り合うこともできる
そういった多方向へ経営を伸ばしつつ、笑顔が絶えない店、というのがコンセプトのお店だ

今日もそこそこのお客さんが来てくれており、中でキャスト達と談笑したり騒いだりしている
こうなると、店主としては今のところやることが無い
キャスト達のケアは共同経営者である女性の方が上手だし、お店の手伝いをしようとしても中にいるキャストの方が上手で邪魔になる

となれば後は、客引きでもしたほうが利益になりやすいだろう
ここもまた、美人の客引きでも雇えれば更に効率があがりそうだ

店の外壁には『スタッフ募集中』という旨の張り紙も貼られており
希望によっては王都の中でも高給な部類の給与が書かれている

そう、お店自体はそこそこの知名度があるようになったものの
人がまだまだ足りないのだ。
幸い、個人的資産に加えて売り上げは悪くないため、まだ雇えるキャパシティーは十分ある

「いらっしゃーい!」

客引きも行いつつ、ちらちらと張り紙を見ている人も居ないか確かめつつ
夜に入り始めた街を男は賑わせている

リレイ > その後は特に何もなく
平和に営業も終わりましたとさ

ご案内:「貴婦人と一角獣」からリレイさんが去りました。