2021/03/30 のログ
ご案内:「トゥルネソル商会 王都・マグメール店」にリスさんが現れました。
リス > 王都マグメールの平民地区、富裕地区の中間点、大通りにある大きなレンガ造りの四階建ての商店。
 トゥルネソル商会、其処は、広く、大きく、様々な品物を取り揃え、売り出している商店で、此処に来れば一通りの物は揃うと言われている。
 もし、その場になくとも注文をするなり、店員に尋ねれば、案内して貰えたり、取り寄せてくれる。
 品物自体も、善いものを取り揃えている、量産品の剣一本をとっても、ドワーフの鍛冶師の作品であり、品質は高い物。
 食料も、独自の輸送ルートにより新鮮で、様々なものが売られている。

 そんな、大きな商店の店長である少女は、今。

「次の馬車便は……と。」

 一回の受付カウンターで、サービスの確認をしていた。
 物だけではなく、移動も売っている、安全に移動する為の馬車便に、船便、そして……他では見ないだろう、竜による空輸。
 竜による空輸に関しては、少女自身が人竜―――竜の姫だから、出来る特殊な事だ。
 でなければ、プライドの高いドラゴンを使役し他人を乗せるなどは普通に考えて無理だろう。
 その強みを全力で使って、少女は新鮮な食料を色々な所に運んだり、色々な所から取り寄せているのである。
 そんな仕事をしながらでも、客が来れば少女は対応に出る。

 一応、店員たちにも一通りの訓練をしているものの、店員では答えられない物。
 店長が必要なお客様など、少女自身も動くことは多いのだ。
 それに、店長だって、立派な店員なのだから、一緒に働き、一緒に物を見るのだと、少女は考える。
 だから、必要を感じた場所は、少女が自ら掃除だって、する。

 それは兎も角、だ、今は一階の受付で、作業をしている。
 入ってくるお客、出ていくお客、それぞれを、見て、あいさつをしながら。

リス > 楽し気に入ってくる親子連れも、何かを探している様子の男性、冒険者と思わしき風体の人。
 様々な人がやって来て、そして、帰っていく。
 買い物をしている人が居れば、サービスカウンターで武器や防具の修繕を頼んでいたり。
 馬車便や船便などのチケットを買い求めている人も、いるようだ。

「―――――。」

 そういえば、と少女は考える。
 自分の妹や、嫁等、冒険者に関係のある人は居るもので。
 それならば、冒険者ギルドを設置するのはどうだろうか、一階に、専用の窓口を作ってしまえば、冒険者たちの利便性は上がるだろうか。
 しかし。

「そうなると、冒険者が中心になりそう、とも思えるのよね。」

 様々な物品を扱い、客層に関しては、冒険者だけではなく、色んな人に来てほしい。
 ギルドを設置するのは出来なくはないだろうけれど―――しかし、それは客の固定化を招きそうだ。
 案としては作り上げて置いて、どうするか、父親や、他の人にも相談してみた方が良い。
 こういう物は、ひらめきは必要だが、ちゃんと設けられるかどうかなどの試算がだいじだ。
 ただ、有名な冒険者が来るようになれば、その分利益も大きくなるだろう。

 利益と利便、あと、客の足。
 一概に言えない物ね、と思案し、視線を動かす。
 楽しそうに買い物をしている親子連れ客を、目を細めて眺める少女

リス > 「さて、と。」

 しばらく作業を行い、書類の作業を恙無く終わらせていく。馬車や船便の客の振り分けなどは然程時間が掛からない。
 慣れたもので、あれやこれやと考えつつも行う事が出来るので、少女はしっかりと、定員を見極めて、配置していく。
 船便は兎も角馬車便は盗賊の危機もあるので、少女は冒険者を雇い入れて護衛とする。
 所属のドラゴンを使わないのは、戦力過剰なのだ。それに、ドラゴンに守られていると言うのは、安心と恐怖が共に発生する。
 というか、失礼な客にドラゴンが攻撃してしまうという事も考えられるので、少女は人間で護衛を雇う。
 これも金の流れと考えるならば、問題は無いだろう、経済を回すと言うのは大事なことだ。
 ただ、少しでも真面目にしてほしいので、給料は、依頼料は、高めに設定している。
 そんな采配を終えてしまえば、やることが無くなる。

 火急の、という意味でだ、日常的な仕事などは、何時でもあるのだし、と。
 少女は立ち上がり、店内の見回りをすることにする。
 品薄になって居る商品が無いだろうか、困っている客がいないだろうか。
 店員が対処しきれない状況がないのか。

 それを調べる必要があるし、広大な敷地故に、歩いていくにも時間が掛かる。
 自然と見回りの時間が長くなってしまうのは仕方ない事だろう。
 とことこ、と、少女は店内を歩き始めた。
 

リス > 「特に、問題のありそうなところは、なさそう、ね。」

 品物に関しては、ちゃんと店員がチェックして品出しをしてくれている。
 お客様への対応も問題なく行われている。
 そう言ったあれこれを眺めつつ少女は店内を歩き、確認していく。

「それなら、今日はもう、上がっても、良いのかしら、ね。」

 夜勤の店員に問いかけて、大丈夫と聞けば、少女は其れなら、と。
 事務室に戻り、荷物をまとめて、去っていくのだった―――

ご案内:「トゥルネソル商会 王都・マグメール店」からリスさんが去りました。