2021/01/31 のログ
ご案内:「王都の路地裏」にタン・フィールさんが現れました。
■タン・フィール > 王都の平民地区の市場に面した通りには、一般人に向けた食材や衣類や雑貨の店が並ぶ「表」たる大通りと、
そこから無数に伸びる路地裏を抜けた先の貧民地区に近い区画にひっそりと並ぶ「裏」たる闇市が存在していた。
闇市には、「表」の店には置けぬような密猟や強奪による食材・素材がずらりと並び、
どうみても普通は買えぬような高価な…あるいは凶暴な魔物の幼体がペットとして売られ、
奴隷市場都市バフートの一角のように、人間やミレーの老若男女が様々な用途で繋がれ売られている。
そんな裏市を訪れる怪しさや危うさや豪快さに満ちた客層の合間をぬって、
ひたひた、ぺたんぺたんと裸足の足音が軽やかに大人たちの人影をすり抜けていく。
手にぶらさげた籠には、この裏市で仕入れたのであろう奇抜な色や形状の花やキノコや動植物の部位が詰め込まれていて、
この裏位置でしか仕入れられない、薬屋に必要なものを買い揃えている最中で。
「~~~っ…はやいとこ、必要なモノ買って帰っちゃわないと…」
と、漏れる独り言の少女のような声色は、不慣れな雑多さや猥雑さが渦巻くこの魔境といえる市場に明らかに不安がっていて、
途中、『そこの嬢ちゃん、こっちきてコレ見てみねぇか』といった類の、
客引きなのか変質者なのか人買いなのか判別もできないこわいおとなの声などは、
聞こえないふりをしてそそくさと人混みに紛れてかわしていく
…その人混みも、決して安全地帯では無いのだが。
■タン・フィール > そうして人ごみをかわし、たまに流れに呑まれながら、奥へ奥へとそのまま進んで姿を消していく…
ご案内:「王都の路地裏」からタン・フィールさんが去りました。