2021/12/31 のログ
ご案内:「トゥルネソル家 庭」にリスさんが現れました。
リス > 「――――と言う事で、今日は、トゥルネソル商会で働いてくれている皆に、慰労を込めて、パーティを開くことを宣言します。」

 富裕地区の一等地、原寸大ドラゴンさえ住めるほどに広い敷地を持つ、トゥルネソル商会。
 マグメール店の店長であるリスの宣言が、家の庭に響き渡る。
 妹のラファルが、風の精霊を使い、リスの声を家中に響くようにしてくれたのである。
 無論、家の外にでも、聞こえるだろう大音量は、少しばかりの近所迷惑でもあるだろうけれど、まあいいだろう。
 貴族連中は連日連夜パーティをしているのだから、と少女は切り替える。

「食べ物はどんどん食べて、飲み物はじゃんじゃん飲んで、友達も、恋人も、招いてくれていいから。
 ―――ええ、別に道行く人の飛び入り参加も問題ありませんわ。
 ただ、乱暴狼藉だけは、駄目と言う事でお願いします、ドラゴンさんのご飯になるか、優しい警備部門で、お外に叩きたします。」

 周りにも聞こえるように、少女は宣言する。
 ほんとを言えば、家族で静かにパーティーをしたい所でもあるけれど、みんな忙しいだろう。
 顔出すだけ出す、でもいいし、来れなくても良い。

 正直に言えば、寂しさを紛らわしたいだけでもある。
 何時も働いてくれている皆の慰労というのも、本音だ。

 だから、珍しく少女は、少しお高い夜会用のカクテルドレス、お気に入りのオレンジ色のそれを見に纏い。
 うっすらと紅を、化粧を行って、淑女然としてそこに立つ。
 家族も思い思いの場所で、屹度楽しんでくれているだろう。

 そんな風に考えながら、大量の料理と、酒と、ジュースを振る舞う。
 庭中にいくつもつくられているテーブル、温かな料理、酒。

 普段はこういう事をしないリスの、珍しい主催パーティが始まる。

ご案内:「トゥルネソル家 庭」にラフィティさんが現れました。
ラフィティ > お嬢様に使えて一体どのくらいの月日が流れたのだろうか。
逃亡奴隷であったあの頃を思い出すのも、もうずいぶんと難しくなってしまった。
そのくらい、毎日が楽しくて、愉しくて仕方がなかった。

充実しているといえばその通り、なのだろう。
いろいろなことを教えられて、いろいろなことを訓えられて。
綺麗な服を着させてもらい、毎日空腹を感じる暇もない。
組合に怯えずに暮らす毎日が、幸せであるとずっと感じていた。

そんなミレー族の子猫は、今日もせわしなく動いていた。

「え、えっと……っ。
こっちはこっちで、あっちは……あっち…うわわっ…!」

料理を両手いっぱいに抱えて、膝下までしっかりと隠されたスカートを揺らし。
そのお尻のあたりからは尻尾もしっかりと生えていて、カチューシャの合間からは猫耳がピコピコ。
あちらへ、こちらへと料理を運びながら、ミレー族のことはつまずきそうにもなっていた。
もっとも、。転んだこところで痛みはない。ないのだが料理が台無しになってしまう。
それだけは避けるように、持ち前の身体能力を発揮していた。

これでも、以前に比べたら随分とましにはなっているのだ。
そんな、せわしなく。あわただしく動いているミレー族は、主催者の目の前を右往左往していた。

「ロ、ローストビーフ、お待たせしましたっ!
後、ワインも用意してありますから、好きなだけどうぞですよ…っ!」

リス > 基本的に、リスは奴隷は酷使しない、奴隷は財産であり、奴隷は家族であるから、だ。
 彼女にはしっかりと給料を与え、適切な仕事を割り振り、生活させている。
 他の店員と違うのは、ラフィティは、リスが個人所有しているので、売り物ではない、という所だ。
 だから猶更、他の奴隷よりも近しい所に置いている、色々な事を覚え、仕事もスムーズになっていた。
 最初であった時の、焼き串強奪が、本当に懐かしく思えるぐらいだ。
 今の彼女は、とても生き生きとしていて、そして、血色も良くなっていた。
 持ち直しているんだな、と思う。良かった、と、クルクル働く姿を、目を細めて眺めて。

 彼女の首には、リスの物だと表す首輪、だから、基本的に破落戸でなければ、彼女に手をだそうとしないだろうし。
 もし、破落戸が手をだそうとすれば―――竜の一族の仕置きが待つのだ、自殺志願者ではない限り安全である、はず。
 今までの彼女の安全が、それをすべて示している、という所だ。

「ラフィ、駄目よ、余り持ち過ぎては。貴女だけではないの、だから、ちゃんとゆっくり、一つずつ、よ。」

 生来の気質というのもあるのだろう。
 両手いっぱいに料理をもって走り回ろうとするから、駄目でしょう、と笑って見せて。
 自分に食べさせたいのだろう、ローストビーフ、確りとした作りのお肉に、おいしそうなソース。
 匂いも、食欲を沸かせるそれであり、隣にある赤ワインもまた、肉にしっかりと会う物を選んできている。
 彼女もちゃんと、成長しているのが伺えていて。

「でも、駄目よ?ラフィ。
 貴女も、今日は楽しむ方、なのだから。」

 そう言う給仕や料理人、今回に関しては、外に依頼をしてきてもらっているのだ。
 トゥルネソル商会のものは、皆今日はお客様なのよ?と、彼女の頭をそっと撫でて。

ラフィティ > 「あう……。」

撫でられるのが好きだ、この優しい手に。
今までの自分はこんなふうに、撫でられたことなんてなかった。
股や胸、そして股間に”生えて”いるものを触られることは何度もあった。
しかし、頭をくしゃくしゃにされるほどに撫でられた記憶なんて一切ない。
滅ぼされたミレー族の村からこちら側、奴隷時代の地獄を想えば、ここは夢ではないかと思ったことなんて、いくらでもあった。

ローストビーフをテーブルの上に置き、ワインを添えるのも忘れずに。
魚料理は港から仕入れてもらった、新鮮な魚のカルパッチョ。
以前はつまみ食いをすることも多かったが、今ではそんなことはしない。
つまみ食いなどしなくても、ここでは美味しいものがたくさん食べられる。
そんな幸せいっぱい、夢いっぱいな生活を送っている間に、少しばかり身体も成長する、というものである。
そして、知恵もつくというものである。

「だ、大丈夫です、お嬢様。ボクは、こうしてお嬢様のお世話をすることが一番楽しいですから。
それに、ボクもちゃんともらいました。お肉、すごく美味しかったから…。」

頬を赤らめながら、にこりと笑う。
猫特有の八重歯をのぞかせる笑みは、ここでしか見せない屈託のないもの。
美味しかったから、一緒に食べてほしいと。

リス > 「もう、ラフィは。」

 甘く笑いながら、優しく頭をなでて見せる、後から知った事だが、彼女と自分は年齢は同じであった。
 そして、肉体的な特徴も、同じなのだ、股間にあるそれ……男性器。
 今まで彼女は、性的にいろいろな虐待を受けていたのかもしれない。奴隷の身分ならよくある話し。
 だから、リスはあえて、彼女に手を出してきていなかった。
 性は愛し合い、求めあう物であり、傷を持って居る物を無理やりするものでは、無いのだから。

 それと、素直な雰囲気の彼女は、妹のように思える。
 実際に居る妹よりも、寧ろ、娘がいるから、娘を見るような母性が爆発しているのやもしれない。

 自分の近くのテーブルに並べられていく料理の数々。
 どれも暖かく、おいしく、気軽に食べられるもの、ナイフやフォークが無くても、指でつまんでパクリ、とできるモノばかり。
 だから、どんどん、どんどん、お皿にのせられて行って。
 もう、太っちゃうよ?なんて、軽い冗談を零して見せた。

「それなら、良いの。
 でも、ちゃんと休むことは、大事な事、だから、ね?」

 それを忘れちゃ嫌よ?
 そう、言いながら、彼女が用意してくれたローストビーフを一口。
 胡椒のピリッとしたからさ、リンゴを使ったソースの甘さに、おいしい、と小さくつぶやいて。
 ワインを一口飲んで見せる。
 彼女の前で、楽しんでる、とちゃんと見せる。

ラフィティ > 大丈夫、ゆっくりと休ませてもらっている。
温かいベッドの上で目覚める朝は、本当に心地よくて。
この時期は寒い、それこそ身も凍えるほどに。
毎朝、朝の眼覚めがどれだけ恨めしく、疎ましいものであったか。

いっそこのまま死んでしまいたい、そんなふうに思っていた時期もあった。
逃げ続け、凍え続け、明日食べるご飯もない。
そんな毎日ならいっそ、このまま死んでしまいたいと。
助けてくれる人なんて、この町にはいないと、そう確信めいた想いすらあった。

だけど、この人は自分をそんな地獄から救い出してくれた。
だからこそ、絶対に離れたくない。大好きな人だから。

「大丈夫です、少しくらい太ってても、お嬢様は可愛いです。」

その言葉に嘘偽りはない。
だが、それは自分へのいいわけでもあった。
たくさん食べられるようになって、少し太ったのは…まあ、仕方がないことだ。

「でも……太るのはちょっとやです…。
ご飯美味しいから、ボクもたくさん食べちゃうんです。」

リス > 彼女が、良い生活を行っているのであれば、それは雇い主としても嬉しい事だ。
 充実した生活、満足のいく食事、快適な睡眠、適度な仕事。
 それらを彼女に与えて、ラフィティという少女を磨き上げる。
 それが、リスの行なう奴隷の使い方なのだ。

 ミレーだから、というわけでもない、個人的に、彼女の事を助けたい、とも思っているのだし。
 そう言えば、と視線を彼女に向ける、そして、首をことんと倒して見せた。
 質問の言葉を放とうとした時に、彼女の言葉を聞いて。

「もう、これでも、気にしてるんですから、ね!」

 ぷく、と頬を膨らませた。
 少女は、其れなりにムチムチ、と言い換えれば、太り気味、と言って良い。
 そこにさらに言われる言葉には、ちょっと傷つくんですけどーとジト目。
 怒ってるわけではないし、こんなやり取りも、何度か行っているのだ、だから、問題は無い。
 過去の彼女であれば委縮していただろうけれど、今は問題ない位には、打ち解けている。

「逆に、ラフィは、もう少し食べて大きくなりなさいな。
 健康的な体は、大事なのよ?」

 同い年でも、かなり身長が違うのだ。
 彼女の方が、小さくて細い―――胸とかはしっかり出ているのが羨まs
 それは兎も角として。
 彼女は、もう少し太っても良い、リスはそう思い、ツンツン、とその頬を、つつく。
 過去より、血色の良くなっているその頬を。

ラフィティ > 気にしているのは、実は知っている。
こっそりと運動しているのも知っているし、体形維持のためにいろいろしているのも知っている。
あえてそれを言わずに、そういうフォロー?をするのは、いわゆるご愛敬というやつだ。

悪戯っぽく笑って見せるメイドは、頬をつつかれてなんだか楽しそう。
じゃれ合い程度のそのやり取りをしているが、彼女は大企業の元締め。
おそらく、商売をしている者たちからしてみたら、この姿はとてもそうとは思えないだろう。

そんな彼女を、姉と慕っているのは間違いない。
しかし、この場ではその言葉は絶対に言わなかった。
彼女の立場などを、それなりに理解しているからだろう。

「ボクはいいんです、だってこれ以上大きくなりませんもん。」

本音を言えば、もっと背が欲しい。
背が伸びる運動なんかも積極的に試したが、それでも大きくならなかった。
だからもう、すっかりとあきらめモードである。

尻尾がうねうねと動く。
それは、喜びを表している証拠でもあった。

リス > 「まったく、もう!もう!」

 つんつんぷにぷに、ぷにぷに、つんつん。
 御愛嬌である彼女の言葉に対して、少女は頬をつつきまくる、柔らかく、暖かな頬は、つついて気持ちがいい。
 悪戯っぽく言ってくれるから、少女も気軽に言えるのだ。
 リスは、トゥルネソル商会の長女であり、6人の娘の母親。
 しかし、未だ、年齢的に言えば、大人になり切っているわけではないのだ。
 こういう子供らしいじゃれ合いだって、必要、なのである。
 なので、周りからの意見や視線は、気にすることは無いのだ。

 序に言えば、今回は、半分ホームパーティなのだから。
 誰かが紛れ込んできたとしてもまあ、それは見過ごす形にはなるのだけども。
 基本は、トゥルネソルで締めているとも言える。

 お姉ちゃんというなら、なあに?と返答するくらいには、彼女の事を可愛がっている。
 というか、リアルの妹の方が可愛くないし。

「そんな事、言わないの。ラフィには、もっと、立派になってほしいのよ?」

 身長も体重も。
 未だ、伸びるはずだ、と思うが、如何なのだろう。
 伸びて欲しいと思うのだけども、その辺りはまあ、流石に詳しくはない。
 出来る事と云えば、いっぱい栄養を取ってもらう、その位か。

 食べましょうよ、とカルパッチョ、らふぃぃてぃが持ってきてくれたそれを差し出すリスだった。

ラフィティ > 頬をつつかれるたびににこにこと笑い、しっぽが揺れる。
別に性感帯というわけでもないし、ただただ嬉しい。
こうして過ごしていられる時間が、堪らなく楽しい。
すべてが楽しくて、嬉しくて、毎日が幸せ。

だからこそ、猫という放浪の癖があったとしても、ここにい続けられるのだ。
自慢というわけではないのだが、いやなことはすぐに逃げるようにしている。
その娘がここにい続けるのだから、個々がどれだけ居心地がいいか。
その証でもあるだろう。

「あ…えと。違うんです。
ボク、もともと小柄だからこれ以上大きくならないかなって思うんです。
両親がどっちも小柄だったし、その遺伝だから仕方がないんです」

諦めている、というのはそういうことだ。
だから別に悲観しているわけでもないし、現状にも満足している。
なのに体形がここまで育ったのは、ある意味アンバランスともいえるだろう。

カルパッチョを食べさせてもらいご満悦。
さっきも食べさせてもらったけれども、程よく弾力のある魚の身にかかっている甘酸っぱいソスが、魚の甘みを引き立てる。
それを野菜系と一緒に食べれば、口の中は幸せいっぱいだった。

リス > 可愛らしい彼女、尻尾が揺れる彼女、何となく―――これは言うまい。
 何となく、ワンちゃんのようなと。ネコ科の彼女に言うのは憚られる気がするのだ。
 嬉しそうで、楽しそうな、彼女の様子に、見ていてうれしいのだ。
 もっと、彼女の事を見て居たいし、可愛がりたい、とそう思うのである。

 顔所と、一緒にのんびり遊んでいられる、こんな時間が、とても、とても幸せだ。
 なので、個人的には、借金が無くなった後も、居て欲しいな、と思う。
 彼女は商品ではないので、借金を支払い終えてしまえば、もうここにいる理由は、無い。
 去っていくことになると、凄く、凄く、寂しい。

「そう、なのね。
 色々と、大きい所があるし、ここは成長する気も、するのだけど、ねー?」

 小柄、という彼女、しかし、彼女の一部分、主張の激しい所に視線をちろーりと向けてから。
 彼女の顔を、下から覗き込むようにして、どーお?なんて、笑って。
 自分の方も、自分のカルパッチョをパクリ、と食べて、うんと、頷いて。
 カルパッチョなら、白ワインかしら、と。給仕に白ワインを、二人分頼んでから。

「ラフィ、貴女、私の妹とか、娘とかって、逢った事、あったかしら?」

 ふと問いかけてみる。
 毎日世話をしてもらっては居るけれど、彼女と、妹や娘たちと遭遇した記憶ないわ、と。
 今度紹介したほうがいいかしら、という程度の思考だった。

ラフィティ > 主の、そんな思考など読めるはずもなく。
犬のような、と言えばさすがの娘でも嫌な顔をするだろう。
自分は猫だ、と反論したかもしれない。

とはいえ、それだけのことが出来るほどに心を許しているのだから、大した進歩である。
ここに来たばかりの時は、とにかく部屋の奥に閉じこもっていた。
何をしても怖がって怯えるばかりで、リスに誘われることがなければ、きっと部屋から一歩も出ようとしなかっただろう。

「………にゃっ!?ち、違うんです!
こ、ここはその…ボクもよくわからないんです、なんで大きくなったのかわかんないんですっ!」

下からのぞき込まれて、その胸の大きさですらよく見えるだろう。
身長にしてみたら不釣り合いな大きさである、ふくよかに育った双房。
個々のことを指摘され、頬を赤らめたのは決して、寒さや嬉しさのせいではないだろう。

「む~……ふぇ、お嬢様の…ですか?
そういえば…遠目から見たことはありましたけど…。」

直接会ったことがあるか、と言われればそれはNOであった。
話したこともない、ナノでどんな性格化は、娘は把握していなかった。

「あの……怖い人じゃない、ですよね?」

リス > もし、それを言葉にして、彼女の反論を聞けば、ですよねー、と微苦笑を零して頷くことになる。
 彼女がそう言いたくなる気分は判るのだ、もし、自分が同じように、トカゲだのなんだの言われれば、絶対に、いい気はしない。
 それが判るから、思うだけで言葉にしないのである。それくらいは、弁えている。

 最初の彼女は、とても、とても、臆病だった。
 自分が近づいても怯えていたし、出てこないし、彼女と打ち解けるまでには、しばらく以上の時間をかけた。
 一時期は、一緒に連れ歩く事さえ、逢ったのだから。
 護衛と共に、彼女の事を連れて歩く、という状況だった。
 それを考えれば、本当に、明るく、良い感じに戻ってくれて、嬉しかった。

「良いじゃない、私は、好きよ?
 それに、ちゃんと生きる意志があるって、事だもの。」

 魅惑的な肉体となるのは、基本的には異性を誘惑して、子作りするための、本能だと、リスは考える。
 だから、そう言う風に女性的な魅力が強いのは、良い事だ、と笑う。
 貴女はとても優秀なのよ、と、生きていく気力に溢れてるのよ、と。

「そっか。じゃあ、今度ちゃんと、紹介しないと。」

 一年以上傍に置いているのに、挨拶させていないのは流石に問題だろう。
 来た時のような状態なら兎も角―――今は、普通に会話もできるのだし、と。

「うーん……。
 次女の竜胆は、確かに気難しいし、直ぐに怒るから、無理しなくていいわ。
 三女のラファルは、野生動物みたいな感じだから、問題は無いと思う。

 此処からは、私の娘だけど……。
 長女のクロナは、エロイわ、性的に食われないようにね。
 次女のシロナも、双子らしく、姉と同じようか何時。
 三女のルミスは、ええ、固いけど、別に気難しいわけではないから大丈夫ね。
 四女は……今の所、家に来てないし、大丈夫か。
 五女のフィリは、引っ込み思案なだけで、ラフィから行くなら、問題ないわ。
 六女のプリシアは、好奇心旺盛な天使のような子だから、可愛がってあげて?
 7女のリィエルも……うん、あの子も好奇心は強いわ。」

 そんな感じかしら、と。
 ラフィティが注意すべきは、リスの妹、竜胆くらいね、と。
 ああ、性的という意味では娘の長女次女は7女は、気をるけてね、淫魔だからと。

ラフィティ > 時間をかけて、少しずつ外の世界を知らしめてくれた。
勿論その中には、件の組合と顔を合わせることもあったが、主が傍にいる。
それも、その当時はまだ知らなかったが、彼女の名前はその組合の中ではかなりの力を持っているということらしい。
そんな人物が傍にいるとあっては、組合としても手を出すことが出来なかった。

少しだけ、視界が開けた。
自分を苛めていた、虐げていた人が、まったく手を出すことが出来ない。
ちゃんと守ってくれる人がいるというだけで、街が怖くなくなった。
だからその日から、リスの後だけはついてくるようになったのだ。

「む~………。」

でも、正直に言えばもう少し小さくっても、というのは思っていた。
肩は凝るし、いやな目で見られるしと、あまりいい想いではない。
だが、主がそういうのであれば、まあいいかと思えてしまえるだけによく懐いている証であった。

次々に出てくる、彼女の家族構成。
どうやら少しだけ、えっちぃ人もいるらしいが…概ね、怖い人はいなさそうだ。
そう思えるのは、それらを説明するときのリスの表情が、とても穏やかだからだろう。
だから思う、きっと怖い人ではないだろう、と。

「………気を付けます、変な事されたらお嬢様に言いつけます。」

でもきっと抵抗できないんだろうな…と、思っているのは秘密だ。

リス > 彼女の為に、色々と行った。彼女の主になると言う事に対して、少女は、自分なりにではあるが責任を果たす。
 所有物を守るというのは、肉体的にも精神的にも、それを正しく行ったから、護る事が出来ていた。
 リス自身、幸運なことに商会という後ろ盾に、竜の姫という立場。
 それらも会ったからこそ、彼女の元所持者から、買い取って、手元に置くことが出来たのだった。
 その後の嫌がらせなどは、ちゃんと報復している、商売で。
 だから、今は全く問題は無いと思うのだ。

「ふふふ。もう。」

 可愛らしい。頬を膨らませている彼女。
 ほら私だって、と、彼女と同じように―――少し大きな乳房を、目の前で揺らして見せる。
 カクテルドレスの胸元が、たゆんと撓んでみせた。
 これからは、これを武器にするように、舌方がいいかもね、と。

「そうね、予め釘をさしておくのも、良いかもしれないわね?」

 娘たちは、エロいが無分別ではない。
 だから、ちゃんと言って置けば手を出すことはないだろう。
 問題ないと、彼女の頭をなでて見せた。

「逆に好きになったりしたら、言うのよ?」

 その時はその時で、ちゃんと奴隷解約とか色々しなければいけないし、と。
 まあ、その辺りも、望むなら、という形だけどね、と、ウインク一つ。
 何か、甘い物でも、食べようかしら、と、視線を向ける。
 何があったかな、と。

ラフィティ > 裏でどんなことをしているのかは、娘は知る由もない。
自分はただ、この幸せな場所でぬくぬくと浸っていたいだけだ。
例えば、そう。こたつに猫が入るかのように。

「あ、あんまりそういうの…見せないほうがいいと思います。
男の人って、結構そういうのに興奮して…」

そう、自分の中にも男があるのだ。
だからこそ、そこが反応しないように、できるだけ見ないように。
性別上、確かにラフィティは女だし、娘である。
だが、男の部分もあるのがすごく厄介なところである。
発情期は今は過ぎているとはいえ…かぶってしまっていたら、危なかったかもしれない。

「大丈夫です、ちゃんと言います。
でも、今は一番好きなのは、お嬢様ですから大丈夫です。」

というよりも、主意外に好きな人など考えられない。
外の世界への恐怖はだいぶん薄らいだとはいえ、やはりどこか。
怖いところがあるのだから、主の傍という安心できるところを、そうそう手放すことはないだろう。
甘いものを取りに行こうとするならば、後ろをちょこちょこついていくだろう。

そして、娘はちょっとしたことを思い出した。そういえば…と。

「あの、お嬢様。実は、パーティの前にお客様が…。
誰かはわからないんですけど、これをお嬢様に渡してくれって。」

それは、一通の手紙であった。

リス > 正直に言えば、裏で何をしているかと云えば、何もしては居ない。
 トゥルネソル商会は、真っ当な商家であり、清廉潔白。
 稼ぎの殆どが、陸運、海運、空運て……竜を使った輸送で、輸送費のコストダウン、大量輸送。
 そして、安定した輸送で、盗賊被害の低減だ。それにより、安くいい物を手に入れて売る、遠くから新鮮な物を運ぶ。
 それで食っているのだ。叩いて出る埃は無い。

「―――馬鹿ね?ラフィ。そう言う相手にしか、しないわ?
 少なくとも、私は、そう言う関係になっても、良いと思っているから、ね。
 貴女さえよければ、だけど。」

 判っている、彼女の欲望は、自分だって持っているものだ。
 それを知って居ての、行為というのは、彼女は、その意味を強く理解してくれるはずだ。
 リスは、彼女を優先して、手を出していない、ハーレムを作る事を豪語し、女の子を見ればすぐに口説くような。
 そんなリスが、今まで一度も手を出していない、其れだけ、大事にしているのだ、と。
 逆に、そんな相手ならば―――。

「あら、嬉しいわ。じゃあ、そのままラフィを捕まえ続けて居られるように、頑張らないと、ね。」

 彼女の安全な場所として。
 彼女の安心の象徴として。
 今後も、彼女と共に居る事は誓う。
 彼女のあこがれである事もまた、だ。

「手紙……?」

 差し出された手紙を手にし、それを開く。
 その中を見て、あら。と目を細める。

「ラフィ、ごめんね?
 一寸、お仕事が入ってしまったみたい。
 席を外すわ。何か困ったことがあれば、家令長やメイド長に、何時ものように頼ってね。」

 少女は、静かに彼女の頭をなでて、立ち上がる。
 手紙を閉じて、懐にしまいながら。