2021/10/02 のログ
ご案内:「地下神殿」に肉檻さんが現れました。
■肉檻 > 厳かな礼拝堂や寺院の立ち並ぶ神聖都市の中で、
その場所は忘れ去られたかの様に、或いは意図的に秘匿されたかの様に静謐を保っていた。
都市部の地下に作られた石造りの神殿。
規則正しく並べられた長椅子と、ぼんやりと灯る燭台の明かりの向こう側、
数段高く作られた最奥部の、赤い布が敷かれた祭壇の上に其れは在った。
成人男性の拳程の大きさをした、透き通る真球の水晶玉。
祭壇の上でまるで祀られるかの如く安置された其れは、静寂に包まれた神殿の中で唯物言わず佇んでいて。
傍らに設置された燭台の揺らめく光を受けながら、見る者によって神々しくも禍々しくも映るであろう不気味な輝きを放っていた。
■肉檻 > そうして、静寂に包まれた時間が長らく過ぎ去った頃。
祭壇の奥に設けられた小さな扉が開き、司祭の装いをした一人の男が姿を見せる。
男は緩慢な動作で祭壇の前に立つと、安置されていた水晶玉を拾い上げ、
その出で立ちには不似合いな程に、好色そうな笑みを浮かべながら覗き込む。
其処に映り込んでいたのは、歪曲した地下神殿の風景などでは無く。
四方を肉の壁に囲まれた空間と、その中に閉じ込められた若い修道女の姿だった。
ピンク色のグロテスクな肉の塊に絡め取られ、その身に余る程の凌辱を受けながら、
それでも官能的に腰を振り、観測者である男の目を愉しませていたのはしかし数日前までのこと。
今では見る影も無く穢された肢体はぐったりと力無く項垂れるばかりで、
男の目を愉しませることも、肉塊が啜らんとする精気を与えることも無くなっていて。
――それ故に、男と"其れ"は新たな犠牲者を求めていた。
■肉檻 > 其の侭、手にした水晶玉を法衣の中に忍ばせて男は地下神殿を去って行く。
道中すれ違う若い修道女、或いは女の巡礼者へと品定めするかのような視線を送りながら―――
ご案内:「地下神殿」から肉檻さんが去りました。