2022/01/15 のログ
ご案内:「空き地の大鍋」にタン・フィールさんが現れました。
■タン・フィール > 「え~っと…あとはこのコウモリの羽根に、人面草の根っこに…アレ? 足りてる、よね…っ?」
王都の平民地区、随分過去に屋敷が建っていた広々とした空き地で、
自前のテントとキャンプ道具一式を広げ、焚き火で人ひとり浸れるのではというほど大きく深い大鍋を煮込む小さな人影。
低い気温などどこ吹く風で、裸にシャツ一枚を羽織っただけの幼子の容姿をした薬師は、
せわしなく鍋と、素材を保管してるテントと、焚き火前に置かれた調合レシピの本との間を行ったり来たり。
傷病を癒やすから冒険者用の毒消し、魔力回復薬から、各種の毒。
さらには媚薬やら下剤やら肉体変化の薬などまで取り扱う異質な幼薬師は、
何処かからかまたも未知の薬の存在を知り、大鍋にて大量に仕込みを行っている最中で…。
人の気配も人の目もまばらな広い空き地を選んだのは、万が一なにか失敗や副作用が会った場合に、
平民地区の住民に薬の影響が及ぶのを避けるためと、
大鍋薬が成功した場合、持ち運びが大変なので、この場を拠点に売りに出せるため。
「……よし、匂いはまぁ…うーーん…甘くて、ちょっとおいしそう?
…おクチからでも、摂取できるはずだし、まぁいっか」
その大鍋の薬…新薬がはたして、人々を癒やし幸福をもたらすものなのか、
あるいは一定の人々の欲望を満たすものなのか、
それは仕込んでいる小さな薬師だけが、今は把握していることで…。
ご案内:「空き地の大鍋」からタン・フィールさんが去りました。