2022/04/27 のログ
タン・フィール > 「……っ……?…
あれ、こっち…?」

ひたひたとその足はなぜか、
だれかに、なにかに呼ばれたかのように、
より深くより暗く、なんだか寒さすら感じる路地の奥…
洞窟や迷宮の奥底へと歩むように、

目指す出口からは離れていくようにさらなる深淵へと向かっていく。

「………なんか、さむっ……」

王都の人々の賑わいや喧騒、
生活音などはとうに聞こえなくなり、
道端で時折視界をかすめていた、野良猫だの、鼠だの、虫のたぐいですらも、
ぴたりとその気配を伺わせない、冷たく薄暗い路地。

ぺたぺたとと、汚れることはない不思議な裸足が歩み進んでいく音だけが響く。

タン・フィール > 「!?」

暗闇を進む中、突然に足元の石畳の感触がフッと消える。

薄暗くて階段の存在に気づかずに一歩分踏み外したのかと、すぐさま足元に注意を払うが、
べちょん、と階段の二段目以降に足が乗る感触も、倒れ込む音も聞こえない。

何者かの罠か、何らかの魔力が招いた自然現象や歪みか、
そのまま無明の闇へと幼子は消え、路地の闇は王都の片隅でひそりととどまり続けるばかりだった。

ご案内:「迷路通り」からタン・フィールさんが去りました。
ご案内:「港湾都市 ダイラス 港 倉庫街」にイスルスさんが現れました。