2021/05/02 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 深部」に雪華さんが現れました。
雪華 > 滝の落ちる轟音が付近に響き渡る。
時刻は直に夜の帳の降りる頃だろうか。
普段は人気の無いその場は知る人ぞ知る名スポットであった。
とは言え獰猛な原生生物や魔物の類も頻繁に出没する危険地帯でもあり、不用意に近づく者が居ないのも確かだ。

「……。」

しかして今は1つの人影が見受けられる。
静かに瞳を閉じ滝に打たれる少女。
彼女は果たして何時間そうしているのだろうか。
岸辺の焚き火はとうに燃え尽きている。
片手に握られた刀をピクリとも動かすことも無く、彼女の鍛錬は続いていた。

ご案内:「九頭龍山脈 深部」にエイブラさんが現れました。
雪華 > 「……ふぅ。今日はこのくらい…かな?」

まるで立往生のようにも見えた彼女はぴくりと動く。
滝から数歩離れ向き直る。

「いざ、尋常に。」

鞘に収めたままの刀を腰だめに構える。
東洋の居合に酷似した構えで気を練ること数十秒。
彼女の蒼い髪から雫が伝い足元に落ち波紋を作る。
刹那…刀身が閃く。
流れ落ちる滝に対し逆袈裟に描かれた剣跡はどうどうと降り注ぐ水の1部を重力に逆らい登らせた。
しかしながらそれも一瞬の事でつかの間の無音はすぐに降り注ぐ水の轟音に飲まれていった。

「今日の鍛錬終了。ありがとうございました。」

その礼は誰に向かうでもなく自然へと溶けていく。

「あー。お腹すいたな。持ってきた食料ってまだ残ってたっけ?」

装束を整え川から上がる彼女は先程までとは打って変わって年相応の少女の顔をしていた。