2021/04/16 のログ
ご案内:「港湾都市 ダイラス カジノ船」にイスルスさんが現れました。
■イスルス > 昼も夜も、港は船がつけれる
人が、荷が、金塊が 時には死体だって運ばれる
海の上というリスクと引き換えに手に入るゴルド
そしてそのリスクを、カジノというスリルへ浪費されていくゴルドに化ける
大型船カジノ ダイラスのハイブラという場所とは違い、商業施設ではなく海の傍に身を置くそこ
ハイブラゼールとはまた違った鮮度の場所で、ラムや高級酒 名前もない青い酒を片手に呑まれていく
「……。」
カジノ船の一角
賭け事に興味はなくとも、知識は飼い主から入れられた人狼メイド
カジノ船のオーナー船長とは、酒のやりとりで懇意にしているボスは、樽で寝かせた琥珀酒を片手に 船長と良き商売を眺めている
人の詰まった船というものは、なんとも言い難かった
無言 無表情な人狼 種族の匂いが色々と混じるそこは、メイドにとってスリルも 恐怖も リスクもない
匂いが詰まり、人が耐えきれずに足を踏み外し、連れ去られていく悲鳴だけがある
主が、匂いにうっとうしそうにしているメイドを察したか、好きにしていていいと言った
主の咥える葉巻の匂いはもはや慣れているもの その甘い香りの詰まる紫煙よりも嫌だといえた
主に、腹部で両手を添え、首を垂れる
手をメイドの頭に乗せ、耳が伏せることで隠蔽された月明り色が数度撫でられた
「グルッ……グルッ」
その喉鳴りは、どんな感情なのかはいざ知らずとも
葉巻の匂いと、宝石指輪を身に着けた主の指で撫でられることを嫌がるものではない
そして甲板の上で潮風の匂いを感じながら今に至った
主が呼べばすぐに飛んでいくし、犬笛で密やかな招集にも応じる
故に、主もメイドも、互いにゆとりをもってカジノ船を巡るだろうか
■イスルス > カジノ船は甲板から入り込み、船内へという階段を下りての入場となる
故に、目立たない場所で佇んでいるものの、時折そこには面白いものも見ることができた
宝石やゴルドだけではない
チップを購入するために、ケンタウロスや踊り子 人心による換金取引
口枷や手錠 暴れることもできない身なりで入り込んでいく
チップ換算幾らになるかは知れないものの 端獄を見た気分に、メイドの気分は僅かに持ち上がる
景気の良くなった者らへと、その場で即売でもすればいい取引になるだろうか
帰りは薬で体を脱力させればいい話だ
「……。」
そうしている間にも、時折メイドの存在に気付いて近づく者はいる
ボスの知己や酔っぱらいなど
前者は主は船内だと手指で示し、案内することもあるだろう
後者は、勝ち組ではなく目減りしてしまった金で酒を買ったプチ負け組
なら、と問題はない 勝ち組をいたずらに手を出すのは、賭場の御法度
負け組に、因縁はない 襟首をつかみ、持ち上げ、海へ堕とすまでそう時間もかからないだろう
その際、手首に一線の傷
血がこぼれるそのままに、岸とは真逆の、夜の海へ
鮫か肉喰らいでもうろついていれば、さぞいいだろう