2021/03/10 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 鍛冶場工房」にスピサさんが現れました。
■スピサ > 王都 日中 工房内
スピサは工房にて腰を下ろし、革のオーバーオールにグローブブーツ
素肌の上から纏う革と薄青い肌 錬金術師同様、鍛冶で培った筋肉のある腕が露出されている
眼帯を外された単一の眼は、炉に灯された火の具合を一挙動も見逃さずにいた
ボゥゥゥゥゥ ボゥゥゥゥゥ
火の息吹が、唸りを上げる
鞴から押し込まれる空気の流れで、炎が唸り、炭が色づく
火掻き棒で表面をずらしながら、炭が色づくものを選ぶ
夕焼け色の眼は、その火の色を 声を聴く
傍に用意されたものは、鋼のインゴット
それも、表面に刻印が打たれた上質な錬金仕上げのものだった
スピサに、魔術も、魔法もわからない わかる道理は火と鉄だけだ。
しかしこの刻印は、固く、雄々しくさせるものであると聞いた
入手経路は省くとして、その練られた鉄(かね)の温度に合わせていく
鉄は矢として鋭く称される 鋼は逆に剛という強いという字が入れられた。
目指すは剛剣と呼ぶ代物だろうか
傍には、羊皮紙にどういう形状にしようか
黒炭ペンで書かれたスケッチには片刃とナックルガードの付けられた直刀が描かれている。
「……おまえはどういう形になりたいのかな。」
鋼に、ふと声をかけてしまう
武器や鋼に声をかけるのは、愛剣や鍛える側の持つ性だろうか。
■スピサ > 火にくべる時がやってきた
鋼のインゴット 既に立派な金属の塊となったそれは、素材という段階から純粋な鉄の塊へと成る時期を終えている
しかし、スピサは刻印を傷切らないように注意しながらも、濡らした上質紙で包む
鉄棒の上で濡らされた鋼の塊の上から、粘土水と混ぜた藁と金食い虫の灰を塗した
鋼以下の成分はいらないと拒絶する絶対的な意思
表面な粉っぽくなったものを、炉に入れる
しばらくの間は、赤く赤く燃え上がり、白に近い火色へと変化していくだけの鋼塊
しかし、僅かに、ほんのわずかに弾けるような音が聞こえ始めた
鋼以下の不純物がはじけ、燃え上がる中へ表面へとせり上がってきた印
時間は通常と比べて少なく、その音が止んだころ 炉から外れ、金床の上に載せられる。
「……―――シッ!!」
金床の上にて、形をまずは作り上げる為に
そして表面に残る不純物を弾き飛ばさんと、バトルハンマーのような角を削った箱形の鉄槌が振り下ろされる
コォォォォンッ!
「かっ」
―――硬った……!
最初に打ち付けた威力は、種族性でいえば申し分ない力
しかしそれを跳ねるような硬度を感じ取り、グローブ越しに握る革の音がギチリと鳴った
もっと力を込めてもいいんだ、と理解させる
ただ殴る様に打ち付けては本来はだめなそれは、スピサに力でまずは鍛えたものにいうことを利かせる時間になっていく。
叩く 叩く 叩く 叩く そして炉に入れ、再び火を入れさせる。