2022/08/08 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/住宅街」に影打 鈍さんが現れました。
影打 鈍 >  
閑静な住宅街。
そのそこまで大きくない通りの真ん中に、派手な格好の少女が倒れている。
長い髪と羽織を広げて倒れているその様子は、一見赤と黒の布が打ち捨てられているようにも見えるだろう。
しかしそこからハイヒールの下駄を履いた足が伸びているし、人の形にも膨らんでいるため、良く見れば人だとわかるはずだ。
まだ日が高い時間とはいえ、このままだと物取りに遭うか、人浚いの手にかかるのは明らかである。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/住宅街」にオルトさんが現れました。
オルト > ギルドでの今日の仕事を終えて商店街を冷やかした男が工房への帰路への途中に通りかかった通り…大通りとは違い人通りの少ないその道の真ん中に何やら打ち捨てられている布の塊、通り過ぎる際にちらりと視線を向ければそれが倒れている人だと気づき、慌てて駆け寄る。

「うわっ…何だってこんな所に倒れてんだ? どうした、大丈夫か?」

人通りが少ないと言っても街の中、こんな所で行き倒れているとも思えないが放って置くことも出来ずに声を掛けてみた。

影打 鈍 > 声を掛けられてぴくりと動く。
もぞもぞと腕を動かし、声の方へ手を伸ばして、その足に触れた。
弱々しく服の裾を掴み、やはり弱々しく引っ張る。

「……ち……」

消えそうな声で呟く。
生命力が足りない。
血でも体液でもなんでもいいから取り込まないと消えてしまいそうだ。
しかしそれ以上喋る元気もなく、繰り返し掴んだ服の裾を引っ張り続ける。

オルト > 「お、意識は有るみたいだな…って、何だ?」

どうやら意識は失っておらず、もぞもぞと動き出した相手が服の裾を掴むと発した言葉に首を傾げる。

「ち…?って何だ?続きは?」
服の裾を引っ張り続ける相手が何を言おうとしているのか察しがつかず、どうしたものかと困り顔で。

「別に怪我している様じゃなさそうだし、病気…じゃねーよな? 腹でも減ってるのか?」
明らかに元気がない様子に思いつくのはその程度で、取りあえず身体を起こそうとしゃがみ込み手を回す。

影打 鈍 >  
彼が抱き上げた身体は力なくぐんにゃりしている。
うつ伏せの体勢から仰向けにされ、胸の二つの大きな膨らみがたゆん、と揺れた。
そのまま顔を向け、明らかに人ではない、十字の模様の浮かぶ目を向けて。

「……、……」

ぱくぱくと口を動かす。
ゆるゆると腕を伸ばし、彼の胸元を掴む。
そのまま抵抗がなければ弱っていると思えない力で引き寄せ、唇を重ねるだろう。

オルト > 「軽っ、何だよやっぱり行き倒れか?」

助け起こしてみれば見た目以上の身体の軽さに驚きつつも顔を覗き込む、子供かと思えば予想外の発達した身体、そして不思議なその瞳に興味を引かれていると何かを呟いている様で少し耳を傾け聞き取ろうとすると伸ばされた腕が胸元を掴み、何が起こったか理解する間もなく唇が奪われた。

「…?んんんっ?」

咄嗟の事に躱すことも出来ず、力づくで剥がすことも躊躇われて成すがまま、その柔らかい唇の感触を味わう事になる。

影打 鈍 >  
「れぅ、ん、ぢゅ、んく」

貪るように唇を重ね、舌で口内を蹂躙。
しかし目的はその行為そのものではない。
彼の口内に存在する唾液を舌で絡めとり、こちらの口内に納めてまた舌をねじ込む。
文字通り、食事である。

「じゅる、ぁむ、ん、っく、……ぷぁ」

一度唇を離し、唇に付いた唾液を手で舌で集めて。
そのあとじ、と彼の顔を見て、

「……んむ、助かった」

とだけ告げ、身体を起こして立ち上がる。

オルト > 突然ねじ込まれた舌が口内を動き回り、湿った音を立てる。
性的な触れ合いとも違う激しい舌の動きに動転している間に
その行為が終わり、彼女が此方を見て一言…それをぽかんと見ているしかなく。

「……た、助かったじゃねーだろ? 何だよいきなり?」
嬉しいハプニング…と思える様な生ぬるい接触ではなく、
文字通り貪られた気持ちをどうして良いのか判らず、
抗議の声を上げると此方も立ちあがり、大分身長差のある相手を見下ろす。

影打 鈍 > 「何って、食事だよ」

当たり前のように。
誰かを性的に襲うことも「食う」とは言うが、そう意味ではない。

「私は妖刀でな。この身体を維持するための生命力が尽きかけていたから補充させて貰った」

文字通り食事だ。
あのままだと消えていたので、事後承諾だが仕方あるまい、と言った顔。
消えるとは言っても本体は残るが、またこの身体を出すには誰かに使って貰って生き物を切らねばならない。
それはやはり困る。

オルト > 「あれのどこが食事なんだよ…って、妖刀だって?」

当然とばかりに出て来た言葉に耳を疑いつつ、その後の言葉には
更に耳を疑う事になる。

「妖刀って…え? まさか本当に…?」

にわかには信じられそうもない話だが、
どうやら信じた様で今までで一番興味深そうに彼女の身体を
上から下へとじろじろと見つめてしまう。

「人の姿になれる剣や刀が有るってのは知ってたけど、
まさか本当に…刀の姿にもなれるのか?」

先程の行為への驚きはどこへやら、鍛冶士としての興味が
勝った所為で些か興奮気味に詰め寄る。

影打 鈍 >  
「なんだ貴様、刀に興奮するのか」

あからさまにテンションが上がる彼を見て、思ったことを素直に口に出した。

「刀の姿に、と言うより人の姿を出せる、だな。本体はこれだ」

何も持っていない手を彼に差し出せば、そこに自身の本体が表れる。
柄の拵えがこちらの様式に魔改造された、はるか東の島国の片刃の湾刀。
鞘から抜けば、黒い刀身が見えるだろう。
それは黒ではなく、恐ろしく濃い赤が黒く見えている色だ。

オルト > 「何か言い方が…間違っちゃいないが…
鍛冶士の端くれとして魔剣や妖刀っていや目標の一つだからな、
目の前に本物が居たらそりゃテンションも上がるだろ?」

まるで異常性癖だとでも言いたそうな感じに苦笑しながら否定して。

「おおっ凄ぇ、これが…」

彼女の手の中に現れた一振りの湾刀、興味深そうに
見つめていたが、ついには我慢できずに手を伸ばし
鞘から抜いて刀身を確かめる。

「こりゃあ…こっち風に手を加えてるんだな…はぁ…それにしても
刀ってのはやっぱり綺麗なもんだな…材質は何なんだろ?」

黒に見えた刀身が深い赤だと観察して気が付くと、
刀身の腹にそっと触れてみて材質は何かと探る様に撫でる。

影打 鈍 >  
「妖刀魔剣の類いは作ろうとして作れるもんでもあるまいに」

彼の手の内にある自身の本体。
色やら拵えやら目立つ点は多々あろうが、一番存在感を放っているのは「存在感そのもの」だろう。
彼が普段使っているだろうハンマーで思いきりぶっ叩いても曲がったり折れたりどころか、刃零れの一つも起きないだろうと確信出来るような、物理的な耐久性に影響を及ぼすほどの存在感。

「材質は鉄だ。そこは普通の刀と変わらん」

ただの鉄。
しかし、その鉄はいくつもの命と血を吸ってきた鉄。
血の色が染み込み、存在そのものを変質させるほどに赤く赤く染まった黒。

「指を切るなよ。いや、血をくれると言うのであれば構わんが?」

オルト > 「それでも誰かが作ったからこうして存在してるんだろ?」

黒に見える刀身は思わず引き込まれそうな重厚な作りに見える、
その理由は判らないが、ただ単純に鉄を売っただけではこうは
ならない事だけは理解できた。

「これが普通の鉄…?とてもそうは見えないんだけどな…
ん?もしかして血を吸うとか、そういう性質?」

指を切るなと言われると首を傾げながら
「色々調べさせてくれるなら血くらい多少構わないけどな」
と呟く。

影打 鈍 >  
「少なくとも、私のいたところでは『妖刀は成るもの』と言う認識だったぞ」

何か呪いのような技法を混ぜ込まない限り。
しかも、そうして妖刀を作ろうとすると刀としての純度が落ちる。
だから自身は後付けで妖刀に成ったのだ。
少なくとも、自身の作られた地ではそう言う結論に至っていた。

「ふん? 何を調べたいのかは知らんが、血をくれると言うなら協力するぞ」

折ったり曲げたりされるわけでもなし、別に調べられて困ることもない。
むしろそれで血を分けて貰えるのであれば願ったりだ。

「私は妖刀の影打、銘を鈍と言う。貴様の名はなんだ」

オルト > 「ああ、使い続けられた剣や刀が不思議な力を持つって話だろ?
そこまで使い込まれるにはやっぱり元の造りが違うと思うんだよな…
俺が目指すとしたらそう言ったいずれ魔剣や妖刀って呼ばれるような
武器だな」

世の中の殆どの曰く付きの武器は最初からそうなる様に
造られた分けれは無いと理解はしている。
それでも自分が目指すのはそう言った武器になるのだろう。

「切れ味やら造りやら、とにかくじっくりと調べたいからな…
血なら少し位惜しくないな…さっきも食事とか言ってたけど、血飲むのか?」

鍛冶士の端くれとして壊す様な事はしないが、此方の剣の造りと
大分違う技術には興味が尽きない様で。

「カゲウチ ナマクラ…それじゃあカゲだな、俺はオルト、さっきも言ったが鍛冶士の端くれだ」