2021/12/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者の酒場」にスピサさんが現れました。
スピサ > 平民地区のギルド提携酒場

ギルドが携わる場所故に、持ち込まれた食用魔物の解体肉が卸され、酒も又、冒険者を廃業した者
所謂隻腕になったような者や体が弱くなった者など、職を与えたことでつくられる安酒が多い
密造酒との違いは、ギルドが並べギルドが認めているということだろうか

商人との個人的なやり取りは安く買いたたかれることが多いため、冒険者ギルドを介する場所は信用性が高い
その信用性の高さが、こういった場所にも広がりを見せている。

店自体も、冒険者から引退した者が初めていればなおさらに、商いをしながら依頼の良し悪し
早死にしそうな者からの依頼受付をつっぱねる等 此処で過ごす者は命を長くするだろうか。

王都で腐りきっている貴族や騎士とは違い、ここは腐れば須らく死ぬ
腐りかける一部が広がれば病のように伝染するだろう
ならば、治すか、切り取る それがギルドだ。

その酒場の、酒場スタイルの両側から開く胴体で塞がるだけのものが音を立ててギコンという
ドアベルではなく、ドアの大きな軋みがそれの代わりとなった場所から出てきたのは
革で全身をまとめた装いと、バンダナを身に着けたレザーバイザーの目元を持つ、青い肌のスピサ

腰には剣 左腕には小盾といった、鍛冶屋の中でいる姿ではなく、外に出かける際の装い
又は冒険者としての出で立ちでだった。

気質が凡そ、賑やかな者ではないものの武器や防具のことでは真面目な性質のせいか
ウケは悪くないだろう 知っている者とは挨拶をされれば

「こ、こんばんは。」

スッと片手をあげる程度の挨拶はする。

カウンターへ赴けば、いぶし銀な渋い男が鍋の中身やグラス磨きを管理しつつ
スピサと軽く挨拶を交わし合う。

『久しいなぁ鍛冶屋。 今日はお休みかい。』

「ご、午後は、いいかなって。」

火熱の炉の傍にいた体を休めようとやってきた酒場にて
食事よりも先に酒を頼もうとして。

「えっと……ナットクラッカーの日向色ので。」

店主が作った、度数が高い酒と甘いものを混ぜて作った冷たいカクテル

『あいよ。』

そう言って、今の季節は冷やしたものは簡単に手に入る。
下の収納スペースに水を張った桶に漬けておくだけでいい。
出てきた手のひら大の樽酒の中に、濃いねっとりとしたオレンジ色のそれがトンッと出された

「―――ん……ん……。」

今の時期に冷たくした酒というものはあまり人気はない
冷えた体を温めようと、火酒や燗をした葡萄酒などがむしろ人気だろう
冷たい酒は、スピサのような炉の傍にいる者ほど、恋しいものだった。
喉を鳴らす速度も、種族故にそれなりに速い。

スピサ > 強い酒と甘い何かを混ぜたものは、女殺しや炎園のように女を酔わせて連れ込むものが代名詞でも
此処では味を良くするために使われるもの
強い酒はすぐに酔いやすいものの、味はないものが多い
故の処置であるそれは毎回余り物は出さずに出し切る一日ごとに造るものを替えているブレンド酒

月光のような透明な強い酒も人気な中で、逆にナットクラッカーのようなものは冷たくしていて飲みやすい
初心者に出そうとするものは親父の餌食になるだろう 周りも協力すれば、飯代が多少安くなるというものだ
そんなつながりを示す場所故に、安全な食事が出される。

「あ、む……。」

切り分けてから軽く火であぶった黒パンと、安肉を濃い味漬けにしたとろっとしたシチュー
ただの煮込みとは違いどろっとしているのが特徴のそれに浸してから食べる。

ザクッとした中心と、味を良く吸った表面をモシャモシャと食べながらスピサの周りには
挨拶ついでに酒を受け取る者もいれば、青い肌で目元を隠す正体不明として、触れずに終わる者も居るだろう
時折仕事終わりの時間帯故にか、剣を目の前で鞘から抜きながら相談してくる者もいる。

『鍛冶屋さん、今日の仕事で魔物の額を強く叩いちまったんだ。
 ちょっとみてくれねぇか。』

そう言って、安酒を混ぜてつくるクラッカーカクテルを一杯追加注文し、鑑定代りに其処へ差し出される。

「ん。」

呑みこんでから、スピサも武器のこととなると顔つきもコミュ障が消えたように表情を変えない。
剣を抜き、鞘を返してから切っ先から鍔元までを眺める。
グローブ越しに挟んだ指先で切っ先から根本までをなぞると、スンスンと剣の匂いを嗅いでみて。

「中に、新しい鉄の匂いが出てるし……多分少し芯が曲がったか割れてる……かも。
 まだアテがないなら……相手を叩くときの加減を決めておいたほうがいいかもしれない……。」

剣は銅や青銅 鉄 鋼 と種類が分かれている中で、簡単に鉄の剣が替えられるとは思わない方がいい。
鉄の算出と鍛冶屋が多ければ多いほど、向こうも注文に従って度合いを低くしてくれるものの……
武器は古ければ古いほど、手に馴染むほどになるか、相手を打つときの加減や当てる箇所を計算しなくてはいけない。

謂われた言葉は、決して次の武器を交わせる言葉ではないものと性格で知っているのか
目元に手をやり 『オウ……』 と今の状態を知ることができただけ、命はまだ伸ばせるだろうか。

「気を付けて……ナイフをいざとなれば棒に括りつけて槍の代わりにしてもいいけれど……多分、一度きり。」

逃げるか 闘うか それを決めるのは相手だ。
鞘に納めた後は、返しながらもらった一杯をコクコクと飲み干すそれは、いつもよりしゃべりすぎたせいか。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者の酒場」からスピサさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯/川辺の小屋」にエミルさんが現れました。
エミル > 自然地帯の森に面した川辺に立つ小屋。
普段は遅い時間でも鉄を打つ音が聞こえるのだが、その日はそんな音もせずに静かなもの。
普段その音を立てている小屋の主は、その日は別の事をしていて…。

「これで5つだね。面倒な注文がなければ十分足りるね」

そう口にしては炉で溶かした鉄を型に流し込んで一息吐き。
直ぐに剣を打つならその打つ剣の型に流し込むが、そうではない時はインゴットにするのが日課。
一気に多くを作るのも大変だと決めた数だけを作成し、
その数が出来れば冷えて固まるまでは空き時間。
炉の火を落としてと細々とした雑用を初めて。

エミル > 「そろそろかな」

しばらく待ち、思いついたように冷却魔法で冷やしインゴットを完成させ。
それを重そうに一つずつ収納庫に運んでいけば今日の仕事は終わりと作業場の火を落としてその場を去って。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯/川辺の小屋」からエミルさんが去りました。