2021/07/14 のログ
ご案内:「平民地区の繁華街」にジェイクさんが現れました。
■ジェイク > 王都マグメールの平民地区。
富裕層でも、貧民層でもない、名前の通りに平民の多くが生活する地区は、
王都の中でも最も面積が広くて、人口も多い賑やかな場所である。
老若男女、種族も貧富の差もなく大勢の人々が往来する繁華街は
一見すれば貧民街より治安が良く、富裕区よりも便利で、住みやすさを感じさせる事だろう。
衛兵の詰め所も存在する此の地区では、必然的に街中を警邏する兵士の数も多くなり、
行き交う人々の不審な行動には絶えず彼等が目を光らせている。
だが、その瞳が必ずしも治安維持のためだけに輝いているとは限らないのがマグメールの所以でもあり。
「おい、――――そこのお前。少しだけ良いか?」
なめし革の胸甲を身に纏い、腰に剣を佩いた警邏中の兵士風の男が
繁華街の大通りを歩いている女の後ろ姿へと声を掛ける。
ちらりと覗いた横顔が好みであったのか、或いは、顔見知りだったのか。
口端に滲んだ嗤みは、この後、彼女に降り掛かる災厄を象徴しているようであった。
ご案内:「平民地区の繁華街」からジェイクさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 鍛冶場工房地区」にスピサさんが現れました。
■スピサ > 平民地区の鍛冶場工房が並ぶ一帯
砂鉄や良質な鋼を運んでくる業者も楽であり、打つ音は昼も夜も聞こえてくる
中には錬金術が、純粋な一つの金属を抽出しようと鉱石を割り、煮込む者もいるだおるか
スピサは小ぶりな雨が降る曇り空の昼間
硬い鉄を撃つ キンッ キンッ キンッ という音が響く工房の中にいた
サイクロプスの単眼が、炉の火の色を見つめ、引き出される真っ赤に熱されたそれはもはや赤ではない
橙色が非常に薄くなり、そして光っている そんな色を持つ鋼
「……うん。」
それを何度も、その筋肉の見える青い肌の腕に握る玄翁 それが振り下ろされる
それによって、鋼の中にわずかに残る不純物 そしてスピサの打つ振り下ろしに耐え切れず
剥がれ落ちていく表皮という弱い鋼
一つの塊を何度も叩き、切れ込みを穿ち、折り返す
一つの塊を伸ばし、畳、また伸ばす 強く、一つの鋼の塊という
ただの磨き上げだけでは得られない鋼の層の魅力 それをスピサは今も造り続ける。
店としては開けている札をつけている上に、鍛冶の音は聞こえているだろうけれど
それでもこの場所に訪れるのは、友人か 武器や防具を求めてくる誰かと相場は決まっている。
■スピサ > 王都マグメールは 海と陸 両方の境目に位置する場所として
色々なものに恵まれている それは戦場だって同じだ
陸では獣を殺すことのできる剣が
海では海賊を屠ることのできる剣が 求められる
故に鍛冶の作り出す、得手不得手によっての需要がある中で
スピサは種族やその腕の強さが、鉄を固めて強くする 単純で強い
そんな武器に少しの工夫で打ち続ける音がする。
武器を作り出すための鋼の塊が もういくつもつくられた
特に作りたいものがない場合、鉄を鍛える それをするだけでも鍛冶師の心は満たされる
祖の塊を 求められてか なにか造りたいものが見えてなのか 形を作るまで
その鋼の塊は火と槌が、造り続ける。
そして満足がいったのか、今は依頼もなければ納品してほしいと数を求められてもいない
水桶に蓋をした綺麗な水を、手元から離れて椀で掬って二度、三度
火元で浮いた汗がつく青い肌を冷まし、癒す様に 喉を鳴らす
ごぎゅ ごぎゅ ごぎゅ はぁっ
工房に、うまそうに水を飲み音と口端から伝う水の痕。
そして、誰かに渡すつもりなのか やや変わった鍛鉄の斧が一つ 壁に立てかけられているのを眺め。