2021/02/13 のログ
ご案内:「町はずれの廃教会」にブレアさんが現れました。
■ブレア > 人ならざる者ゆえに、魔を祓う領域が朽ちているところを、
闊歩したくなる時がある。聖地を汚したいとは、別の思いだろう。
単純に、こういう場所は落ち着くのだ――自分の居場所とすら思えた。
なのに。
「………」
先客がいる。破損した扉の奥。今夜は月明かりが乏しく、半壊している屋根に差し込む光は心許ないが――夜目の利く自分には関係がない。
フォーカスに時間が少しかかったが、その輪郭を捉える。
硬質な靴音を鳴らしながら、
「――物好きだよなあ、お前も」
■ブレア > 知り合いだろうが、初対面だろうが。
飄々と馴れ馴れしく話しかける。しかし、敵意は見せない。
……今のところは。
「夜の散歩にこんなところを選ぶなんて――センスあるじゃん。
俺と一緒~♪ 光栄に思ったら?」
廃教会の中。半ばまですすんだあたりで、暢気にそう言った。
先客の反応はどうだろうか。おどけた態度でこちらは様子見しているわけだが。
ご案内:「町はずれの廃教会」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
ご案内:「町はずれの廃教会」からギュンター・ホーレルヴァッハさんが去りました。
ご案内:「町はずれの廃教会」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
■ギュンター・ホーレルヴァッハ >
此の場所を訪れたのは、偶々――だった。
日が昇っている時間、人の手が及ばなくなった教会や、スラム間際まで寂れた街区の視察に訪れていた。
其の侭、夜更けまで役人達の歓待を受けた帰り道。
ふと、祀る神を喪った教会で、物思いに耽りたくなっただけ。
「……光栄に思うのは貴様の方だと思うがね。
それとも、此の私が見知らぬ貴様とセンスとやらが同一である事を有難く思うとでも?」
彼女の瞳に映るのは、豪奢な礼服を纏った少年。
煌びやかな装飾と、上質な素材の衣服は、少年が上流階級である事を如実に伝えているだろうか。
「まあ、此の国の民全てが、全ての高貴なる者を知り得ているとも思わぬがね」
尊大な口調で、彼女に向き直る少年は、小柄で華奢。少女と見間違う様な顔立ち。
そんな少年が尊大に、傲慢に。フン、と吐息を零しながら、彼女に言葉を返すのだろうか。
■ブレア > 「……まさか、カミーユ? ――カミーユ・アゼマ?」
尊大な美少年の言葉を無視して、女が口にする名前は、この国の人気の若手俳優のことである。
彼は知らないかも知れないが、彼とその俳優が瓜二つ……いや。
目の前の少年のほうが美しいかもしれない。よく見れば細部、というか雰囲気が全然違う。
だいたい、売れっ子の若手俳優がこんな場所にいるわけないか。
カミーユがファンに対して塩対応なのも聞かないし。ちょっとだけ目の前の少年の服装を
「舞台衣装?」とも考えたが……にしては、上質過ぎるだろう。
……だが、女の人外めいた瞳はきらきらしている。
「……本物よりいいかも……」
どうやら、憧れの俳優を上回る美貌を持つ少年を前に高揚しているらしい。
最初は、彼の尊大な口振りで眉を顰めているシーンもあったのに……。
マイペースな女魔族である。
■ギュンター・ホーレルヴァッハ >
「………何?」
彼女が上げた名は、自分も聞いたことがある。
民衆に人気の若手俳優。自分と似ている、という与太話を商人から聞いたこともある。
しかし、間違えられる程だろうか…と、首を傾げかけた時。
「……生憎だが、私は別に舞台俳優でも無ければ役者でも無い。というより、本物より云々、と言うからには私がそのカミーユ何某とは別人である事は理解しているのだろう?」
呆れた様に首を振る。
其の侭、コツ、コツと革靴の音を鳴らして彼女に近付けば。
「……その瞳。魔族か、それに類する者か。少なくとも、ヒトでは無いのだろう?
それにしては随分と俗世に染まったものだな。ほら、此処迄来れば、私が別人である事は十分わかっただろう?」
やれやれ、と溜息を吐き出しつつ。
ずい、と彼女に近付いて己の顔を見せようとするだろうか。
彼女が人外の者である事には気付いている様だが、それに臆した様子は見られない。
王族としての誇りか。自身の魔力や魔術への自信か。
……単に、何だか緊張感のない彼女の仕草に、毒気を抜かれただけなのかもしれないが。
■ブレア > 「――うん、メリッサと一緒にカミーユが出る舞台を三回ほど観たことあるけど~……。
やっぱり、人違いみたいね? カミーユは終演後、一人一人の顔を見るようにして、笑顔を振りまくような人だもん――ははっ」
何がおかしいのか。一人で愉快になって、笑い混じりに言う女。
また新しく出てきた名前は、どうやら彼女の知人・友人を指すらしい。
知らない者の名前を出しても、目の前の少年にはぴんと来ないだろうに。
女が好き勝手に喋ると、こういう塩梅になるらしい。
「……そんなに近づかなくても俺には見えてるよう」
わざわざ距離を詰め、顔を間近に持ってくる少年相手に目を細める。
くすくすとした笑い声が、微かに漏れ。
「俺が魔族だったら何? ――俗世も何も、俺たちの文化にも芸術とかあるっての。
美しいものを愛でたらダメなの~?」
口調はどこか余裕があって。軽くて。ふざけている感じなのだが……。
成り行きとは言え、美しい少年とお近づきになれて満更でもなさそうだ。
■ギュンター・ホーレルヴァッハ >
「…私が観客に笑みを振りまく様には見えぬだろう?
残念だが、舞台俳優に会いたければ素直に劇場に行く事だな」
小さく肩を竦めてみせると、瞳を細めて笑う彼女に、静かに視線を向ける。
「……別に?魔族だろうが人間だろうが、私にとっては何方でも構わん。……美しいもの、というのは、少しばかり言いたい事が無い訳でも無いが…」
魔族である彼女にも、思う所はないと告げつつも。
流石に美しいだの、愛でるだのと告げられれば、少し困った様な表情を浮かべつつ、一歩彼女から離れるのだろうか。
■ブレア > 「――うん、全然見えない。カミーユとは違った意味で仮面をいくつもたくさん持っていそう……、
はがしてみたいな~。――全部っ♪」
少年とは対照的に子どもみたいな口調だが、そこにわざとらしさはなく。
裏表なく、思ったことをそのまま言っている模様。
……結局、対人関係に置いて。相手を動揺させたかったり、相手の深い部分を知りたかったりするのであれば。
こちら側から、素の自分を曝け出すのが一番なのかも知れない。
無論、そこまでの計算があっての振る舞いではないのだが。
「――意外。俺が人間だったほうが良かったんじゃないの? だって、『人類の敵は、人類』なのでしょう?
……ハハハ!
あれ、え~。なあに?? 『かっこいい』とか『男らしい』と言われるほうが良かった?」
一人で言葉遊びをしては、一人で笑う。捉えどころのない言動が続く。
距離を置かれると、双眸を瞬かせ。褒め言葉のチョイスが微妙だったのかと女は想像していた。
■ギュンター・ホーレルヴァッハ >
「…仮面を全部、ねえ。私の仮面を引き剥がしてどうするつもりなのかは知らぬが、そう易々と剥がされる様な、柔な仮面は持っておらぬよ」
小さく溜息を吐き出すと、近くにあった古ぼけた長椅子に腰掛ける。
呆れを滲ませる感情は顕著ではあるが、其処に少なくとも敵意や悪意を彼女に見せる気配は無いのだろう。
警戒心の強い王族の少年相手に、魔族の彼女が取ったコミュニケーションの第一歩は、成功と言っても過言では無いのではないのだろうか。尤も、尊大な態度は元々なのか崩れる気配は無いのだが。
そして腰掛けた儘、彼女を見上げる様に視線を向ければ――
「人類の敵は人類かも知れぬが、私にとっては私の覇道を妨げる者は等しく敵だ。
だから、貴様が私の邪魔さえしなければ。或いは、明確に人類に。王国に刃を向けなければ。此方とて、いきなり討伐する様な事はせぬさ。
……容姿を褒め称えて欲しい訳ではない、という事だ。
出会ったばかりの魔族に、突然容姿を賞賛される私の身にもなってみたまえ」
ふう、と溜息と共に言葉を紡ぎ。
改めて月光に照らされた彼女を見つめるのだろうか。
彼女も、ヒトならざる魅力と美貌の持ち主ではある。一人称が俺であったり、魔族らしからぬ馴れ馴れしさも、彼女の魅力を引き立てているのかもしれない。
並みの男なら、案外ころっと落ちたかも知れないな、なんて考えていたり。
■ブレア > 「ただの好奇心だよ。――好奇心は猫をも殺すと言うらしいけど。
心臓を三つ持っている俺なら大丈夫だろう、っはは」
ちなみに。仮に全部破損しても、すぐには死なない。しばらくは心臓無しでも活動が可能だし……、
再生する。失っても。ブレアは驚異の生命力の持ち主である。かといって、すすんで無茶をするタイプでもないが。
笑いながら自分の異形振りを自然に言葉にするのは、なにも目の前の少年を舐めているからではない。
深い意味はない。ただの事実を口にしている感覚である、本人からすれば。
位置の関係上、見上げてくるような視線。それを受け止めつつ、
「邪魔も何も、俺はお前の大願を知らん。理想を知らん。……べっつにぃ~??
この国には侵略に来たわけじゃねえよ。だいたい俺ら、北の連中と関係ないし。――あまり一緒にしないで欲しいなあ。
や、知らねえよ。だいたいのやつは、褒められたら恥ずかしがるか素直に受け取るんじゃね?
もしくは、その綯い交ぜ。……お前はなに、俺に褒められて動揺したの?」
覇道という言葉を「大きな夢・目標」の類いに捉えれば、「そもそも知らないことはどうもできない」と首を横に振って。
どちらにせよ、人類を積極的に襲う予定もなかったので。それについても否定しておく。
そして、「お前の心中など知らぬ」と言い張る。……確かに、本人以外が把握しているとおかしな気もするが。
この場合、想像力を働かせろという話の流れだったかも知れない。一応、ブレアには常識も想像力も"それなりに"ある。
……でも、それだけである。空気を読める上で読まず、思ったことをそのまま言う始末。
■ブレア > 魔族の女と王族の少年。その邂逅は意外なものだった。
お互いに他愛のない話をしているうちに、だいぶ時間が過ぎ――、
ご案内:「町はずれの廃教会」からブレアさんが去りました。
ご案内:「町はずれの廃教会」からギュンター・ホーレルヴァッハさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場 船上カジノ・娼館」にファンヤ・ヤントさんが現れました。
■ファンヤ・ヤント > 冬の海であろうとも 用があれば船は出る
味の良い宝蟹を求める船もあれば、肌の温もりを欲した仕入れ値が上がったからと商品を積んだ船もある
カジノ船もまた、船着き場にて、王都と港湾都市を行き来して稼ぐ独壇場の舞台
土地を必要としない其処は金さえあれば誰であろうと受け入れる
金と女が行きかい誰の目にでも映る官能と酒の国だ。
ファンヤは、海賊としての仕事を終えており現在はこの船の中で、酒を嗜んで様子見をしていた。
官能的な香水と脂ぎった商人の匂いに交じり、赤いラムの香りが鼻先に広がっている。
エルフ耳や褐色の肌から、目を向けてくる者はいる者の、腰に下げた二刀が娼婦とは違うと知らせている。
周りには同じく見定められている娼婦が、勝ち客の相手を見定めており声がかかるのを待っていた
中には暇を持て余すような客や、素人染みた、声を時分からかけにくく酒を傾けている男へと誘い掛ける者もいるだろう。
「お、当たったみたい。」
一つの場に人がやや集まっており鑑賞中
大勝を得たらしい男性は冒険者か
カジノにふさわしくない衣装ながら、引き際はわきまえているように席を立つ。
これから高い酒か女を味わうのだろうか。
周りは金を奪わんと目を向ける者や羨み 楽しませてもらったと笑みを浮かべる者
渦巻いているそれを見て、帰り道を想像しては弔いの酒を向ける様に一口飲んで念じたり。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場 船上カジノ・娼館」からファンヤ・ヤントさんが去りました。
ご案内:「娼館通り」にタン・フィールさんが現れました。
■タン・フィール > 王都の入り組んだ路地の先、さまざまな娼館や乱交場がならび、
列状をそそる店名やキャッチコピーの看板を艶やかな照明が爛々と照らす娼館通りと呼ばれる一角。
今宵も望みの雄を、雌を、客を、獲物を物色する男女が声を掛け合う妖しく猥雑な通りを、
ぺたぺた裸足の音を立てて呑気に闊歩する、幼い薬師の姿が一つ。
ふらりと散歩にでも出かけたような気楽さと無邪気さは場違いでもあり、
しかし裸の肢体に桃色シャツを一枚羽織っただけの格好は、幼年の少年少女を好むもの好き紳士に声をかけられたり、
年下に欲情する娼婦や、スカウトの店員に誘われたりと、妙にこの場になじんでもいた。
「ん~っ、おくすり、買ってくれる~?…それなら、かんがえちゃうけどー。
…え?いらなぁい? ふふー、じゃあ、だめーっ」
と、薬師の手には薬瓶や錠剤の詰まったバスケットのカゴがひとつ。
今日は娼館や性に溺れる客の夜を彩るような薬を卸し、営業に訪れたようで…
口調や態度がどこか酔ったようにぽわぽわして、頬がわずかに赤らんでいるのは、
ここに来る前にその「夜の薬」を複数味見したせい。
酔ったような様子の幼子が繁華街をふらつく様子は、いかにも危うげで、妖しい。