2021/05/01 のログ
ご案内:「街道」にジェイクさんが現れました。
ジェイク > 王都から離れる事、半日。昼下がりの近隣の村落に通じる街道。
普段から人の往来が多い、その道を遮るように柵が設けられ、
道の脇には幾つかの天幕が建てられ、簡易的な陣営の趣きを為していた。
街路に立ち、通行する馬車や通行人を差し止め、積み荷や身分の検査を行なっているのは、王都の兵士達。
曰く、此処最近、山賊や盗賊の類が近隣に出没するために検問を敷いているという名目であるが、
実際の所は隊商からは通行税をせしめ、見目の良い女がいれば取り調べの名を借りて、
天幕でしっぽりとお楽しみという不良兵士達の憂さ晴らしと私腹を肥やすための手段に他ならなかった。

「――――よし。次の奴、こっちに来い。」

でっぷりと肥った商人から受け取った賄賂を懐に入れて、彼の率いる隊商を通せば、
列をなしている次の通行人に声を掛けて近寄るように告げるのは一人の兵士。
何よりも厄介なのは、彼らが紛れもない王国の兵士であり、市井の民が逆らえない事だ。
そして、その事を理解している兵士達は、御国の為ではなく利己的に国民を食い物にしている最低最悪な屑揃いであった。

ご案内:「街道」からジェイクさんが去りました。
ご案内:「路地裏」にタン・フィールさんが現れました。
タン・フィール > 王都の平民地区、商店街と住宅地をつなぐ人通りの少ない路地。

冬に体を温める効能のある食材や薬の材料などを買い出しに来た小さな薬師が、
ぱんぱんに素材が詰め込まれた紙袋や革袋、おおきなリュックサックを背負って、
十数歩歩んでは一休み、 一休みしてはまたなんとか歩き出す懸命な行軍を繰り返していた。

「っふーーーっ!…ちょっと、よくばって買いすぎちゃった、かも…」

寒い冬の日が続くなか、少年が自らの住まいとし、薬屋としても開いているテントのなかの、
薪ストーブや焚き火の温もりはなかなか抗いがたい安らぎで、
なるべく外出の頻度を下げるために、少年の細身では持ち帰るのも難しいほど、
ごろごろとした野菜や果物、干物やキノコ類などを買い漁ってしまった。
その合計の重量は10キロにせまるほど。

筋骨隆々の兵士や冒険者とはいかない小さな薬師の腕や足腰が限界にきて、
いったん荷物を下ろすたびに「ずん」と鳴るほどの重量に途方にくれながら、
じんわり汗ばんできた額を桃色のシャツの裾で拭って、
まだ自分のテントが見えてこないか、路地の遠くの方を赤い目をぱちくりさせながら見据え、息を整えている。

タン・フィール > その後、テントが見えてくれば足早にそちらへ向かっていき…
ご案内:「路地裏」からタン・フィールさんが去りました。