2020/11/28 のログ
ご案内:「裏の闇市」からタン・フィールさんが去りました。
ご案内:「商家の屋敷(偽)」にフェリーチェさんが現れました。
ご案内:「商家の屋敷(偽)」からフェリーチェさんが去りました。
ご案内:「薬屋のテント」にタン・フィールさんが現れました。
タン・フィール > 街角の空き地にちょこんと立てられた薬師の少年の店舗となるテント。
その出入り口の天幕からは、薄紫のブドウ味の綿菓子のような煙がもうもうと立ち込めていて、
周囲にはジャンクな飴菓子や安物のジュースのような、甘い香りが満ちている。

「うーっ…あづ~~~…っ」

テントの中は鍋を煮るための火の熱気が籠もる構造にもなっていて。
そんな中で数時間、薬作りの熱気と格闘していくことで少年の体力は大幅に削られていく。

おまけに、汗のひとしずくも薬の中に混入してしまえばこれまでの努力と素材が全て無駄になるという神経の消費も、少年の幼い心身に消耗を強いていた。

「―――っふぅ…よし…あとは煮詰めるだけだし、ちょっと、きゅうけーい!」

薬鍋に蓋をして、予熱で煮詰める段階までなんとかこぎつければ、
テントの天幕までとてとて走り寄って、ば!と勢いよく開いた。

「んんーーーーーっ!!…きもち…いいっ!!」

外は生ぬるい風ではあるが、室温40度を超えそうなテント内に比べれば快適に涼しい風が通り抜けていて、
心地よさそうに汗ばんだ肌や顔を外気にさらし、
裸に羽織った大きめのサイズのシャツと素肌の間に風が通り抜けていくのが心地よい。
時折はためいた拍子で、少女のような両足の根本やお尻、薄い胸元が晒されてしまうが、全く気にする様子もない。

タン・フィール > 「―――おっ、いいにおい! ふふ、あとは冷ますだけー♪」

テントの中から、甘い香りが煮詰まってさらに濃密になるのを感じると、
天幕を開けてもう一度中へと戻り、鍋にかけられていた火を一旦止める。

くつくつと小気味良い音を立てる鍋を、涼しい外気にさらそうと、
もふもふのキッチン手袋で鍋を掴み、
よろよろと危なげな様子でテントから出てくる様子は、まるっきり幼子が不慣れな料理にひとりで挑戦しているような光景で…。

薄紫の甘い煙をわずかに漏らす鍋蓋の様子を見ながら、草むらにシーツを敷き、
その上に鍋を乗せて冷めるのを待つ。

同時に少年もころんと草むらに寝転んで、薬が「完成」するまでお昼寝でもしようという体勢。