2022/05/15 のログ
ご案内:「マグメール辺境の屋敷」にマルゴットさんが現れました。
マルゴット > マグメール国内の中でも辺境に位置する貴族の邸宅。
その入口の門扉が、重々しい音色を伴って開かれる。
其処から、コツコツと響く靴音と共に姿を見せたのは、黒いロングドレスを身に纏った屋敷の女主人。
その傍で、恭しく頭を垂れて彼女を出迎える一人の侍女へと柔らかく微笑んで見せながら。

「ただ今戻ったわ。湯浴みの支度をお願い出来る?
 ……と、その前に。私が留守の間、"お客様"の姿はあったかしら?」

そう傍らの侍女へと問い掛けると。
此方へ、と簡潔に告げて歩き始める彼女に続いて女は屋敷の廊下を進んで行く。
正門から正式に訪れた客人であれば、応接室へ通すよう伝えてある。
もしそれ以外の――招かれざる客人であるならば、大方女の仕掛けた"罠"に掛かっている事だろう。

私としては、何方でも構いませんけれど――と、胸の内で独白を零しては、
紅の引かれた唇を笑みの形に歪ませながら、侍女に案内された一室へと足を踏み入れる。

マルゴット > 「――いらっしゃいませ。お待たせして御免なさいね?
 本日は一体、どの様なご用件でいらっしゃったのかしら……?」

扉の向こうで待ち受けていた"客人"に対し、柔和な笑顔で挨拶を投げ掛けながら、
背後に控える侍女へと目配せをすると、彼女は一礼と共に扉を閉めて部屋を後にする。

そうして閉ざされた扉の向こう側。其処で交わされた出来事を知るのは、女と相手の唯二人のみ――

ご案内:「マグメール辺境の屋敷」からマルゴットさんが去りました。