2022/10/18 のログ
ご案内:「空中庭園「水晶庭」」にユーダリルさんが現れました。
■ユーダリル > 銀に光るジョウロを携えて。
るんるんと上機嫌に、水晶庭へ訪れる。
扉を開けるなり、咲き誇る花々に迎えられ……。
「こんにちは、今日も綺麗だね! あのね、ジョウロを持って来たよ」
にっこりと笑い、ジョウロを掲げてみせる。
きょろっと辺りを見回し、水が湧き出ている水晶球を見つけて。
小走りに駆け寄り、ジョウロを添えて、水を溜めていく。
キラキラと光る、水が溜まるなり、近くの花にジョウロを傾け。
「知ってる? 外は秋で、もうすぐ冬が来るんだよ」
声をかけながら水を与え、花を愛でていく。
水滴が付いた姿に目を細め、次の花へと水を撒いて行き……。
「今日もゆっくりしようっと」
入り口から奥深く、王都が一望できるベンチに腰かけて。
両足を揺らし、咲き誇る花々と共に王都を眺める。
結晶でできたベンチはひんやりと冷たい。
「ふふ、ひんやりしていて、気持ちい」
光の反射で異なる色合いを楽しむ。
■ユーダリル > ベンチ脇に生えた白い花を摘み、香りを楽しみながら頬を寄せていると……。
両耳がはためく。背後の入り口から、キィ…と扉を開ける音。
続く人の足音と気配に。
「―――……人だッ!」
思わず、大きな声が出てしまい。
一輪の花を持ったまま、両手で口を覆い、急いで樹木の陰に身を隠す。
顔半分をこっそりと出し、相手を伺う。
誰かが来るなんて、珍しい。幸い、こちらには気付いていない様子だった。
「友達じゃなくても良いんだ……、知り合いになれるかしら?」
じぃっと凝視。相手は辺りの花を見つめ、安らいだ表情を見せている。
こちらとの距離は約10m。眉根を寄せ、悩んだ直後。
地面を軽く蹴り、ポーンと跳躍。着地した相手との距離は2mに縮まり……。
「こんにちは―――……お花、綺麗だね」
相手が振り返るや否や、おずおずと言葉を紡ぎ。
小首を傾げて、相手を見つめる。
■ユーダリル > 声をかけることができた!―――……と思った瞬間。
驚いてしまったのだろう。
急遽、獣か何かが飛び付いて来た!と思った相手は……。
「―――……!?」
鼓膜を揺るがす、短い悲鳴を上げて。
そのまま、振り向きもせず一目散に、転げ落ちながら逃げてしまった。
「あ、頭がふわふわする……」
耳を両手で覆い、脳内に響く金切り音に暫し立ちくらみ。
数分後、だいぶ楽になった頃合いに胡坐をかいて、腕を組み。
「いきなり出て行ったら、ダメなんだね。難しいなぁ……」
眉尻を下げ、むっと唇を尖らせて。
お話しできなかったのが残念、と。そのまま、柔らかな草木が生えた地面に寝っ転がる。
頭の後ろに手を組み。
「でも、面白かったかも。大丈夫かなぁ、あの子……」
くすくすと思い出し笑い。
そのまま、花に囲まれて午睡をし……。目が覚めた頃には黄昏色。
銀のジョウロを忘れずに持ち、足取り軽く、森奥に姿を消し―――……。
その後。しばらくして、水晶庭には恐ろしい獣がいる!と噂になったことかと。
ご案内:「空中庭園「水晶庭」」からユーダリルさんが去りました。