2021/09/17 のログ
ご案内:「平民地区の空き地」にタン・フィールさんが現れました。
タン・フィール > 突然にぽっかりと予定の空いた小さな薬師のお昼時。
住居であり、薬屋の店舗でもあるテントから外に出て、
今日は一日ぶらりと散歩をしたり、お店で薬の素材やお菓子を買い込んだり、空き地や自然公園に薬草や花があれば採取する。

要するに、一日じっくりとのんびりと散策やリフレッシュにあてようと、
お気に入りの桃色シャツ一枚を裸に羽織っただけの格好で、てちてちと裸足で石畳を歩む音をたてながら外へと飛び出す。

「今日はどこから、あそびに行こうかなーーーっと…んっ??」

空き地となって数年経過した平民地区の一角には、色とりどりの草花や、目を引く雑草が茂る採取ポイントがあって、
興味深そうに四つん這いになって、後ろから見れば裾からお尻がぺろんと見えてしまうのも気にせずに薬草を吟味してみる。

「ぁ、これ!ちょっとあぶないけど、元気でるやつ!…ええっと、こっちはー…」

まるで子猫が狩りの練習やじゃれつく時に、伏せてお尻をふるような仕草で、かさかさと茂みに入っていく。

ご案内:「平民地区の空き地」からタン・フィールさんが去りました。
ご案内:「石造りの牢獄」にダリルさんが現れました。
ダリル > そこは、これ以上はないというくらい、殺風景な部屋だった。
天井も壁も床も、黒々とした石造りで、唯一の出入り口は頑丈そうな錠の降りた扉。
天井近く、換気のためと思しき小窓にすら格子が填まっており、
逃げ道はおのずと限られる、そんな場所だ。

家具調度と呼べるものは、部屋の中央に置かれた木製の椅子と小卓、
卓上でぼんやりと光を放つ、無骨なつくりのランプだけ。
そんな部屋に置かれた椅子へ腰かけさせられたのは、もう、半時ほど前になるか。
ただ腰かけさせられたのではない、当然、両腕は背凭れに、後ろ手に縛りつけられている。
けれど拘束と言えばそれだけだったから、少年はひどく退屈していた。

「……なんだよ、畜生……まだ、なんにも盗ってねえってのに」

久しぶりに身軽な黒ずくめの格好で、闇に乗じ忍び込んだ矢先、
あっさり見つかって捕らえられ、この状況に陥ったわけだ。
まだ責められるようなことはしていないと思うので、少年は強気である。
正面にある扉をじっと睨みつけ、もし、そこから誰か入ってきたら、
思いつく限りの罵詈雑言だけでなく、蹴りのひとつも見舞ってやろうと決めていた。

ダリル > ――――――――かくん。

少年の首が傾いで、人形じみたぎこちなさで瞼が降りる。
そうして聞こえ始めるのは、健やかすぎる寝息。

緊張だとか恐怖だとかが、今、眠気に負けた瞬間だった。

ご案内:「石造りの牢獄」からダリルさんが去りました。