2021/07/01 のログ
シロナ > 暫くの間、少女は飛んだり跳ねたり転がったりしてみるのだけども、特に違和感などは感じなかった。
 体はきちんと動くし、何かしら、重りがあるような気もしない。ぐ、ぐ、と己の体の調子を調べるように柔軟体操などをしてみるモノの、問題はなさそうだ。
 そして、ゆっくりと教師の方に向き直る。

「という事で、アタシも、授業に参加して、良いのかな?」

 教師に確認するように首を傾いで問いかけてみれば、問題ないという返答を受け取って、よっしゃ、とガッツポーズ。
 近くでは、学友たちが、思い思いの武器を手に、模擬戦をしていたり、教師に武器の型などの講習を受けて居たりする。
 授業自体は同じ時間帯で、本人の実力と好みで受けられる授業を変えられる。
 同じ武術としても、剣術を初めとした武器格闘、体術を初めとした素手格闘など、細かく分かれている。
 それぞれの科目に一人教師が居て、どの教師から学ぶかを自分で決めるタイプだ。
 さて、シロナは―――。

「重武器だし、その辺の先生にした方が良いんだよね。
 えっと、誰だったっけな。」

 色々な先生がいるし、さて、どの先生だったか。
 一応戦士ギルドで毎日先頭に明け暮れていたために、技術もそれなりに在るはずだ。
 其れを示すいい機会だよね、なんて、うきうきスキップしながら先生を探す。
 若しくは、こう、ビビット来た相手が居れば、その人と訓練をするのも良いだろう。
 深紅の瞳は獲物を探す様に、右に左に。

シロナ > 「うーん……っ。」

 流石に、居ない模様―――と言うか、前回の授業の時に、見事に先生をぼこぼこにしていたのは皆の記憶にも新しく。
 そんな少女と模擬戦だのをしようとするのは居なさそうだ、なので、先生を―――と思ったのであるが。
 さて、どの先生が何の武器なのだろうか、武器を持っている先生は見分けがつきやすいので。
 武器を持っている先生を探して、校庭を歩く少女。
 この学校の皇帝は広大な広さでありそこかしこで訓練をしているので、見つけるのが一苦労なのであった。
 むむむ、とそんな風に唸りながら少女は、先生を探すことにして。

 そして、ようやくと言ったところで先生を見つけて模擬戦をして。
 ちゃんと力が封印されていることを確認して、先生指導の下、級友たちと訓練をすることになったのだった。
 それでも、戦士ギルドで訓練しまくって居たからか、技術も頭一つ抜けて居る事が、発覚するのだった。

ご案内:「コクマー・ラジエル学院運動場」からシロナさんが去りました。
ご案内:「夜の町中」にタン・フィールさんが現れました。
タン・フィール > 時間は昼前。
酒場や飲食店が立ち並び、服飾店や雑貨を物色する人々や、ひとときの快楽や日銭を求める娼婦と客らで賑わう街の中。
その一角の魔物の素材屋や、珍しい香料や精油を取り扱う雑貨店にて

「…そ、それじゃ…っどうも、ありがとっ…! また、きます、からっ。」


素っ裸に桃色シャツという開放的すぎる寝間着のような姿の小さな薬師が、
今日はその服装やカラダのシルエットがすっぽり隠れるオーバーサイズのフードローブを羽織り、懐をしっかり閉め、
たった今購入した魔物の皮や牙、内臓の干物や茸や体液の小瓶をつめたバスケットをぶら下げて、
ぺこぺこ店主にお辞儀をしながら退店してきた。

「……ふ~っ…これで、十分かな…? いそいで、治さなきゃ…っ」

その姿を隠している理由は、昨晩に試作していた肉体変化の薬の調合失敗。
フラスコから煙幕のように立ち上った煙を吸い、浴びてしまい、
その肉体は少年に想定外の変化をもたらしてしまったようで、
その姿を隠すためのフードローブ姿であり、治療薬の素材の買い出しあった。

はたして、フードの奥ではどのような変化を遂げていることか。
ミレーのように獣人の要素を得てしまったか、性別や年齢や、体の一部が変わってしまったか…
それはその姿が、誰かの前で晒されるまで一見しては判別できず…。