2022/10/12 のログ
ご案内:「王都周辺の村」にロブームさんが現れました。
ロブーム > 王都周辺の村の一つが、黒煙をあげている。
魔族や他国の戦争の前線から少し外れた、長閑なこの村は一人の魔王の手によって落ちていた。
尤も、落ちた、といっても被害は左程ない。死人もなく、黒煙が上がっているのも村の納屋が一つ焼けただけのこと。

だが、周囲を魔物が悠々と闊歩し、淫魔や触手生物が村人を犯しているその光景は、正に魔王の占領地と言った所だろう。

「あまり、被害を拡大させてもつまらん。私は別に、魔族と人間の戦争に左程興味があるわけでもないからな」

その魔王は、今。この村の村長の屋敷にいた。
男は、屋敷の最上階の窓から、村の様子を見降ろしていた。
既に、占領から二日経っている。そろそろ、冒険者なり、軍なりが討伐しに来る頃だ。

「あまり長く占領するつもりもないが、討伐しに来るというのなら受けて立つぞ、人間よ。
だが、願わくば――」

その者よ、我が堕とすにふさわしき、美しい心であれ。
そう願いつつ、男はその時を待つのだった。

ご案内:「王都周辺の村」からロブームさんが去りました。