2021/11/29 のログ
ご案内:「コクマー・ラジエル学院」にアルアさんが現れました。
アルア > 授業が終わり、次の授業への時間までの休憩中、廊下を進む少女が一人。
 冬も近づいているこの時期に、オフショルダーのトップスを身にまとい、ぴっちりとしたパンツを履いている少女。
 退屈そうに琥珀の目を細め、廊下を歩く。級友が居れば。やほ、と軽く手をあげて通り過ぎる。
 級友と言っても、選択している学科や、授業が違えば別の教室な事も良くある、最初と最後だけ集まるような感覚。
 次の授業は、魔法に関する授業、基礎的な魔術の講釈を貰う授業だ。

「次の授業はあっちかー。」

 授業によって、教室が違う、講師のいる教室に足を運んで授業を受けるという形がおおい。
 指定された教室に講師が来るので、それを待つという事もあるらしい。
 教師によって、授業の携帯が違うので、移動に関しても大変なことも多い。
 学校の地理を思い出して、結構遠いなぁなんて、考える。

「魔法の授業は、叔母さんの研究室一本にするかなぁ……?
 でも、そうすると、とても難しいんだよね。」

 とことこ、廊下を進みながら考える。
 自分の両親の友人が此処で講師をしている、ちょくちょく遊びに行くし、直ぐ近くにいる気のいいおばさんという位置づけ。
 おばさんと云うと、あの柔らかな笑顔からとんでもない魔法が出るので内密な呼称だ。
 そんな知り合いの所に転がり込むのも良いのだけれど、上位冒険者パーティをしていた彼女の魔法は、自分には難しい。
 最初から魔法使いとして学んで居れば兎も角、今から学ぶにはちょっと専門的すぎる。
 なので、基礎を教えてくれる授業を選んだけれど。まあ遠い遠い。

「走るかー。」

 すぐ隣に、廊下を走ってはいけませんという張り紙があるけれど。

アルア > 「みぎよーし、ひだり、よーし。」

 全力ダッシュするにしても、矢張り人にぶつかったりするだろうし、教師に見つかったら、面白くないことが目白押しだ。
 こっそり全力でダッシュする必要があるなら、周囲を確認する必要が出てくるので。
 周囲に誰も居ない事を確認が出来た。
 ならば、とクラウチングスタートの体制を取る。
 屹度、運動部が見つけたら、物凄い勢いで勧誘来るかもしれない、でも、部活なら、冒険者部に行きたい所だ。
 なので、運動部からはダッシュで逃げる事にしている。

 プリントしたお尻に力が入り、足元に力が入る。
 グイ、と体を持ち上げて、走り始める、ぐんぐん、と廊下を走りはじめる、きゅきゅ、と靴はしっかり廊下を踏みしめる。
 加速、其処からのトップスピード。
 一歩、二歩、三歩、ばびゅーんと言わんばかりに、廊下を進んでいく、後ろから南下声が聞こえた気がするが気にしない。
 直線をダッシュで進み、カーブは……!

「いよいっしょぉ!」

 だだん、と壁を蹴り、三角に飛んで着地。
 さらに加速、加速、もう少し先に……目的の教室が見えてくる。
 よっしゃ、間に合った!
 とどめ、とばかりに速度を増して、ずざざざっ、と後ろの扉から教室に入り込む。
 未だ、先生は来てない模様、よし、とすました顔で机に着席するのだった。

アルア > 教師が入ってくる。
 教師は何事もなかったかのように、ワンドを取り出し、それで黒板に書いてある板書を指し示す。
 魔法の講義が始まる。基本の授業だからこそ、何となくだがわかる。
 ただ、魔法に関しては、まだ使えない、ここで学べば使えるだろう、魔力はあるのだ。
 マジックアイテムが使えるから、魔力が無いと言う事は無いはずだ。

 そんな事を考えながら、授業を受けているのだった。

ご案内:「コクマー・ラジエル学院」からアルアさんが去りました。