2021/11/21 のログ
ご案内:「貴族の邸宅」にメレクさんが現れました。
■メレク > 王都の貴族邸宅にて行なわれる仮面舞踏会。
普段よりも照明を落とした薄暗いホールには管弦楽団による艶やかな音楽が鳴り響き、
華やかなドレスで着飾った男女が肌が触れ合う程に身体を近付け、会話や舞踏に興じている。
彼等は皆、一様に仮面を付けており、己の素性が何者であるのかを分からなくしていた。
表向きにはやんごとなき者達の社交の場である夜会。
しかし、その実は有閑貴族達が一夜の享楽に耽るための集いであるのは明白。
貴族の他にも見目麗しい奴隷の男女や高級娼婦、事情も知らずに集められた女達が混ざり込み、
灯りが届かぬ会場の隅からは男女の熱い吐息や嬌声が、音楽の途切れる合間に漏れ聞こえてくる事だろう。
その会場の中央の壁際にて一人の男が二人掛けのソファに腰掛けて高級ワインを嗜んでいる。
でっぷりと肥えた身体に、節くれ立つ十の指に嵌めた豪華な太い指輪。
仮面で顔を覆っていながらも、正体を隠す意志が見られない彼は、この夜会の主催者である。
傍らに奴隷達を侍らせて、時折、近寄ってくる貴族達との他愛もない会話に興じながら、
男は快楽に堕落する人々の姿を眺めて、心底愉しそうに只々ほくそ笑むばかり。
ご案内:「貴族の邸宅」からメレクさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 湯屋の一群 」にエレン・ローズマリーさんが現れました。
■エレン・ローズマリー > 夜の九頭龍山脈地帯 麓の湯屋
いくつもの湯屋の中で、一つ奇妙な事柄が増えたと港湾都市の酒場で噂されていることが一つある
美人な仲居や女将の他 男らも腕が立ち山賊や魔物がどがうろつきにくい
しかし主な営業が夜 昼間は表戸を開けず寝泊まりもできない
日向の中で訪れる湯を求めてくる客を拒み、疲れきった 雨水の中でやってくる
夕暮れを過ぎた頃の客を受け入れる場所
それでも需要はある
夜になれば街並みは表を閉じ、侵入を防ぐ
夜中野宿を想う冒険者や個人商人の荷馬車などが、そんな夜の宿に赴ければ幸いだろう
都市に戻ってくる客の反応も良く、中には紹介と称して湯宿を案内するらしい
最も、そんな夜の宿
何かしらを期待しての者も少なくはないし、うら若き 麗しい女を誘うのは
湯水の効能やスタッフらが築く安全地帯という言葉に拠る
若さが保てますよ などという甘い言葉は 湯水や食事も含め
ストレスを与えることなくくつろがせるだろうか
「けれど、そんな甘い言葉は無い。」
そんなもの、たかが知れているとはエレンの言葉
半魔足る魔の部分がもたらす若さを前にすれば、そんなものはいかほど遅らせるのか
針や漢方で年若く背も伸ばさずにいるような 性癖を突きさすような幼げな姿の者もいるだろう
それに比べれば肉体改造という言葉にすら触れない宿が其処まで繁盛している様子
齎されたのは一匹の“出来損ない”
人間の王が支配する国で、入り込んだ“半同族”
それらが作り出した少数を増やし少数の糧を得ていく者らは
半鬼人を生み出し 時には童貞処女の幼げな まだ若い青年などが吸血鬼となる
エレンは率先して賞金を出す貴族としてスポンサーを務め
傭兵 冒険者 吸血鬼の専門家という好き者は滅多にいないだろうから
ここは申請都市から流れてきた戦える聖職者など
賞金 女 酒を約束するエレンは 己の立場をよく理解している
吸血鬼を殺し 己の立場をより明確にし 己の父に貢献するためにここにいた
■エレン・ローズマリー > 物語でよく見える
村の一つがいつの間にか吸血鬼が一人
吸われ死ぬ者や半鬼の動く屍が増える
廃村同然の恐れ話
それが湯屋で行われていると知れば
エレンはきちんと手順を踏み 依頼をかけ
己自身も討伐凌辱の場の中で立つ
周りは賞金を約束するスポンサーを前に
下卑た笑み 欲望 を携え、祝福された武器 銀を塗り付けた短剣 槍
又は首を切り落とす為の研がれた刃などを持つ
鎌という手もあるものの、扱いづらく周りに手にする者がいれば目立ったことだろう
松明の明かりの中 夜に敢えて乗り込むというそれは
吸血鬼狩りという殺し合いの中では唯一セオリーに反しながらも スポンサーが望んだことならばと
周りは金のかかったサービスを手に、今だ脚は竦まない
パンッ パンッ
両手を叩き、エレンは周囲の中でも小柄な背
それに対して見下ろしてくる視線の中で 手駒らの傍で笑みを浮かべる
「さぁ 狩りを始めましょう 首に変えてもいいし 灰にしてもいい
動く屍の鬼よりも本命を当てた方には、もちろん上乗せよ。」
港湾都市のホテル一室と女もつけましょうか?
などと、ボランティア精神を発揮して この殺し合いの士気を高めたうえ
湯屋の壁 入り口や扉を槌で破壊していく者らと共に
客誰彼構わずの皆殺しを命じるだろう
乗り込む者 混ざり合う悲鳴
今夜は月もない
中には火を用いた魔術師だろうか
赤々と燃やした者が転げ落ちてくるだろうか。