2021/05/30 のログ
ご案内:「街道」にジェイクさんが現れました。
■ジェイク > 王都から離れる事、半日。昼下がりの近隣の村落に通じる街道。
普段から人の往来が多い、その道を遮るように柵が設けられ、
道の脇には幾つかの天幕が建てられ、簡易的な陣営の趣きを為していた。
街路に立ち、通行する馬車や通行人を差し止め、積み荷や身分の検査を行なっているのは、王都の兵士達。
曰く、此処最近、山賊や盗賊の類が近隣に出没するために検問を敷いているという名目であるが、
実際の所は隊商からは通行税をせしめ、見目の良い女がいれば取り調べの名を借りて、
天幕でしっぽりとお楽しみという不良兵士達の憂さ晴らしと私腹を肥やすための手段に他ならなかった。
「――――よし。次の奴、こっちに来い。」
でっぷりと肥った商人から受け取った賄賂を懐に入れて、彼の率いる隊商を通せば、
列をなしている次の通行人に声を掛けて近寄るように告げるのは一人の兵士。
何よりも厄介なのは、彼らが紛れもない王国の兵士であり、市井の民が逆らえない事だ。
そして、その事を理解している兵士達は、御国の為ではなく利己的に国民を食い物にしている最低最悪な屑揃いであった。
ご案内:「街道」からジェイクさんが去りました。
ご案内:「街道」にアリシエルさんが現れました。
■アリシエル > 「どうしたの、なんで馬車動かないの」
馬車が動く気配がない。前に乗っている店の男の人に聞いてみたら、渋い顔をしている。いら立っているような。二人が目を見合わせているが、わたしには聞いてほしくないとうようなポーズでシンクロして首を横に振った。なんだか問い詰めてしまいそうな悪いような気持ちになって、一歩下がった時。女性の甲高い悲鳴が聞こえた。
店の男たちは嫌な顔をしていたけど、ぶっきらぼうにわたしに答えた。
「心配するな、もう列が動き出すから、大丈夫だ。お前はな」
意味はわからないけど、元の荷台の華桶の中に身を埋めるようにして馬車が動くのを待つ。本当にすぐに動き出した。すぐに、柵と天幕があった場所を抜けた。天幕の中で人がごそごそと動いているのが外から見てもわかる。店の人たちも隊列を組むように、速度を上げて離れていく。
私は華桶の中から身を乗り出すように、天幕を見つめていた。
ご案内:「街道」からアリシエルさんが去りました。
ご案内:「トゥルネソル商会 王都・マグメール店」にリスさんが現れました。
■リス > 王都マグメールの平民地区と、富裕地区の中間地点にあるトゥルネソル商会。
その店の事務室で、少女は見取り図を眺めていた、新しく出来た部門、警備部門の待機場所を、何処に作るか、という事を悩んでいるのだ。
今まで、外に出ていたラミスが帰ってきて、その娘も一緒に戻って来た、大人の娘の言うには、何かしらの仕事が欲しいと。
其れで、今までのトゥルネソルに足りない物、商売ではない部分でのものに目を向ける、母親の騎士の技術をしっかりと受け継いだ娘だ、其れを生かすのならば、本来であれば、王国の騎士団に入れるのが最上なのだろう。
しかし、ラミスと、その娘ルミスも、其れを望まない、ならば、という事で、警備部門を設立する。
前々から、警備は傭兵だよりでもあったし、ドラゴンたちでは火力が高すぎるので、何とかしないと、と思って居た。
店員に武術を覚えてもらう、と言うのも考えたがそれはそれで、と。奴隷であることも考えれば、善くないのかもしれない。
という事で渡りに船、と警備部門を設立した。
ただ、未だ設立したばかりで人数は少ない、その辺りも今後の課題よね、と少女は考えていて。
「こう言うのは、ゼナとかが詳しいんだろうけどなぁ……。」
最近全然帰ってこない嫁を思い出しながら、少女はため息を吐き出す。
正直に言って、武術とか、戦いとか、そう言った知識は一切ないのだ、なので、そういう事を相談できる人が居てくれると嬉しい。
ただ、一番頼りたい嫁は、ぼうけんしゃだからか、何か月も帰ってこない。
最後に有ったのは何時頃だろう、と思うぐらいだし、便りも来ない、元気なのだろうとは思うけれど、不安も多い。
とは言え、帰って来てくれることは信じて居るので、少女は待つ事にしているのだけど。
「むう。」
小さく唸り、思考が逸れた、と図面に視線を戻す。
休憩を考えるなら、店の外の土地だし、警備上で考えるなら、店の中。
どちらにしようか、と。
■リス > 「……人が増えることを考えるなら、外と中の二つ、両方作ろうかしら。」
休憩用に、即応用。人が少ない今は、その二つを作っておいた方が良いと思う。
人数が多く成れば、そういう風に別けるようにした方が良いはずだ、そう考えると出てくる問題として。
「後は、人員、よね。」
警備に使うと言うのであれば、実力と其れなり以上の性格が求められると少女は思う。
荒事だから、荒々しい人……確かに、そういう風な人間も必要だろうがそれ以上に、周囲に気を向けられる人間が望ましい。
警備も、トゥルネソルの顔となるのだから、その辺りも考えた人員が欲しいわ、と。
それならば、少女は視線を動かす。
そして、事務室を出て、フロアに出て、お客様を眺めることにする。
冒険者を引き抜くとかは―――如何だろうか、と。手っ取り早いのは其れだろう、実力的にも。
本当にそれで良いのだろうか、と言う思いもまた、店長として考える。
「うぅん……。」
先ずは、募集の髪を張るなりなんなりをして、募集を掛けて、其処から考えてみるべきではないだろうか。
人を見て、選別していけばいいのでは。
ただ、自分では人となりは見れても、戦闘的なことは全く分からない。
どうしたものだろうか、少女は、店の一階フロアを、見回りながら、考え続ける。
■リス > 「……ノウハウって、本当に大事、ね……」
こういう時に、頼れるような相手は、居ないだろうか、流石に実家の父母は、無いだろうと思われる。
そもそも、有ったのなら、警備部門とか、有るはずなのだろうしというか、実家の方は、そう言ったものが必要ない。
父親の、商会を立ち上げる前の部下は、海の男だ、なので、其れなりに腕っぷしもあるのだ、それがしぜんと暴漢などに対する対抗策になって居るし。
「―――ぁ。」
警備、で思い出すのはバフート支店、あそこは、治安が悪いので警備などはしっかりしている筈だ。
あそこの支店、リスは誰が店長をしているのかは知らない、と言うか、余りあそこに寄らせては貰えない。
父親と母親は知っているようだけども。
あそこの支店であれば、警備のイロハはあるはずだ、無ければ可笑しい。
「じかに言って、教えてもらうか…マニュアルを貰うか、ね。」
そうはいってもまずは、会長である父親にお願いするべきだろう。
警備部門の人員募集に並行して、その辺りを打診するべきだと少女は考えて。
その思考を這わせつつも、少女は階段を上っていく。
二階のフロア、何か問題とか、困っている人が居ないか、とか。
そんな事を、確認する為に。