2021/03/28 のログ
ご案内:「王都の路地」にタン・フィールさんが現れました。
■タン・フィール > 王都の一角、様々な露店や飲食店、雑貨屋が並ぶ通りの路地。
そこを桃色のシャツを一枚素肌に羽織っただけという恰好の、
買い物帰りの薬師の少年が少しおっかなびっくりの足取りで歩んでいく。
(ううーっ... ここの道、ちょっとひとけが無くって、こわいんだよ...っ...さっさと通っちゃお)
普段、薬師として活躍している少年が手に下げたバスケットには、
粉末の香草やスパイス、きのこ、精油など薬の材料となる素材や食材がいくつか詰め込まれている。
それらは、ある種の香水と同じように、
8割の柑橘や花弁のふくよかな良い匂い
1割の、きつめの体臭や野生動物を思わせる悪臭
1割の、性の分泌物を思わせる淫靡な香り...という割合の異様な芳香を漂わせ、
路地を歩んだ少年の軌跡となっている。
その匂いにつられて、時折ひょこひょこと路地裏から野良猫や野良犬が幼子の跡をたどるように顔をのぞかせ、
裸足で歩む小さな子供のシルエットの後ろを、数m離れて犬猫の行列がひたひたついていっては、
気配を感じた薬師が振り返ればサッと四散していく、奇妙な光景。
■タン・フィール > その後、迷路のように入り組んだ路地のあちこちから、独特な薬師の香気が漂って、しばらくの間残留する。
おそらくは、その複雑怪奇な道筋に迷い込み、
幾度となく往復し、さまよったのだろう。
その香気に釣られて、道々の小動物や、
あるいは娼婦やそれを求める者たちにも、ひとときの盛りをもたらしてしまったかもしれない。
ご案内:「王都の路地」からタン・フィールさんが去りました。