2020/11/10 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場/ふたなり浴場」にリスさんが現れました。
リス > 九頭龍温泉、九頭龍の水浴び場の沢山の浴場の中の一つ、ふたなり浴場。
 両性具有の女の子が、女性の相手を求めてやって来る、所謂出会いとか、即エッチするための場所。
 基本的に、同性愛者と言うもの自体が少ないのでここが満員になっている、という事は少ない、だから……誰かがいればすぐにわかる場所だ。
 今回のお風呂は、一般的な大浴場という所か、獅子の口からどぼどぼと、お湯が流れ落ちて、湯船に溜まっていて、そのお湯は桜の色であり、甘い匂いがしているのを感じられる。
 他の客は相手を見つけて抱き合っているのを見れば、屹度そう言うお湯なのね、と思う。
 相手を見つけて、この場で交わるのもいいし、別の場所で交わってもいい、その為の宿なのだからね、なんて少女は考えながら、浴場をペタペタと歩く。
 滑らないようにしっかりと作り上げられている床は、お湯があっても歩きやすい。
 誰かいないのかしら、と抱き合っている女の子やふたなりのこの間を潜り抜けるように進む、お湯の中に入るのは……。
 もう少しだけ待った方が良いかもしれない、媚薬のお風呂なのは、目に見えているし。
 相手が見つかってからでも、良いわね。
 白い肌、弛んと乳房を揺らし、固くそそり立つ肉棒を見せて、両性だという事をアピールする。
 相手を探しているのだから、これは当然のアピールだと、少女は思う。

リス > 誰かいない物だろうか、こう、性的にピーンと来た人がいれば、此方からでも声を掛けちゃうぐらいには肉食獣なのだけれども。
 しかし、悲しいかな、居ないのである。というか、大体相手が居て、アンアンパンパンしているので、其処に割って入ったりはさすがにマナー違反と言える。
 こういう場所で、絶対数が少ないのだから、焙れるのは仕方のない事だから、それに対して、いう事は無いが。
 それでも、エッチしたいな、と思う欲望は、拭えるものではないのだ。
 なので、ふたなり湯の浴場をとことことことこ、相手を探して歩く少女が出来上がる、声を掛けたいし、掛けてもらえればうれしいけれど。
 その、声を掛ける相手が居ないのは、なんというかどうしようもない物である。

「……もう少し、奥とかに行くべきかしら?」

 うーん、と腕を組んで悩んで見るものの、答えが出ないので、仕方が無いか、と息を吐き出して、もう少し歩く。
 最近は寒くなってきているので、そろそろお湯に浸かって体を温めておいた方が良い気もしてくる。
 決めるにしても、もう少しだけ、もう少しだけ、と時間を遅らせて、悩んで見るのである。
 無駄なあがき化も、知れないわ、と言う思考が、ほんのチョッピり。

リス > 「くしっ。」

 思わず、くしゃみが出てしまった。流石にお風呂とは言えども、お湯に浸からずに暫くうろうろしていれば肌が冷えるものだ。
 とは言え、其処に見えているのは、媚薬のお風呂であって、体が温まる、なんてものじゃなくて発情してしまう、それ自体は良いのだけれど。
 でも、相手が居ない状態で発情するのは寂しいというかむなしい。
 どうしましょう、少女は、少しだけ眉根を堕として、お湯を眺める。温まりたいけど媚薬のお風呂はナーと。
 しかし、入らなければ風邪をひいてしまうかもしれないし、それはそれで、一寸やだ。
 入るしかないかしら、と覚悟を決める。

「奥に……いや。」

 奥の風呂場とかだと、と考えたが。此処が媚薬なら、奥も同じだろう、寧ろ濃厚な気がする。
 希望を胸に言ったら、絶望、なんてよくある話しでもあるのだし、ううむ、と少女は唸るのだ。
 仕方が、無いか、と、足の先から、お湯に入ることにする。
 ぴり、と刺激を感じるお湯で、ゆっくり入るのだけれども、全身ピリピリする気がする。
 そして、熱く感じられるのだ、矢張り、媚薬、なのだ。
 は、ふ、と肩まで我慢しつつ、少女はお湯に浸かっていく。